いつものようにジャズ屋で仲間たちとバカ話をしていたら、ボウリングを盛り上げるために映画を作るというネタになったのである。

ごん「ビリヤードも映画のハスラー2からブームになりましたからね」

田尾「となると、タイトルは“ボウラー2”やな」

ごん「1がないのにいきなり2ですか!」

田尾「何でもあやからないかん。で、主題歌はミック・ジャガーに頼んで“ボウリングストー
    ンズ”を再結成してもらう」

猿人「おっさん何かモゴモゴ言うたで!」

田尾「主役は、つんくに頼んで“ボウリング娘。”に出てもらう」

猿人「何か言うたで! よーに聞き取れんかったけど何か言うたで!」

田尾「そこにライバルが現れるね」

ごん「ライバルは絶対いりますね」

田尾「ライバルに水の江滝子が出てきて、ストライクを3連発や」

ごん「ターキーさんやがな!」

猿人「若い子、知りませんがな!」

田尾「するとそこに、ターキーさんを上回るすごいやつが登場や」

ごん「ターキーの上は何でしたっけ? ストライク4連発は…」

田尾「フォースや」

ごん「あーっ!(笑)」

田尾「黒いヘルメットかぶってマント着てスーハースーハーいう、フォースを使うすごい
    やつ(笑)」

ごん「あんた、バカですな」

***

これが私の息抜き兼ストレス解消兼頭の体操兼アイデア創出訓練の一つ、「ない話で盛り上がる」という遊びである。かなりハイレベルのハイテンションでこれができる仲間が、私の周りに10人くらいいる。年齢構成は30代中盤から40代前半のやつがほとんど。全員男。いずれも10年、20年来の仲間で、みんな10年以上にわたってこの遊びを重ねてきた「ない話」の熟練職人(笑)ばかりだ。普通に日常会話をしている時に、突然誰かが「ない話」に展開し始めると、そこからみんな秒速2万回転で頭を回して必死でネタを繰り出し合うわけです。ボケないかんしツッコまないかんし、何よりウケないかんし。県外からお客さんを迎えてうどん巡りを案内する時、私はよくこの仲間を同行して、お客様を腹筋つるほど笑わせてあげます。みんなサービス精神いっぱいですから。

                                           (ACT顧問)
(田尾和俊)