アーツフェスタたかまつ2006 オープニング公演は「オナワンダ」

「42万人の輝きここに」をキャッチフレーズに今年のアーツフェスタたかまつは6月3日に開幕します。新しく42万都市となった高松市。今年の文化の祭典には合併した6町からも大勢の人たちが参加して7月9日までさまざまな催しが繰り広げられます。 オープニングを飾るのは創作ミュージカル「オナワンダ」。ACTが総括マネジメントを担当するこの公演は公募で選ばれた人たちをはじめ、島田創作舞踊研究所、四国二期会香川支部、コール・ロゼ、コールジュニア高松、高松第一高校、香川オリーブ少年少女合唱団、劇団マグダレーナなどから総勢180人の人たちが出演します。 「妖精の森」「こうもり」「小さな煙突掃除屋さん」に続くACTオペラシティプロジェクト第4弾「オナワンダ」。子どもたちの元気な演技と実力派の大人たちの歌や踊りが今年もサンポートホールを熱気で包みます。ご期待ください。

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▲演技指導に当たるシマダトミオ実行委員会

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▲最後の仕上げに向け熱が入る稽古風景

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▲13年前丸亀市民会館で上演された「オナワンダ」

〈オナワンダ実行委員会〉
制作総監督       石井 ルリ子
実行委員長       シマダトミオ
実行副委員長      松崎 晃
               田中 雅純
演出アドバイザー     大塚 和明
作曲・音楽ディレクター 大山 晃
編曲・エレクトーン    細川 千津代
音楽ディレクター     竹内 久美子
               石井 真紀
               村川 和美
ダンスディレクター    岡本 舞子

真美 頑張ります!!

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▲オナワンダ役
嶋真美(16)県立丸亀城西高校2年
島田創作舞踊研究所研究生

私は今回、アーツフェスタたかまつのオープニング公演「オナワンダ」で主役のオナワンダをさせてもらうことになりました。この「オナワンダ」という作品は、まだインディアンと白人が争っていた頃の話で、ある日オナワンダというインディアンの子どもが白人の町に迷い込んでしまいました。オナワンダはその町の牧師さんに助けられ、牧師さんの娘と息子とも仲良くなっていったのです。ところが牧師さんが留守の間に村がインディアンに襲われ、娘と息子がさらわれてしまいました。森に行っていたオナワンダは、村の人たちから疑われてしまい2人の姉弟を捜す旅に出たのでした。いろんな苦難を越え、ついに2人を救い出し村へ連れて帰ってきたという話です。

オナワンダは白人の信頼にこたえ、インディアンとしての誇りを持ち続けた誠実な少年の役です。

私がこの作品の中心になるにあたって一番苦労したシーンは大山猫との格闘シーンです。2人の姉弟を守るために勇敢に大山猫に立ち向かうのですが、その勇敢さが私には足らず、うまく表現することがなかなか出来ませんでした。しかし先生から「表現しようとするのではなく、こうされたらどうする、という風にありのままの自然な演技をしなさい」というご指導をいただきました。そして今は山猫との格闘シーンをはじめ、いろんなシーンで自然に振舞うことを心がけています。

6月3日の本番では、見に来てくださったお客さんにたくさんの感動を与えられるよう頑張りたいです。今回は私たち研究生に加え、6名の男性も加わり、とても迫力のあるものになっています。私も楽しみながら踊るので、見に来てくださる方も楽しみにして来てほしいです。

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高松市民文化祭アーツフェスタたかまつ2006 催物のご案内 〈主催事業〉

