「家貧にして」の対句は「国乱れて英傑出ず」。ズブズブの接待官僚や、権力を笠にグータラ息子に就職を見つける田舎町の議員のごとき内閣総理大臣が出現する日本は本当に幸福な国なのかもしれない。十把一絡げでは田舎議員に叱られそうだが、気に入らぬ相手を無視したり、左遷で脅したり、こんな田舎臭い政治手法はガースーさんの故郷秋ノ宮村では当たり前だったのだろうか。そんなことに執心している暇があったらせめて他の先進国並みのタイミングでワクチンを入手して欲しかった。ガースーは一体何をしていたんだろう?
首相更迭の効果(2001/02/27)
思わぬ効果、というのが世の中にはある。お父さんがリストラされたらフリーター息子が定職についた話は「家貧しくして孝子顕る」の例。米国ではある対策のおかげで女性に殺される男性が激減した▲先月、米司法省は過去二十五年で女性に殺される夫やボーイフレンドが七割も減ったと発表した。ドメスティック・バイオレンス(DV‖夫や恋人による暴力)から逃れるシェルター(避難所)やホットライン(電話相談)の効果だという▲女性が身近な男性に殺意を抱く原因の多くはDVといわれながら、男性の側を戒めるだけでは効果は少なかった。しかし各種の法的対策や施設整備が進んだ結果、被害女性が追い詰められて凶行に及ぶケースは激減した▲ちなみに米国で妻などの女性に殺された男性は一九七六年には千三百五十七人いたが、九九年にはわずか四百二十四人になった。一方、夫などに殺される女性も千六百人から二割あまり減って千二百十八人になっている▲かつての日本では近親者が殺人の被害・加害者になる率は七割といわれた。しかし核家族化の影響か、その率は年々減少している。女性の経済的自立、離婚のしやすい環境も整いつつあるが、まだ孤立して悩む女性は多い▲日本では公設よりボランティア団体での運営が目立つが、岡山では県警がシェルター制度の導入を発表して全国初の試みと注目されている。地元に積極的なボランティア団体がないためだというから、これも思わぬ効果か▲香川ではまだ本格的シェルターの話は聞かないが、児童虐待も含め、女性を孤立から救う対策が望まれる。自治会活性化や里親制度も思わぬ効果があるかもしれない。ところで日本の株価対策は首相更迭とされている。こちらはきっと思い通りの効果がある。ちなみに支持率七%。