日本ではコロナもゴミもみんな市民の協力任せ。役所はいつも責任逃れの言い訳モードで国民がちょっとやる気を失ったら、もう破茶滅茶になってしまう。こんな先進国は聞いたことがないが、もしかしたら、これこそ理想の先進民主国家なのかもしれない。

 

弁当の泣き言(2000/08/01初出)

 コンビニで弁当を買う。幕の内弁当・四百八十円。うまくはないが仕方がない時もある。食べ終えてごみ箱にポイ…いや待て待て、分別収集だった。これは可燃で、これは破砕ごみ。えーこれは何だっけ?▲高松市が容器包装リサイクル法に合わせた新しい分別収集を始めてちょうど一か月を迎える。それまでの五区分を七区分にして可燃、破砕、有害、缶・瓶・ペットボトル、紙・布、プラスチック容器包装、粗大・臨時ごみ▲それぞれに合理的な理由のある区分のはずだが、素人には理解できないものも少なくない。例えばビデオテープや録音テープ。現在は可燃ごみに分類されているが、どう見ても素材としてはプラスチック製バケツの親類▲疑問は後回しにして、まずは区分一覧とにらめっこをする。家の中にごみ箱が四つも五つも並ぶ光景には恐怖するばかりだが一応がんばる。しかし頑張れない事情の人たちもいる。例えば目の不自由な人、お年寄りたち▲視力の低下した人には分別収集は大きな負担だ。素材の差が分からない、区分表が見えない。ようやく分別したら、毎週毎日の予定表に従ってごみ出し。週休二日の公務員には簡単な作業でも夜勤の多い人にはこれも負担▲独り暮らしの高齢者を支えるヘルパーたちの負担も増えた。ただでさえ短いサービス時間が分別でさらに圧迫される。「一体お年寄りのためなのか、だれのためなのか」と汗と一緒にため息。リサイクルは大切だが、他に方法はないのかというため息▲弁当ごときで泣き言はいえないが、制度の未熟さは否めない。市民の負担を考えれば、弁当であれ何であれ、業者には容器素材を統一させるべきだろう。一つの商品素材は一種類の分別素材でなければ高松市では販売させない。素材には分別番号を明示|これくらいの条例は必要だ。