「ラジオで読む香川菊池寛賞」DVD制作決定!!

作品を朗読する西日本放送の熊谷富由美アナウンサー
▲作品を朗読する西日本放送の熊谷富由美アナウンサー

ACTと西日本放送ラジオとのコラボレーション「ラジオで読む香川菊池寛賞プロジェクト事業」は2年目に入り、順調に放送が行われていますが、更に多くの方に受賞作を鑑賞していただけるようDVDを制作することになりました。
ラジオを聞く時間が作れない、パソコンが使えないから過去の放送を聞けない、原稿を読めない…という声を受けての企画です。

平成23年4月から、RNCラジオで放送してきた「ラジオで聞く香川菊池寛賞」。年間5作品の放送を続け、9月1日現在、7作品目を放送しています。

6月のACT総会、懇親会にお集まり頂いた方々には、ラジオ放送のお知らせをしましたが、実際にお聞きくださっている方は、ごく僅か…。

月曜日のお昼12:30~12:45の放送枠では、学校に行っている子供たちが聞けるわけもなく、「子供たちに豊かな芸術文化と触れあう身近な機会をつくる」ことは叶いません。パソコン操作の苦手な方にとっても、ホームページでの鑑賞は「面倒」のひと言。

できる限り多くの方に、手軽に受賞作品を楽しんで頂けないものか…と考えた結果のDVD化。制作したDVDは、高松市の図書館に寄贈しますので、どなたでも気軽に、朗読を聞きながら原稿を読むことができるようになります。

完成予定、平成25年春を目指して、制作事業がスタートします。

担当ディレクター・理事 大西 詠子

緊急告知
「ラジオで読む香川菊池寛賞」プロジェクト、DVD制作委員会に参加しませんか? 
制作に関する具体的な作業(パソコン作業、デザイン、アイデアマン等々)に、参加して下さる方は勿論、サポーターとしての参加も大歓迎!!あなたの力をお貸しください。

「ウォーク・ドント・ラン」アートの大樹を育てる

ACT理事長 明石 安哲

ACT理事長 明石 安哲

ACTの「新しい10年」の2年目が始まりました。2001年の設立から最初の10年はアートとアーチストの活躍の場を拡大する作業がいくつも続きました。オペラ、演劇、コンサート、美術展に加え、その舞台としてのフェスティバル・アーツフェスタ高松の実現。まるで毎日が収穫祭のような日々でした。その後に続く、「新しい10年」を私たちは「いまさらの種まき」の時と定めました。華々しいパフォーマンスとフェスティバルの成功が連続する中で、アートの大樹の衰退を感じたからです。特に子どもたちの芸術環境の貧しさにはおののきました。コマーシャリズムによるアート放散の嵐の中で、公的教育における芸術への取り組みの衰退は目を覆うばかりです。商業的に成功し、人気となったものだけが生き残るアートの寡占的貧困は年々深刻になっています。人々が本当に自由に芸術に触れ、味わい、楽しめるバラエティー豊かな芸術環境を作り出すには、それを支えるバラエティー豊かな人材を育てるしかありません。急がば回れ。ウォーク・ドント・ラン。厄介なことですが、もう一度、子どもたちの身の回りを見つめ直し、総合的芸術教育を実現する環境を作り出したいと思います。

今年は新しい事業としてRNCラジオで放送中の香川菊池寛賞朗読番組のDVD化と公的ライブラリーへの収蔵をはじめ、映画部門、音楽制作、出版部門などにもいくつかの夢が芽吹きそうです。大いに楽しみです。会員をはじめ、多くの皆さんの力がたくさん集まりますように。

新会員寄稿

白石 義人(高松市議会議員)

白石 義人(高松市議会議員)

皆さん初めまして、この度アーツカウンシル高松に入会しました、白石義人と申します。どうぞよろしくお願い致します!

