日本で初めて開催されるヨーロッパの写真祭、SEEEU。

東京の建築現場の仮囲いやカフェ、ギャラリーなどに、14名の現代写真家が作品を公開します。作品数はなんと250点以上。東京の街中がギャラリーのように変化します。


■ ©中川達彦

テーマは、「Reframing Realities :現実の新たな輪郭」です。ヨーロッパ大陸は各国が陸続きになっていて、そこでは人の移動や争いが歴史に刻まれてきました。SEEEUは、そのようなヨーロッパで、現在起こっている出来事について写真を通して向き合うイベントです。

■報道記者発表会(WPÜ SHINJUKU)

参加者の一人、マリア‧マヴロポールさん(Maria Mavropoulou/ギリシャ)は、祖父母の代からいくつかの国への移住を繰り返し、その過程で写真を含め多くの記憶をなくしてしまったと言います。今回の展示では、家族写真を⼈⼯知能(AI)に取り込み、形や⾊を置き換えた作品を展示します。それは、失った記憶を現代技術によって再構築するものです。
 

■マリア・マヴロポール《Imagined Images》2023

ヴァルヴァラ・ウリクさん(Varvara Uhlik/ウクライナ)は子供の頃、母親がいつも「Sunshine, How Are You?(太陽さん、ご機嫌いかが?)」と声をかけてくれました。しかし、旧ソビエト政権の影響が色濃く残るその時代、自由な感情表現をすることがとても難しかったとヴァルヴァラさんは言います。
母の言葉にいつもそっけない返事しかできなかったヴァルヴァラさん。今回の展示では、かけがえのない⼦ども時代を「実際の記憶」と「想像の記憶」を織り混ぜて再現します。
 

■ヴァルヴァラ・ウリク《Sunshine, How Are You?》2023-2024

今回の写真祭の舞台となる東京も、現代まで多くの変化が続いてきました。私たち誰もが経験しているかもしれない、失ったものや過ぎ去る日々への哀愁を、ヨーロッパの作家たちは独自の感性で表現します。この秋は東京で、展示作品やイベントを通して記憶の再構築を楽しんでみてください。


■報道記者発表会(WPÜ SHINJUKU)

■SEEEU ヨーロッパ写真月間 2025
Reframing Realities:現実の新たな輪郭

【会期】2025年10月23日(木)-11月23日(日)
【会場】東京都内の屋内‧屋外会場12箇所(港区、渋谷区、世田谷区、目黒区、新宿区)
赤坂二·六丁目地区開発計画 工事仮囲い / さくらインターナショナルスクール初等部 / 田町センタービル屋外部 /
田町センタービルピアタ(屋内部) / 都営バス「EXシアター六本木」バス停前(渋谷方面)工事仮囲い /
ヨーロッパハウス / 国連大学ギャラリー / Jinny Street Gallery / G2(Ginzan Coffee 2)/ HOME/WORK VILLAGE
HVEN / WPÜ SHINJUKU
【主催】KOI NIPPON / KOI