セカンドハンドらしさ(2001/05/06初出)

 参加したボランティアは延べ三万人、協力した学校、企業は約一千。リサイクルとチャリティー販売で活動を広げる高松のNPO法人セカンドハンドの本部ビルが七日、同市観光通にオープンする▲セカンドハンドが内戦の終わったカンボジアの教育支援を始めて今月でちょうど七年。最初は教育用図書を贈る小さなボランティアの集まりだったが、次第に活動を広げ、とうとう自前の本部ビルを持つまでに成長した▲その活動のポリシーはいつも「小さな力を集めて大きく」。今回も多額寄付に頼らず、多くの人々の協力で仕上げた。無名の、そして無数の人々の力を集めてカンボジアで次々に小学校を建設し、自前の拠点も整備した▲「いえ無名じゃありません。ボランティア参加者にはちゃんと機関紙も送ります。寄付のお願いには回りませんが拒みもしません。念のため」とホコリまみれの笑顔で反論したのは代表のフリーアナウンサー新田恭子さん▲今回の本部移転と高松店の準備もボランティアや支援企業が協力して、ゴールデンウイーク返上の突貫作業に従事した。古いビルの内装解体からペンキ塗りまで、代表を先頭に自分でできることは何でもやってしまうのもセカンドハンドらしさ▲不用品販売で国際支援|というシステムはとてもシンプルだが、なぜか日本で組織化に成功した例はない。セカンドハンド成功の秘密は何だろうと考えていたら、「はい、これ運んでね」と箱を渡される|なるほどこれもセカンドハンドらしさ▲現在、全国に四支部、協力ショップは県内外四店。カンボジアに小学校六校八棟、識字教育と職業訓練プロジェクトも実施。七周年の今月は本部開設に続き、十一日はチャリティーコンサートと大忙しでボランティア大募集中。今年は国際ボランティア年。