円空仏を初めて拝観したのは 

奈良天川村に訪れた時

清流にほど近い 小さなお堂 栃尾観音堂の中


人の姿は無かったけれど

付近の里の人々に 大切に

守られている温かさが漂っていました

『歓喜する円空』梅原猛さん著に導かれ

円空仏が多数残されていると記されていた

名古屋の 荒子観音堂を拝観 

残されていた多くの足跡を 目の当たりに


柿本人麻呂も 円空の手にかかると

まろやかで親しみやすい人物像


あべのハルカス美術館には

大作も多数 集結

初期の頃の作品とも 出会えて

仏師の作風の 変遷がよくわかる内容でした


厳しさの中にも 微笑が


円空さんの 作品を観ていると

作り出すモノには 人間性が

自然とあぶり出される それを改めて実感

身が引き締まる想いです

大胆な作風が 代表作として有名ですが

初期の頃は 写実的で その変遷に

ピカソを重ねたくなりました


山あり谷ありの人生を

包括するような 逞しさと優しさが

内側から 滲み出ているようでした

鑑賞後 美術館の最上階に上がってみました

およそ東京タワーの頂上くらいの高さからの眺め


パインあめがトッピングのガリガリ食感

大阪名物のソフトクリームを

いただきながら 見おろす景色は 

壮大な歴史絵巻のレイヤーそのもの


机上の歴史知識を 上書きしてくれる景観は

刺激的で 長い時間 実景に空想を

重ねて見入ってしまいました


四天王寺式伽藍も 俯瞰すると

どうしてここに創建したかったのか

聖徳太子の気持ちに 近付けるような不思議


聖徳太子の時代の海の形状も重ねて

見るとより鮮明に

 

豊臣家を攻めた徳川家の策

こんな所から 大阪城を攻めたのかぁ


本当に土地の特性を よく考えられていたことが

実感となって 迫ってきました

南 西側にも 回ってみると

不思議な自然現象と 出会えました

もう日暮れなのだなぁと 見ていたら

日没ではなく 雲の切れ間から

太陽光線が 海をキャンバスに

己の姿を 投影していたのでした


あまりの美しさに 吸い込まれそうで

自分の小ささを 改めて受けとめて

大きな課題を胸に 帰路につきました