私は現在、保育園副園長職の傍ら、高松市議会議員として子育て支援や、教育などに、また、以前舞台に関係した仕事に就いていた事もあり、現在はアマチュア劇団の制作をお手伝いしています。

さて、最近の子供達は「舞台離れ」が進んでいると言われていますが、確かに「観る機会」「演じる機会」に恵まれているとは思えません。

例えば、ウチのような保育園や幼稚園、小学校なんかでも観劇やお遊戯会、学芸会など、現在でも色々やってますが、こと演じるとなると、平等や公平といった言葉が横行しているためか、観ても演っても面白くないものになっていると感じます。面白くもないものに子供達が興味や関心、ましてやお金を払ったりするでしょうか?今の子供達にはゲームの方がよっぽど魅力的に映るはずです。

また、私ぐらいの親世代も観劇の習慣などがあまりありませんから、我が子を連れて観劇というのも、ちょっと考えにくいですよね。これだと子供達は更に舞台から遠のいてしまいます。子供にせがまれて見に行くのは、せいぜいキャラクターショーが関の山です。

そんなモヤモヤを抱えている中、舞台制作を通じ、アーツカウンシル高松と出会いました。

「何をする団体なんだろう??」と言うのが正直な第一印象ですが、過去の会報を読み進めて行くと、難しい話の中に「芸術教育」という言葉を見つけました。歌や演劇など色々な活動をこれに集約して行こうという考えに、私の想いとリンクする部分がたくさんある様に感じました。

芸術、特に舞台芸術なんかは個人の力で裾野の拡大を図るのは大変なことです。しかし、アーツカウンシル高松、そしてアマチュア団体、更に行政がベクトルを合わせれば、この高松の舞台芸術が素晴らしいものになるのではないか?と思います。

この高松を芸術の街に、そして舞台芸術の街に!との想いを馳せながら、先輩会員の皆さんと力を合わせて頑張ってまいります。

どうぞよろしくお願いします!!

10周年を迎えて・・・

コールジュニア高松 石井 真紀

コールジュニア高松の子どもたち

コール・ジュニア高松はこの10年「家族と歌いあえる日本の歌を歌う。」「外国曲を言語で歌う。」「自分の楽器を育てる。」という3つの目標を持ち頑張ってきました。それがそろそろ実を結ぼうとしています。

今年の舞台は5月5日こどもの日のコンサートで幕開けです。サンポートホール高松第2小ホールで満員のお客様に囲まれて童謡10曲を歌いました。このコンサートは第一部が家族で歌合戦、第二部がみんなで歌おうという二部構成からなっています。開催されて今年で7年目になりますが、第二部だけでなく、第一部で家族と共に出演する団員も増えてきました。第一の目標が形になって表れてきたようでうれしく思います。

次の舞台は参加者が童謡をテーマに集う小豆島で開催される童謡祭です。コールジュニア高松は「日本の童謡」を合唱曲にアレンジしたステージと「世界の童謡」8カ国をすべて原語で歌う2ステージを予定しています。世界の童謡は「草原情歌」「カリンカ」「森へ行きましょう」「黒猫のタンゴ」などその国の子ども達が歌い日本でも有名な曲をその国の言葉で歌います。プログラムには訳詞を掲載しました。日本の童謡がたくさん歌われる中、世界の童謡はどう聴こえるのでしょうか? 楽しみです。

冬の舞台は東かがわ市のコーラスグループとのクリスマスコンサートです。世界の童謡や日本の童謡はもちろんのこと、「虫歯のない子のクリスマス」「見えない贈り物」等クリスマスの曲など30曲を歌いあいます。

12月23日(日)13:30開演。東かがわ交流プラザ大ホールにて開催されます。是非、皆様応援に来てください。

さて、毎年2月11日に開催される「香川ジュニアコーラスフェスティヴァル」。香川県内の児童合唱団10団体が年に一度アルファあなぶき大ホールに集い、それぞれの持ち味を生かした歌を披露します。

「コールジュニア高松」は2004年に初出場、毎年テーマを定めて歌い今年で10回目の出場となります。今年のテーマは「いのち」。小さい虫の命をテーマに描かれた「虫の絵本」という合唱曲に決めました。

「蝶々は眠る時、羽をたたんで眠ります。誰の邪魔にもならないあんなに小さな虫なのにそれがまた半分になってそっとそっと眠ります…」と歌うチョウチョウ、他にテントウムシ、ガガンボ、セミを題材に何気なくいのちの在り方を問うまどみちおさんの詩に吉岡弘行さんが素敵な色合いで作曲された名曲です。この繊細な詩を子ども達がどう受け止めどう表現するのか今からわくわくします。子ども達が生涯忘れることなく、何かある度に思い出し勇気をもらえると確信しています。

10年間子ども達に付き合ってもらった私からの感謝を込めて子ども達へのプレゼントです。ケーキやゲームのように形はありませんが、こうした形のないプレゼントを喜べる大人になって欲しいものです。今までは歌いながら踊ったりアトラクションをしたり楽しい舞台を心がけてきましたが今年は10年目ということもあり声のみで表現することに挑戦します。少ない団員で2000人収容のホールをどう彩っていくか楽しみです。

