千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館が2025年1月に休館するそうです。報道によると完全撤退も視野に入れているとか。

 同美術館は素晴らしい美術館です。私は1度行っただけですが、現代美術の素晴らしいコレクションを所有しています。特にマーク・ロスコの作品を揃えた展示室「ロスコ・ルーム」は見ものです。建物そのものや周辺環境の素晴らしさを含めて国内有数の美術館といっていいでしょう。



 ただ惜しむらしくは同社の研究所敷地内にあるため都心からは離れ、実質的に車がなくては行けない場所にあることです。なかなか気軽にふらりと訪れるというわけにはいかないのです。

 同美術館のほか、出光美術館も建物建て替えのため2025年をめどに一時休館です。また富山県では閉館した県立近代美術館跡地を更地緑化するそうです。そのほか閉館のうわさがある公立美術館もいくつかあります。

 DIC川村記念美術館のコレクションは実業家の前澤氏が受け皿として名乗りをあげているそうです。マーク・ロスコをはじめとした現代美術の数々が離散するとなれば残念なことです。できればまとまった形で継承されて欲しいものです。

 その昔、メセナ活動といって企業の文化支援事業がブームとなったことがありました。しかし複雑化するステーク・ホルダーの意向を踏まえると、単純な美術のコレクションや運営はますます厳しさを増すことは容易に予想できます。一方公立美術館も運営資金の乏しさという問題があり、こちらも艱難辛苦のご時世です。

 本ブログの目的は、一人でも多くの方がアートと触れる機会を創ることです。様々な美術展やギャラリー、アート・イベントを紹介しているのも、私の記事を見てひとりでも美術館・展覧会に足を向けていただければと思っています。みなさまもぜひまわりの身近な美術館・ギャラリーを見かけたら、興味・関心を持っていただければと願うものです。
240905