▼オープニング公演
●ミュージカル
創作バレエ・ミュージカル 「オナワンダ」
6月3日(土)14:00~16:00
サンポートホール高松 3F大ホール
前売り/大人1,800円、子ども800円
当 日/大人2,000円、子ども1,000円
・シマダ トミオ 0877-25-1306
●生活文化
ウインドーディスプレイin 高松2006
6月3日(土)~9日(金)10:00~19:00
丸亀町商店街
無料
・村川 永子 087-851-2611
●茶華道
茶会といけばな展
6月3日(土)~4日(日)9:00~16:00
サンポートホール高松 5F第2小ホール
1F市民ギャラリー・デックスガレリア
前売り、当日とも茶券500円、華券300円、共通券800円
・小早川 宗和 087-874-0458
●音楽
「サンポートホールでワンステージコンサートを! vol.3」
6月4日(日)13:00~16:00
サンポートホール高松 3F大ホール
無料
・森本 健二 090-7784-8224
●文芸
朗読劇「銀河鉄道の夜」
6月4日(日)・14:00~15:30、・18:30~20:00
サンポートホール高松 4F第1小ホール
前売り/大人800円、子ども500円
当 日/大人1,000円、子ども600円
・大美 千恵 087-851-5491
●民謡・民舞
祝・民謡民舞まつり
6月10日(土)12:00~16:00
サンポートホール高松 3F大ホール
前売り・当日とも大人1,000円
・松岡 芳子 087-885-2217
●生活文化
お手玉あそび大会
6月10日(土)10:00~15:00
サンポートホール高松 1F市民ギャラリー
当日1人100円
・磯崎 洋子 087-834-9895
●邦楽
邦楽三曲演奏会 四季巡る邦楽散歩 in サンポートホール
6月11日(日)13:00~16:00
サンポートホール高松 3F大ホール
前売り・当日とも大人1,000円
・篠田 豊智恵 087-841-2550
●音楽
クラシックコレクションコンサート2006
~わたしの街のソリスト達~
6月11日(日)14:00~16:00
サンポートホール高松 4F第1小ホール
前売り/大人2,000円、学生1,000円
当 日/大人2,500円、学生1,500円
・荒木 誠一 087-837-6102
●文芸
魂の詩に新しい声を! 朗読集会2006
6月11日(日)14:00~16:00
サンポートホール高松 5F第2小ホール
前売り・当日とも大人1,000円
・水落 博 087-882-3212
●生活文化
生活文化ショー2006
6月17日(土)・11:00~12:40、・14:00~16:00
サンポートホール高松 5F第2小ホール
前売り・当日とも大人1,000円
・進藤 悦子 087-833-9139
●新舞踊
今を踊る
6月18日(日)11:00~16:00
サンポートホール高松 3F大ホール
前売り・当日とも大人1,500円
・橘 芳香 087-867-2508
●パフォーマンス
ZooZooAngelo(ズーズーアンジェロ)
アフリカの地に感動を!
6月18日(日)18:30~20:30
サンポートホール高松 4F第1小ホール
前売り・当日とも1人999円
・須藤 由美 070-5680-9081
●パフォーマンス
ストリートダンスコンテスト
6月18日(日)14:30~18:30
サンポートホール高松 5F第2小ホール
前売り/大人1,500円 当日/大人2,000円
・ROT-SUZUE 087-861-3828
●アート
とっておきの芸術祭in 高松2006 ~さをりで輝く~
6月23日(金)~25日(日)
作品展示10:00~16:00
サンポートホール高松 1F市民ギャラリー
メインステージ 6月25日(日)13:30~17:30
サンポートホール高松 4F第1小ホール
無料
・知的障害者通所更正施設ミルキーウェイ
087-840-1600
●演劇
演劇公演「さぬきほっこまい!」
6月24日(土)・13:00~15:00、・18:30~20:30
サンポートホール高松 4F第1小ホール
前売り/大人1,800円、学生1,500円
当 日/大人2,000円、学生1,800円
・小西 金太郎(香川県高齢協内) 087-867-0663
●音楽
クリシュナフルートアンサンブルによる
フルートフェスタ♪
6月25日(日)13:00~16:30
サンポートホール高松 5F第2小ホール
7F第2・3リハ室/第1・4~6練習室
前売り・当日とも1,500円
・佐柄 晴代 0877-45-0313

▼クロージング公演
●洋舞
ダンスで伝える 愛と平和への祈り2006 洋舞公演
6月25日(日)13:30~15:30
サンポートホール高松 3F大ホール
前売り/大人2,000円 当日/大人2,500円
・関口 糸枝 087-851-6589

平和のメッセージをダンスに託して…

共に開設30周年を迎える関口ジャズダンスセンターとダンスインキャンヴァスの2団体が、同じテーマに向かい切磋琢磨し創作したダンスステージを繰り広げます。戦後60年をどのように受け止め、生きればいいのでしょう…。平和な日本がいつまでも続くことを願いつつ、アイデンティティの違う表現方法で躍動的、かつ、美しく、生きている命の一瞬、一瞬の尊さをダンスに託し訴えます。キッズから戦争体験の方まで皆さんの心に平和のメッセージが届きますように…。   クロージング公演実行委員長 関口 糸枝

現代ア-ト展開催!!

