「ラジオで聞く香川菊池寛賞」朗読作品DVD 6月完成に向け着々と進行中!!
▲ジャケットを飾る西村記人氏のデザイン
「平成23年4月から、RNCラジオで放送してきた「ラジオで聞く香川菊池寛賞」。年間5作品の放送を続け、現在は今年受賞したばかりの松浦隆行作「たえと彦輔」を放送中です。
かねてより計画しておりました朗読作品のDVD化も、6月完成を目指して進行中。ジャケットデザインをご担当下さる画家の西村記人氏との打合せも終了し、現在はDVDに挿入する写真撮影が着々と進んでいます。耳で聞くだけでなく、目でも楽しめる作品の完成を是非お楽しみに!!
今回制作中のDVDは、(1)第46回受賞 正岡美香:作「波のグラウリヤ」 (2)第46回奨励賞 太田貴子:作「四つ葉さがし」 (3)第41回受賞 伊藤健治:作「財田川夏物語」 (4)第43回受賞 三田慶子:作「舞扇」 (5)第44回受賞 佐藤利夫:作「夕焼け通り商店街」の5作品です。このDVDは図書館に寄贈することを目的として制作しているため市販されませんが、サポーターとして、ご支援くださった方に贈らせて頂きます。またDVDジャケットにお名前も記載します。
このプロジェクトは今後10年計画で、香川菊池寛賞全受賞作品の朗読とDVD化を目指しています。文学賞受賞作品の朗読とDVD化がなされている例は、全国的にも他にはない画期的なものです。
2013年度DVD制作予定の作品は、2012年度放送の(1)第47回受賞 大西緑:作「ハナミズキ」 (2)第1回受賞 守川愼一郎:作「花ノ根村合財録」 (3)第14回受賞 薄井八代子:作「お止橋」 (4)第40回受賞 金子京子:作「フツゼノムスメ」 (5)第37回受賞 池内武:作「白糖」の5作品です。
郷土で生まれた芸術文化の継承・発展は、皆様のお力添えがあって初めて叶うものです。サポーターとしてのご協力を是非とも末永くお願い致します。
担当ディレクター・理事 大西詠子
※サポーターの参加費は5,000円です。お問い合わせは090-8690-8827(大西)まで。
DVDイメージ写真撮影隊
ラジオで聞く香川菊池寛賞の朗読作品DVDにはイメージ写真が挿入されますが、その写真を撮影するのがボランティア撮影隊の5人の皆さん。皆さんからひと言メッセージとお気に入りの写真を提供してもらいました。
1.「波のグラウリヤ」 担当:香西亮宏
「袖振り合うも多生の縁」という諺がしっくりくるほど、私にとって偶然も含めて色々な要因が重なり、このプロジェクトに写真班として参加させて頂くことになりました。
まだまだ未熟な私ですが、このプロジェクトを通じて撮影技術は勿論のこと、私自身の成長にも繋がるように励みたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。
2.「四つ葉さがし」 担当:久保勝義
昨年春、地元香川に戻ってきた会社員です。縁あってメンバーに加えていただきました。素晴らしい作品群に対し、正直、力不足は否めませんが、私にとってもまたとない機会。暫く遠ざかっていた趣味のカメラを手にして、地元の風景を切り取っていければ…と考えています。
3.「財田川夏物語」 担当:後藤朝子
「朝子さんはどんな人形を作ってるの?」好奇心満タン。心が踊っているような目で伊藤さんに尋ねられたのはもう随分前のこと。伊藤さんの家で出前展覧会をして作品を見ていただこうと思っていたのに、その矢先に伊藤さんは旅立ってしまった。
「財田川夏物語」の写真は、お見せできなかった人形を使って、伊藤さんが物語をつむいだ原風景や無意識の世界とどこか繋がる写真にしたいと思います。うまくいくかな。うまくいくよね伊藤さん!!!