2013年2月11日午後1時半開演、アルファあなぶき大ホールへきてください。

コールジュニア高松の子どもたち。美しいハーモニーが会場を包む。
▲コールジュニア高松の子どもたち。美しいハーモニーが会場を包む。

総会・懇親会報告

ACTは平成24年度の総会と懇親会を7月14日、3年ぶりに自前の事務所で開催しました。

総会は正会員44名中、出席17名、委任状21名で過半数に達し成立。平成23年度の事業報告、決算報告、監査報告に続いて、平成24年度の事業計画案、予算案、役員の選任案の各議案を提案。いずれも満場一致で可決されました。

平成24年度の事業は少年少女合唱団育成、子どものための演劇教室、子どものための芸術教育研究プロジェクト、瓦版ACT発行、ラジオで読む香川菊池寛賞プロジェクトの5事業で、いずれも前年度からの継続事業です。

総会に続いて開かれた懇親会には約40人が出席し、事務所がいっぱいになる盛況ぶり。歌や寸劇、踊りなどのアトラクションもあって会場は大いに盛り上がりました。

ACT明石理事長
▲「新しい10年」について熱く語るACT明石理事長

宮武寛局長
▲高松市創造都市推進局宮武寛局長のご挨拶。力強いエールをいただいた

出席者は38名(委任状含む)。みんな真剣な表情でした
▲出席者は38名(委任状含む)。
みんな真剣な表情でした

高松市創造都市推進局文化観光スポーツ部 秋山浩一部長、高松市創造都市推進局 宮武寛局長、高松丸亀町商店街振興組合 古川康造理事長
▲高松市の文化の話題に花が咲く
(左から)
高松市創造都市推進局文化観光
スポーツ部 秋山浩一部長
高松市創造都市推進局 宮武寛局長
高松丸亀町商店街振興組合
古川康造理事長

香川洋二議員、白石義人議員
▲市議会からは「洋二さん」でおなじみ香川洋二議員、若手のイケメン議員 白石義人議員が出席。

乾杯は丸亀町商店街振興組合の古川康造理事長
▲乾杯は丸亀町商店街振興組合の古川康造理事長

コールジュニア高松の子どもたち
▲コールジュニア高松の子どもたち。
美しいハーモニーが会場を包む

平井由紀子さん
▲コールジュニアのピアノ伴奏は平井由紀子さん

子どものための演劇教室の生徒たちが自作の寸劇を披露
▲子どものための演劇教室の生徒たちが自作の寸劇を披露

藤間勘清都こと錦理事が日舞「荒城の月」を披露。歌は児玉令江子さん、バイオリンは矢島訓子さん
▲藤間勘清都こと錦理事が日舞「荒城の月」を披露。歌は児玉令江子さん、バイオリンは矢島訓子さん

RNCの熊谷富由美アナ(右から2人目)が「ラジオで聞く香川菊池寛賞」の録音余話を紹介
▲RNCの熊谷富由美アナ(右から2人目)が「ラジオで聞く香川菊池寛賞」の録音余話を紹介

平成24年度役員紹介

役員 氏名
理事長 明石 安哲
副理事長 小野 修一
理事 阿河 淳也
理事 大西 詠子(新任)
理事 錦 美弥子
監事 関谷 利裕
監事 石川 千晶

新理事紹介

大西 詠子

大西 詠子

住所/高松市浜ノ町
職業/人財育成トレーナー、大学院非常勤講師
趣味/観劇、神社仏閣巡り
抱負/50dropsで、ほとほと力不足を痛感したにもかかわらず、昨年から「ラジオで読む香川菊池寛賞」担当ディレクターとして出戻りました。思いつきと勢いだけでなく、地道な活動を続けたいと思います。

子ども演劇の戸惑い

劇団マグダレーナ代表 大塚 和明

劇団マグダレーナ公演「深い日常の闇に」演劇教室の子どもたちも熱演
▲劇団マグダレーナ公演「深い日常の闇に」演劇教室の子どもたちも熱演

映画『ピナ・バウシュ 夢の教室』を見終わてしばらく椅子にうずくまっていた。

今子どもと一緒になって芝居作りをしている自分にとって、とても刺激を受けたからだ。かいもくダンスを知らない自分だが、その枠を越えて子どもに教えることの共通性を学んだという感じが強い。うちの生徒同様、私語やふざけが稽古中も続いているし、すぐに無理、出来ない、わからないを連発することは国は違うが全く同様で笑ってしまう。