香川で初の韓国女性美術作家
         四国学院大学大学院教授 橋本 一仁
「ナルシズム」をキイコンセプトに、独特のシルクスクリ-ンとコラ-ジュ技法を駆使しながら、現代社会の中における女性の姿を記録する、韓国の女性現代美術作家尹良淑(ユン・ヤンスク)さんの現代ア-ト展が、2006年6月27日(火)から7月2日(日)までACTギャラリ-で開かれる。尹良淑さんは現在、韓国中部の大都市、大田(テジョン)広域市をベ-スに広く韓国内外で活躍する気鋭の作家。昨年12月に初来県、丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館をはじめ県内の美術館をめぐり、香川の現代ア-トの器の豊かさと多彩な作品群に大きな刺激をうけ、香川でぜひ個展を開きたいと願い、今回の現代ア-ト展の開催となった。四国学院大学カルチュラル・マネジメント学科でイベント・マネジメントを学ぶ教員・学生が中心になり実行委員会を組織し、展覧会の運営にあたる。入場無料。

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アクトコラム 「ピーマンを食べなさい」の疑問
 

自由空間ACTギャラリー デビュー!

ACTビルの1階にオープンしたACTギャラリーは2階のACTスタジオ、3階のACTスペースとともに高松市の新しい情報発信拠点として名乗りをあげました。オープンから3ヶ月あまり。絵画展、コンサート、朗読会などさまざまな芸術活動をサポートしています。マスコミにも取り上げられ話題になった第二の接吻原画展、錦の美展、ミニマルアート展について、作家さんや裏方さんから手記を頂きました。

 

「第二の接吻」原画展 ~時と空気について 2/15~3/5

 

◆総入場者数は855人 人のつながりが成功生む◆

ACTギャラリープロジェクトの第1弾として2月15日から3月5日までACTビル1階の自由空間ACTギャラリーで開かれた藏本秀彦氏による菊池寛原作「第二の接吻」原画展~時と空気について~は、多くの皆さんの協力のおかげで無事に終えることができました。121人が入場した19日(日曜日)を筆頭に後半には平日でも50人以上が来場するなど、開館した15日間の総入場者数は855人にも上りました。管理運営を担った実行委員会の1人として、反響に驚くとともに感謝の気持ちでいっぱいです。

原画展を成功に導いたのは、何といっても人と人とのつながりでしょう。個展を快諾してくれた藏本氏をはじめ今回の原画展にはACT会員、非会員を含め約40人もの方が参加してくれました。真冬の寒さの中で汗をかきながらACTビルの改装工事に奮闘した会員の皆さん。ボランティアで壁を真っ白く塗り替えてくれた北村塗装店の職人さんやギャラリーの管理人を引き受けてくれた主婦の皆さんら会員以外の方に何度も助けられました。会員の皆さんのネットワークにより、活動に協力してくれる会員以外の方が増えたのは今展の特徴でした。もちろん、会員に誘われて来場した人の中には、鑑賞後にその場でACTに入会する方も何人もいました。

原画展を契機として、自由空間ACTギャラリーに対する問い合わせは増えています。ギャラリー事業の運営でカギを握るのは「人」です。ACTの会員、非会員を問わず、だれもが無理のない範囲で気持ちよく活動に共感して参加できるようなギャラリー作りに今後も協力できればと思います。皆さん、ありがとうございました。(原画展実行委員会委員・西原一成)

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▲作品にこめた思いや技法を説明する藏本秀彦氏

◆「第二の接吻~人と出会いについて」◆
                 藏本 秀彦

昨年末、サンクリスタル高松で開催された「第二の接吻」原画展が無事終了しかけた最終日、急遽作品の搬出先がアクトの階段下倉庫に変更になった。作品達はA氏とN氏に拉致されそれから約3ヵ月の拘留を余儀なくされたのであった。

迂闊にもアクトでの展覧会を二つ返事で引き受けてしまった私は、この先無事展覧会が立ち上がるのか不安にかられたのは言うまでもない。(A氏の話は常に突然で、私が熟考する暇は与えられないのが常である。)しかし、そんな不安は一瞬にしてかき消された。まるで蒸気機関車が発進したかのように怒濤のごとく動き出すアクトのスタッフには舌を巻いた。

考えられないほどの少ない準備期間。実行委員会が作られ、アクトの改装、チラシのデザイン、情宣、運営にいたるまで、展覧会に関わる一切のことを彼らは同時進行でこなし、しかも自分のほんのひとつの出来事のように取り組むのである。

作品を作ったのは私だが、展覧会を作ったのは仲間達であった。動員数も予想を遙かに超え、私たちの思いは数多くの人に届き、自分で言うのも何だが、大成功というか、出来すぎた展覧会となった。

何かが起きる時は、運命とも思えるきっかけや出会いの積み重ねと、時の共有というものなのだろう。アクトが動き出したと感じたその時も、作品の錆は空気と時と怪しげな関係を保ちつつ成長するのであった。

シンシアリー!