4.「舞扇」 担当:大平崇代
父が遺してくれた、一台の一眼レフ。使わずに、しまっておくのも可哀想で、練習にとコンデジで身の回りの物、風景を撮り、SMSに投稿していました。写真好きの友人達からアドバイスを貰いながら「写真を撮る事」が、楽しくなってきたところです。技術はド素人ですが、どんな作品になるのか楽しみです。
5.「夕焼け通り商店街」 担当:西口里菜
カメラについては素人の私ですが、小学生の頃に香川菊地寛賞ジュニア部門で受賞したことがあり、今回の撮影隊の仕事は深い縁を感じました。
商店街の思い出や、突然現れた女の子によって吹いた新しい風。夕焼けに彩られた物語の情景を、聴く人の心の中に映し出すお手伝いができるような写真を添えられたらなぁと思っています。
ラジオで聞く香川菊池寛賞DVDサポーター(敬称略)
白石義人 明石万理 坂田知應 真鍋由紀子 小西智都子 後藤朝子 栗生俊彦 愛染伊知朗 福田倫丈 (株)香川フードサービス 香川ヤクルト販売(株) (株)ブックオフウィズ 錦美弥子 小野修一 石田孝文 安藤美也子 志度寺 多田善昭建築設計事務所 公共財団法人中條文化財団 太田貴子 大西正弘 松岡純子 多田佳智子 熊谷富由美 吉田弘子 ※2013年4月1日現在
石井ルリ子元理事長が逝去
▲2006年ACT総会で挨拶する石井元理事長
アーツカウンシル高松の初代理事長として芸術文化の振興に努めてきた声楽家の石井ルリ子さんが3月9日、高松市の病院で亡くなられました。88歳でした。石井さんは2001年から2006年までアーツカウンシル高松の理事長を務め、サンポートホール高松開館記念事業 オペレッタ「こうもり」を成功させるなど数多くの功績を残されました。一方1983年に香川音楽連盟を設立。若手声楽家の育成に情熱を注ぎ、毎年ジュニア音楽コンクールを開催。2000年には高松市芸術団体協議会長となり、高松国際ピアノコンクールの開催にも尽力されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
アクトコラム
平成24年度 コールジュニア高松の活動報告
コールジュニア高松 石井 真紀
▲ゆめタウン高松でのクリスマスチャリティコンサート
平成24年度も沢山のステージを経験しましたが貴重な初体験が五つあります。
一つ目は9月2日の小豆島童謡祭に参加するのを機会に初合宿を試みました。前日昼過ぎの船に乗り着いてすぐ会館に向かい練習開始。夕食までの4時間練習を終え宿泊施設へ。楽しく食事を…と予定していたにもかかわらず「箸の持ち方」「茶碗の持ち方」「食べる順番」「食べ方」等など…なんの合宿やら…。翌日も午後の本番までしっかり集中して練習し見事なステージを経験できました。小豆島の方々に優しくしていただき楽しい思い出となりました。
二つ目の初体験はクリスマスコンサートです。12月24日、25日と一日3回公演二日間6回公演を経験しました。午前中はRNCラジオ放送主催、音の出る信号機設置のためのチャリティコンサートをゆめタウンで。その後、丸亀町グリーン欅広場で15:00と18:00の2回公演。このグリーンでの4公演は野外公演で体が冷え切りましたがお客様も寒い中熱心に耳を傾け手下さったので嬉しいステージ経験となりました。
そして三つ目はこのチャリティコンサートは全国放送されたのです。「同じチャリティに参加して会った事もない知らない人とつながった気がした。」と子ども達は歌を歌って役立てるかもしれない充実感を味わいました。
四つ目の初体験はテレビのCMソングを歌いました。RNC放送で「讃岐のおいなりさんは~」と某神社のCMソングを歌っているのは私たちコールジュニア高松です。放送される度にドキドキワクワクします。歌ったのはほんの数秒なのに何回もワクワクして不思議な気持ちです。
五つめの初体験は毎年参加している香川ジュニアコーラスフェスティヴァルでトップバッターという体験です。フェスティヴァルのオープニングを受け持つこととなり緊張しましたが「ここで初めて出会ったぼくたちが一人ひとりの思いを広げて世界中のみんなと仲良くしよう」と心からの訴えを声に乗せ演奏しました。そして10カ国語(中国、インドネシア、南アフリカ、ドイツ、ロシアに加え、新しく韓国、アラブ、トルコ、オランダ、メキシコ)の歌に挑戦しました。リズムの違いが文化の違いかも知れないくらいたくさんのリズムの感じ方があってとても楽しくもっともっとたくさんの国を知りたいと思いました。一番の役割を果たした後はリラックスでき他の団の演奏がゆったりと楽しめて幸せでした。