しかし、驚いたことは彼らに与えたダンスがピナの「コンタクトホーフ(おさわり宿)」という作品なのだ。コンタクトホーフのテーマのひとつ、愛の表現では、当然のように異性に触れるシーンや下着姿にもなる。10代の子どもにとって最も関心の深い性に関する対象を極力遠ざけようとする我が国ではほとんど不可能に近いテーマだが、それを公募したド素人の子ども達にやらせているのだ。

これを選んだピナもすごいが、それを受け入れる子どもの親たちの文化レベルの違いに驚かざるをえない。子どもには、夢や、愛や希望に満ちた作品をと、底の浅い自分探しみたいな毒にも薬にもならない内容の作品を垂れ流し、それから少しでもはみ出すと目の色を変えて迫る連中の文化との違いをまざまざと見せつけられた思いがして立ち上がれなかったのだ。

自分の演劇が子どもたちの日常を描いてきたのかと問われると黙ざるを得ないし、公演が間近に迫ると、そんなことにおかまいなく仲間とはしゃぎ騒ぐ彼らを怒鳴りつけて従来の演劇の型に押し込もうとする自分がいる。

学校や家庭では解放しきれないものを発散しようとする彼らを、大人が勝手な演劇世界に無理矢理押し込む。演劇とはもっとフレキシブルな世界ではないだろうか、怒られて萎縮した脳細胞からは大人が喜ぶ紋切り型の演技しか生まれない。リアルな演劇に美しい物言いや動きは必要ない。そうした自意識を捨て去った後に何が生まれ出てくるのか。それは全てを子どもに委ねて、出来上がるものを容認する覚悟が必要なのだと思う。

演劇は舞台に出て完成する。これからは機会があるたびに舞台に出し、かれらの柔軟な 姿勢を生かしてみようと思っている。

アクトコラム

香川の島の底ヂカラ(小西 智都子)

殺しというエンターテイメント(上村 良介)

団員募集

コールジュニア高松 団員募集

コールジュニア高松はACTの少年少女合唱団育成事業として10年間にわたって、子どもたちの豊かな才能をはぐくんできました。歌の好きな皆さん、一緒にコーラスを楽しみませんか。

  • 年齢/小学1年生~高校3年生
  • 練習場/高松市丸亀町 丸亀町レッツホール
  • 練習日/毎週第1、第3水曜日 17時〜19時

<問い合わせ先>
〒760-0040高松市片原町9-15-3F コールジュニア高松
電話・FAX 087-821-3306
E-mail erk5-6@mb.pikara.ne.jp

子どものための演劇教室 生徒募集

子どもたちの個性を伸ばす演劇教室で、ACTの主要事業として2009年度にスタート。
押し付ける演技ではない自然な演技を目指します。
シナリオの創作や舞台の表現方法なども学びます。
生徒たちによる舞台公演や大人たちとの協力公演などで成果を発表します。

  • 年齢/小学3年生~中学2年生
  • 練習場/高松市瀬戸内町

<問い合わせ先>
〒761-0104高松市高松町446-4
子どものための演劇教室
電話・FAX 087-816-7392

ACT事務所をご活用ください

多目的スペース(約6m×6m)電子ピアノも使えます
▲多目的スペース(約6m×6m)電子ピアノも使えます

ACT事務所の広さは約6メートル×11メートル。フローリング仕様で、半分をACTの事務所、半分を多目的スペースとして使っていますが、イベントによっては事務所の一部を多目的スペースにすることもできます。備品は電子ピアノ、会議用テーブル(大2卓、小3卓)、イス55脚、DVDプレーヤー、オーディオ、プロジェクター、スクリーンなどです。

使用申し込みが出来るのは会員のみで、利用料は時間あたり850円です。

詳しいお問い合わせは090-7625-0126(錦)まで。

編集後記

ACT事務所での総会は3年ぶり。懇親会には約40人の方々が集まり、活気溢れる会となりました。談笑する皆さんの横顔からACTへの期待を肌で感じ、文化の種まきをしっかりやらねばと改めて実感。「新しい10年」の収穫を夢見て。(O野)

アーツカウンシル高松は、市民自らによる芸術文化振興活動をサポートするNPO法人です。
より多くの方が賛同されることを期待します。

一昨年から正会員の年会費が5,000円になりました。

年会費