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▲県内の美術関係者や著名人ら約30人が参加して開かれた オープニング記念のレセプション。 

◆ 龍村光峯「錦の美」展 4/27~4/29 ◆

名匠の作品展を高松で実現
         ゴーフィールド代表取締役 森田桂治

今回、四国で初めて、京都で伝統的染色紋織物を制作している織物美術家の龍村光峯氏の作品の展覧会をACTギャラリーで行うことが出来ました。大変お世話になりました。期間中は大勢の方に来場いただきましたが、「錦織」というものを聞いてはいても実際見たことが無いという方が大半でした。龍村氏の哲学的な柱を伴った解説、副社長 の山田氏の学術的な解説、ともに好評だったようです。龍村氏も、「買い物途中の方がふらっと入れる空間と言うのはいいね」とACTギャラリーを気に入った様子でした。

伝統織物の最高峰である「錦」にこだわり、日本の美であり、文化である「錦の美」を表現している龍村光峯氏の作品を、高松でも紹介したいと考えてから、ほんのわずかな期間で開催できたのも、栗生さんをはじめ、ACTの皆様の暖かい支えがあってのことと心よりお礼申し上げます。

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▲錦の美展、テレビ局も取材に

◆ ミニマル・アート展「繰り返しの構造と音像」 5/3~5/7 ◆

~『ミニマル・アート展・繰り返しの構造と音像』を終えて~ 
                                  中尾 麻沙也

5月のGWの5日間、ACTビルの1、2Fにて開催いたしました自作ミニマル・アートの展示会兼ミニマル・ミュージックの演奏会は、ACT内外の関係者の皆さんの多大なご支援により、無事、盛況にて滞り無く、また有意義な成果をもって終了することが出来ました。

ミニマル・アートは、Minimam=最小という語源の通り「作家が手を加えた芸術的内容が最小限」という命題を持つ現代美術で、素材や原型の美しさそのものを最大限に引き出す「純粋化」の表現手法がとられます。一方、ミニマル・ミュージックといわれる現代音楽も、最小の音形要素と分散和音が繰り返されながら展開する「純粋化の音楽」ですが、この同じ語源を持つ美術と音楽を、同じ空間に同時に存在させ共鳴させれば、自ずと”純正”的なコラボレート効果を発生させてくれるのではないか、というのが動機で展示会の準備を進めましたが、実はこれが意外に珍しい試みで、しかもその双方を一人の作家が手掛けるというのは世界的にも希有なことであるというのがわかりました。(要するにそうした記録を検索することができませんでした)

その発想から約3ヵ月間、ミニマリズムの神髄を見るべく作品制作と対峙し続けた末、気づけば作品は80数点になっていて、最後期の作品は、真っ白なキャンバスに真っ白なタイルを貼り付けて後は何もすることはないという境地にまで達しましたが、それらの作品群を誇りをもってエキシビジョンし、作品に囲まれながら1日3度、気持よくミニマル・ミュージックを演奏いたしました。(吉田由実さんらにアドリヴ・コーラスをつけていただき、大変好評でした)

こうしたことを、『自由空間ACTギャラリー』という若く初々しいスペースで自由奔放に挑戦させていただいたこと、またそれを成功させていただいたことを、ACT美術部門の会員としても感謝を込めて報告させていただきます。ありがとうございました。

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▲来場者に説明する中尾さん

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▲アートと音楽が融合。キーボードの中尾さん、コーラスるいまま。

アクトコラム まちうた(明石安哲)

アーツカウンシル高松は、市民自らによる芸術文化振興活動をサポートするNPO法人です。 より多くの方が賛同されることを期待します。

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編集後記

今号のようにアーツフェスタ前の瓦版はいつもの10倍くらい発刊しないといけません。 アーツフェスタの会場に配布するからです。 何千部もの発刊作業は大半が手作業。ACTの会員だけでなく、友人などにも手伝ってもらって夜なべ仕事の末ようやく出来上がります。でも読んでくれる人達のことを思うとそれも楽しい作業に変わるから不思議です。
                                            (O野)

