　現在公開中の映画『キングダム運命の炎』を観てきました。

　中国春秋時代。秦国の若き王「えい政」は、中華を統一し戦乱のない世を目指す。その秦国に強大な敵、趙が攻め込んでくる。果たしてえい政は秦を守れるのか。そしてえい政が中華統一を目指す理由とは！

　原作は原泰久さんの人気漫画。私は未読です。映画版は一作目も二作目も見ています。

　もう自明のことでネタバレにはならないと思うのですが、本作で完結するわけではありません。原作コミック自体６９巻まで出てて、絶賛連載継続中ですし。この三作目でようやく原作の１０巻目ぐらいだそうです。

　とはいえ、日本映画としては破格のスケールの巨大さもあり、１本の映画としては十分に満足のゆくボリュームになっています。まだまだ「続く」なわけですが、映画としてのカタルシスもちゃんとあります。ただ、観終わって思うのは「ここで引くのかーーー」ではありますが。

　また三作目にして、ようやく各キャラクターの骨格がはっきりしてきたかなという感はあります。前作までは、信も若いだけで「俺、将軍になりてえ」ぐらいの小僧でしたが、本作では将の器が見えてきます。

　もう一人の主人公「えい政」も同様で、居並ぶ将軍、英雄を前にして、一国を預かる王としての気概がにじみ出るようになりました。

　これは他の役を演じている方も同様です。それこそ雑兵のひとりを演じる方にいたるまで、この映画を最高のものにしたいという熱意を感じます。それぞれのツラがまえがみんな、それらしくなっているのです。だからこそクライマックスの戦闘も、これまでになくアツいシーンに仕上がっています。

　それにしても、この先続いたとして、完結するのはいったいつになるやら。ただ次の一作が期待大なことだけは間違いありません。

230731

皆ツラがまえがそれらしくなってきた『キングダム運命の炎』