今年はこの香川ジュニアコーラスフェステヴァルオープニングに始まり、3月24日プラザ祭り、5月5日こどもの日コンサート、6月2日アーツフェスタオープニング、7月31日ジュニアコンクール8月7日幼稚園児と遊ぼう、9月16日敬老の日のコンサート、12月23日(案)4世代コンサート、そして年が明けて、2月11日香川ジュニアコーラスフェスティヴァル2014のホスト団として今度は締めくくりの役目をします。
皆さん是非お越しいただき応援してください。毎年決して楽しいばかりではありませんが、いろいろな体験をしてたくさん悩み考えて子ども達は大きく成長しています。
▲香川ジュニアコーラスフェスティヴァル(今年2月11日 アルファあなぶきホール)
子どものための芸術教育研究プロジェクト報告
錦 美弥子
2月28日、第一回意見交換会を開催しました。本事業は、今の子ども達の貧弱な芸術環境を一変させ、全ての子ども達に、平等に豊かな芸術教育環境を提供することを目的としています。これは、なかなか抽象的で長い時間とエネルギーや手間のかかる事業です。
参加した皆さんは日頃、豊かな子どもを育むことにパッションを持って活動されている方々で、それぞれの経験、体験、理念など長時間にわたり、語って頂きました。週休二日制の実施や総合学習の影響で、副教科の授業が年間70時間から50時間に減少した事は大変きつい。学校教育の中で、表現力や情緒を育てる時間が激減している。これは、本当に心配な事であると、小学校の先生がおっしゃったことが強く心に残りました。他の出席者も同意見でした。他にも、引きこもりの子ども達が、音楽の力で自己表現ができ癒された事例や、イギリスの公的教育でのドラマスクールの話、プロデュース力が大事など、今回の会議で、参加者の方々と子どもの芸術教育に対する理念を共有できた気がします。
学校教育・公的教育で、「感じる心」、情緒を育てる、豊かな表現力を育てるカリキュラムが希薄になっている今、これからの子どもたちに平等に芸術教育環境を提供することが、我々のような文化・芸術の市民団体の使命であると強く感じました。
<参加者>
内海康則(スクールソーシャルワーカー)、児玉令江子(音楽療法士)、白石義人(市議会議員)、白川恵介(劇団プチミュージカル指導者)、矢島訓子(音楽指導者)、明石安哲(ACT理事長)、錦美弥子(ACT理事)
映画『The Lady アウンサンスーチー引き裂かれた愛』の上映会を終えて
石田 孝文
▲1月26日 サンポートホール高松 第1小ホールで上映
昨年春、40年間映画業界に身を置き、18年ぶりに高松に帰ってきてACTに会員として参加させてもらった石田です。
香川県にはシネコンが3ヶ所とミニシアターがあり、更に自主上映サークルの会と、年間の上映作品数としては相当数が公開されており、他県の映画フアンからは羨望の的となっている地域である。
そんな中でも、香川県内では上映の機会がないジャンルの映画があることが分かり、ぜひ鑑賞の機会を提供できればと思い、予てより気にかけていた映画の中で選択したのが『The Lady アウンサンスーチー引き裂かれた愛』であった。
作品の内容、完成度の高さや話題性から各所からの後援協力を得るとともに、ACTの主催公演としても開催でき、大勢の方々の協力のもと当日の強風と寒波にもかかわらず、来場者からも鑑賞後に絶賛の評価を頂き、無事上映会を成功裏に終了することができた。
現在、今回の上映会でのご意見や経験を生かして、次回の上映作品の選定にかかっております。ご期待の上、お楽しみにお待ちください。
追悼文
▲2003年ACT忘年会にて 大西さん(左)八木さん(右)
八木さんが逝かれて2ヶ月が過ぎました。まだその事を受け止められない自分がいます。
八木さん…目を瞑ると事務所の階段をゆっくりと上ってくる靴音が今にも聞こえてくるようです。
コーヒーを飲みながら短くて2時間、興が乗れば3時間以上も夢中になって話しましたね。
今気がついたのですが八木さんと普通の世間話をした記憶がありません。話題はいつも演劇のことでした。香川の演劇環境から始まってこの国の演劇文化にまで広がりました。八木さんの豊富な知識から出る言葉に私はほとんど聞き役でした。八木さんが熱っぽく話すそれらの話題はとても刺激的で先生に教わる小学生のように一言も聞き逃すまいと耳を傾けていました。
八木さんとの出会いは13年前の「高松に小劇場を作る会」からでしたね。