この街の歌を作ろうぜ! -sketch of T city Project-

高松まちうたプロジェクト始動
作詞:上村良介/作曲:菅涼子で12曲
CD制作とライブコンサートも

どんなまちにも人の数だけ物語がある。人の数だけ思い出がある。42万のまちには42万の朝焼けと42万の夕焼けがある。少年が涙をこらえて歌う海辺の懐かしさ、少女が胸いっぱいの愛を込めて歌う思い出の街角。働く男たちの歌、公園に憩う老人の歌、女たちの恋の歌。喜びと悲しみ、愛の記憶が降り積もったまちの姿を歌に残そう−このプロジェクトは私たちの街・高松の新しい愛の歌を生み出す活動です。

アーツカウンシル高松(ACT)は2006年度芸術文化振興事業として、高松の街をテーマにした新しい愛唱歌集を作詞、作曲する高松まちうたプロジェクト「スケッチ・オブ・ティー・シティー(sketch of T city)」を実施します。この街に住む人々の色とりどりの思いを込めた、いくつかの物語を想定し、いくつかの街を舞台にした12曲の新しい歌を創作するプロジェクトです。CD制作、コンサート開催のほか、戯曲化、出版など多メディア発信も視野に入れます。また、より多くの地域を歌曲化するため、4年間で4シリーズ48曲(CD4枚)を制作する長期計画も併せて検討中です。

高松まちうたプロジェクトの第1シリーズの作詞は高松を拠点に活動する劇団銀河鉄道主宰・上村良介氏(四国学院大カルチュラル・マネジメント学科教授)、作曲は「ミレカン」のユニット名で活躍中のボーカリスト菅涼子氏が当たります。上村氏は寺山修司主宰「天井桟敷」、東京キッドブラザーズを経て銀河鉄道を結成。脚本家、演出家として30年近くにわたり高松で人気ナンバーワンの劇団活動をリードする演劇人です。また脚本だけでなく、300曲を超える劇中歌を作詞し、CDアルバム「東京恋歌」など歌づくりでも才能を発揮しています。

菅涼子氏は高松市内各所でゴスペル教室を開講し、人材を育成するかたわら、アルバム「FIRST LUCK」 「時の旅人」などを発表。その洗練された曲づくりには定評があります。昨年来、ACTギャラリーで開催しているゴスペル教室も菅氏と活動をともにするミュージシャン達によるものです。両氏はすでに銀河鉄道公演で作詞、作曲コンビを組み、劇中歌10曲を発表して好評を得ました。

歌づくりについて

(劇団銀河鉄道主宰・上村良介、2006/5)
 「T city」とは、いうまでもなくわが町高松のことである。
高松市は人口42万人の海沿いのcityである。そこにはさまざまな風景があり、いろんな顔を持つ人々がいて、そのそれぞれに喜びがあり、哀しみがあり、ささやかな物語がある。

この企画は、そうした風景と人と物語を「歌」によってsketchしようという試みである。それは朝の中央公園で出会った若い二人の歌であったり、小さな諍いに疲れた少女が夕暮れの瓦町をさまよう歌であったり、サンポートの海辺での再会の歌であったりするだろう。

もっともこれはいわゆる「ご当地song」ではない。必ずしも町名や場所の名前を折り込んだりはしない。ただ歌のイメージを追っていけば、そこにおのずとT city高松の姿が浮かび上がるようなそんな構成を考えてみたい。

曲調はあくまでポップで、詞はウィットにとんだ洒落たものにしたいと考えている。できれば人々の口ずさめる歌になればと思う。

展開としては、一連の構成を持ったトータルアルバムとしてのCDの制作、ミニドラマを加えたラジオドラマの連作、ミュージカル化したうえでのホールでの公演なども考えられる。

いずれにせよ、ひとつの町をトータルに歌として表現するというのは、あまり実例のないことである。そうした話題性、実験性のうえからもぜひとも実現したい企画である。

「まちうた」プロジェクトにご協力をお願いします

高松の街をテーマにした新しい愛唱歌を作詞、作曲する「高松まちうたプロジェクト/スケッチ・オブ・ティー・シティー(sketch of T city Project)」の成功に向けて、ACTの会員をはじめ、行政、報道メディアなど関係者皆様のご協力を切にお願い申し上げます。(NPO法人アーツカウンシル高松新規事業委員会/担当ディレクター栗生みどり)

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上村良介氏

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「 管 涼子氏