アーツカウンシル高松(ACT)朗読サロンの第2回発表会が3月17日午後2時から高松市丸亀町商店街のレッツホールで開かれ、新旧の講座生合わせて11人が満員の観客を前に1年間の成果を披露した。講座生の発表の後は、指導にあたったRNC(西日本放送)アナウンサーの池田弥生さんが三味線入りの臨場感あふれる朗読劇で観客を喜ばせた。

 

 池田アナが朗読した「弁財天の使い」は高松出身の文豪菊池寛の名作の一つで、東京上野の不忍池を舞台にミステリアスな設定から最後のドンデン返しに至るまでが緻密に練り上げられ、ストーリーテラーとしての菊池寛の名声をいっそう高めた作品だ。池田アナはいささか厳かな声色でゆっくりと語り始め、次第に観客を夢幻の世界に誘って、最後はあっと息を呑ませるほどの緊迫した朗読空間に仕上げた。

 

 発表を終えた講座生たちは、朗読というアートの奥深さに大きな感動を覚えたとのことで、いっそうの高みを目指して今後も活動を続けたいという声が多く聞かれた。指導した池田さんは「朗読は年齢を重ねれば重ねただけ、味わい深いパフォーマンスができるのが魅力です。これからも多くの方々と一緒に朗読術を深めていきたい」と話し、第3期への意気込みを感じさせた。

 

 今回の作品発表は岩部典代、岡部恵子、川井理恵、川見恭子、鈴木美紀、濵田早苗、林美由紀、藤島さゆり、前山しのぶ、森純子さんほか。発表作品は「放浪記」「ごんぎつね」「二十四の瞳」など近現代の名作11作品。「弁財天の使い」のライブ演奏は津軽三味線の筒井茂広さんが担当した。