日本でもベストセラーになった中国発SF小説「三体」の、最新作にして三部作の完結編「三体 死神永生(ししんえいせい)」を読みました。

 約4光年離れた三体星系からの侵略を受けた地球。前作で、からくも平和を手にいれたかのように見えましたが、さらなる災厄が次々と地球を襲います。果たして地球と人類の運命は・・・。

 この広い宇宙は無常かつ無慈悲です。身も蓋もありません。人間のちっぽけな存在や感情など、なんの役にも立ちません。そのことを思いしらされる小説です。

 宇宙からの侵略者というと、スターウォーズやインデペンデンスディを思い浮かべます。しかし、この小説で起こる宇宙戦争は、そんな生易しいものではありません。考えてみれば、人類を凌駕する文化文明をもった宇宙人の武器がレーザー光線のわけありませんよね。とにかく弩級にすごいことがおこります。

 その弩級の出来事を締めくくるエピローグは、宇宙の無常さに対する作者のたむけの花でしょうか。

210623