高松に演劇が広がらない要因の一つに上演するいい小屋が無いからだ。大きなホールでは演劇は育たない、この言葉は新鮮でした。それまで大ホールで公演するのが劇団員の夢でしたから、その真逆の説に驚きました。都会のあちこちに点在する小劇場から幾多の傑作が生まれたことを学んだのです。私たちの小劇場を作るというささやかな運動は町が腰を上げなくて頓挫しましたが、その2年間、毎週火曜日の夜に交わした西院寺での話し合いは楽しく、まさに目から鱗の日々でした。そしてこの小さな運動が、やがてあかつきホール誕生へとつながっていったのでした。
八木さんがヒロシマにこだわり平和を願い、2度と子供達を戦争で殺してはならないとの信念で劇作りをしている姿に打たれました。それはあの戦争で敗戦後ソ連に抑留されて死線を生き抜いてこられた実体験があったからですね。それは人間が究極に立たされた時にどんな姿になるかを切々と語ってくださいました。
サンポートホールのこけら落としとして八木さんの音頭で演劇祭を企画して県内外の劇団に呼びかけてサンポート演劇祭を行ったのも懐かしく想い出されます。
八木さん、あの時私は教えられたのです。演劇活動を行うということはただ好きだからやるのではなく、演劇環境そのものを、その地域に演劇がどう関わって行くのかを考え追求していく事だと教えられました。その教えを引き継ぎ、また次の世代に伝えていきたいと思います。
八木さん…ありがとうございました。八木さんは私の中で生き続けます。困った時、辛いことが起きた時、そしてちょっといいことがあった時、八木さんに声をかけてもいいですね。その時はあの小さなテーブルに熱いコーヒーを二つ用意します。砂糖をたっぷり入れて─。お休みなさい、そんなにお待たせしませんから…。
劇団マグダレーナ 大西 恵
2012年ACT忘年会を開催
忘年会は12月26日、高松市鍛冶屋町のイタリアンレストランで開催。来賓に菊池寛記念館の藤田正勝館長、作家の守川慎一郎さんらを迎えて、約20人が出席。和気あいあいの雰囲気の中、皆さんそれぞれの労をねぎらうなどして親睦を深めました。
アクトコラム
瀬戸芸ここがおススメ!
島の季節ですよ~!
「瀬戸内国際芸術祭2013」が始まった。島はこれからがオンシーズン。アート好きな人もそうでない人も、 春は島へ行くべし!行くべし!
せとうち暮らし編集長 小西智都子
島へ着く直前のお楽しみ(男木島)
まるで島がスカートを履いたみたいに、小さな屋根が裾野を埋め尽くす男木島。この島の楽しみは、島に着く前からすでに始まっている。着岸前の数分間。甲板に出て島をよ~く見ていると、スカートの家々の隙間をカラフルな人が歩き回り、静止画だった風景が、まるでアニメーションのように動き始めるのだ。しかも今年は、その家々に特製の大漁旗があがる。お父ちゃんが大漁だった、孫が帰ってきたと、その家に良いことがあると旗をあげようというオンバファクトリー・大島よしふみさんの作品。旗を見つけた日はステキな出会いがあるかも?
日帰りもいいけど、1泊すればなおよし。素泊まりの宿坊「道場」では畠中ご夫妻が楽しい島話を聞かせてくれ、「漁師yado民宿さくら」では名物さくら色のたこ飯が味わえる。「お食事処 円」は食事のみも可。ディープな男木島を味わいたいなら「浜上旅館」へどうぞ。
▲段々畑のような集落が目印の男木島
2度目の花見(小豆島)
花見と言えば桜。「今年は見逃した」なんて人も、小豆島ならもう一度チャンスがある。オリーブの花見だ。5月下旬~6月上旬にかけて、島中のオリーブが白くて愛らしい花を咲かせる。例えば、小豆島道の駅オリーブ公園で「オリーブ牛ハンバーガー」をテイクアウトし、そのまま園内のオリーブの森でお花見なんていかがだろう? 晴れた日は海が見渡せてとにかく気持ちいい。また今回の瀬戸芸では見どころの多い小豆島。私のような食いしん坊には坂手港~醤の郷周辺をおススメしたい。が、字数が足りなくなったのでキーワードだけ(苦)。大阪屋の海鮮丼、平和堂のオムレットサンド、ヤマロク醤油の蔵見学。騙されたと思って行ってみてください(笑)
▲白い星型の小さな花を咲かせるオリーブ。小豆島にて
編集後記
瓦版は発刊から11年になりますが、訃報や追悼文を掲載したのは今回が初めてです。しかもお二人も。ACTを産み、育てられたお二人の遺志をちゃんと引き継いでいけるのか。戸惑う私たちに「まあ、楽しくやりまい」と、お二人の声が聞こえてきそうです。(O野)
アーツカウンシル高松は、市民自らによる芸術文化振興活動をサポートするNPO法人です。
より多くの方が賛同されることを期待します。
一昨年から正会員の年会費が5,000円になりました。