コロナ自粛の影響で長らく休止していたアーツカウンシル高松の活動報告会「みんなの集い」が2022年12月11日午後、高松市丸亀町壱番街西館4階エグゼクティブサロンで開かれ、会員のほか高松市や市議会からの来賓も参加して久しぶりの文化の賑わいを楽しんだ。

 活動報告会の開催はおおよそ3年ぶりだ。毎年夏の総会は規模を縮小しながらも参加者限定でようやく開いてきたものの、自由参加の会合は本当に久しぶりのことで、全員マスク顔とはいえ、大いに会話を楽しみ、またそんな姿に感慨を深める人も少なくなかった。

 当初予定していたコールジュニア合唱団と子供のための演劇教室の子供たちは12月に入ってからの第8波感染拡大の影響を重く見て、直前に急きょ参加見送りとしたため、主な活動報告は大西詠子ディレクターによる菊池寛朗読プロジェクトだけになった。

 しかしコロナ禍を押して今年度からスタートした「朗読サロン」の活動ぶりは会員たちにとって大きな刺激となったことだろう。同サロンはRNCアナウンサー池田弥生さんの指導のもとに来年3月には活動の集大成として、朗読コンサートを丸亀町レッツで開くことを決めており、その舞台演出を子供演劇を指導する劇団マグダレーナの大西恵さんが引き受けるというプロジェクト間の連携プレーにも期待が高まっている。

 報告会は冒頭に明石安哲理事長のあいさつに続き、原田典子高松市菊池寛記念館館長がアーツカウンシル高松の活動に祝辞を送り、古川康造丸亀町商店街振興組合理事長が高らかに乾杯の音頭をとって祝宴が始まった。縮小に次ぐ縮小ムードでいささか意気消沈しないかと心配されたが祝宴が始まると、並々ならぬ文化発信のネットワーカーたちの集まりだけに、3年間の休止などどこ吹く風という盛り上がりを見せた。

 「やっぱりじかに会わないかんね」という声があちらこちらで聞こえるなか約2時間半の中身の濃い文化の出会いは終了し、多くの参加者が再会と再出発を約束する姿が印象的だった。(明石安哲)