2月15日から ACTギャラリープロジェクト第1弾

藏本秀彦氏「第二の接吻」原画展

菊池寛の小説が再び脚光を浴びる中、平成16年(2004年)7月から故郷の四国新聞紙上で連載され、絶大な人気を集めた「第二の接吻」の原画展~時と空気について~が15日から3月5日までACTビル1階の自由空間ACTギャラリーと2階ACTスタジオで開かれます。

「第二の接吻」は、大正14年(1925年)7月から97回にわたり東京朝日新聞に新聞小説として連載されました。当時、結婚することと同じほど意味を持った「接吻」をめぐり、2人の美しい女性と男性が恐ろしく、そして悲しい運命に翻弄されていく純愛を描き、大きな話題になりました。 挿画を担当したのが、香川を代表する若手美術家、藏本秀彦氏(善通寺西高校教諭)です。鉄粉の酸化を利用したオリジナル画は、大正モダンを色濃く漂わせる作品の雰囲気を忠実に伝えるとともに、読者の想像力をかきたて、好評を博しました。

本展は、ACTギャラリープロジェクトの第1弾として新規事業委員会が中心となり実行委員会を組織して開催します。藏本氏の協力の下、新聞に連載した全原画97点と「セカンドキスシリーズ」の大作、さらに新たに制作した「フタツノイノリシリーズ」も同時に展示します。菊池寛の作品に新しい息吹を吹き込んだ挿画の魅力をこの機会にぜひご堪能ください。

 ※開館時間は午前11時から午後7時まで、観覧料無料。月、火曜日は休館。

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▲【作家略歴】 
藏本秀彦(くらもと・ひでひこ)氏
1965年琴平町生まれ。筑波大学大学院芸術研究科修士課程修了。学生時代から国内外の美術展に出展。90年、91年には県美術展洋画部門で知事賞、昨年末には「ACRYL AWARD2005」で秋山孝審査員賞を受賞。

白く美しい芸術空間ACTビル、生まれ変わる

白く美しいACTビルで芸術文化活動をどうぞ-。ACTビルの1階自由空間ACTギャラリーと2階ACTスタジオが、会員らによる手作業での改装工事に加え、北村塗装店(高松市成合町)の協力で壁も白く塗り替えられ、真新しい芸術空間として生まれ変わりました。

改装工事は、2月15日から始まる藏本秀彦さんの「第二の接吻」原画展に向けて行われました。まず、1月14日に建築家で会員の多田善昭さんの指導の下、改装工事を行いました。参加したのは藏本さんに加え、新規事業委員会を中心にした9人。特に改装が急務だった1階部分を中心に、使われていない電気コード用の柱をのこぎりで切断し、壁に張り付けられていた鏡を取り外すなど約6時間半かけて行いました。23日夜には、多田さんの依頼で北村塗装店の職人さんら6人が駆けつけ、約4時間かけて傷んでいた壁をパテで埋め、白い水性塗料で美しく塗り上げてくれました。

真新しい白い壁により、絵画を飾った際のギャラリーとしての存在感は十分。使用していない柱を撤去したことで、ライブやパフォーマンスなどのイベントでもスペースを有効に使うことができるようになり、高松市の新しい芸術文化の発信拠点としてさらに注目されるスポットとして進化しました。

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▲ボランティアで壁を塗り替えてくれる北村塗装店の職人さん

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▲ボランティアで壁を塗り替えてくれる北村塗装店の職人さん

シャッター画プロジェクト奮闘中

ACTビルのシャッターに壁画を描こうというシャッター画プロジェクトは少しづつながら着実に前進しています。担当しているアーチストはACT美術部門のホープ阿河淳也サブディレクター。実現までまだ何ヶ月もかかりそうな大変な作業ですが、仕事を終えたあと深夜までコツコツ取り組んでいます。見かけたらご声援をよろしくお願いします。

シャッター画の企画を立ててからすでに数ヵ月。てこずっています。予想はしていましたが、シャッターの表面は掃除も塗装も大変です。でこぼことした構造で、細部にいたっては筆を滑り込ませるのに時間がかかります。おまけに、下地用に使っていたペンキが店舗で採り扱われなくなってしまいました。同じものの取り寄せにかかる時間的なロスから、別のペンキを使わざるを得なくなっております。

その一方で、これまでの作業で驚いたことがあります。それは思った以上に人の注目を集めているということ。単にペンキを塗っていることは、一目見れば分かるのに、何をしているのか興味深そうに尋ねてくる人。通行する人の多くも、まだ何も描かれていないシャッターを見上げて行く。最近では、近くのコンビニの店員に「そこでペンキを塗っている人ですよね?」と顔を覚えられるほど。いろんな人が見ていることに気づかされました。

もう少しで、下地用の塗装が完了します。今後、図案に従って下書き、上塗りを行っていく予定です。作業用のつなぎも買ったので、その背中にアクトのロゴマークを付けたいと思っています。今後の進展に伴って、人々のアクトに対する興味・関心が高まることを期待しています。      (ACT新規事業委員会 阿河淳也)

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▲ACTギャラリー正面の壁にはnikeの壁画も

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▲深夜の商店街で昇降機に乗って作業する阿河さん

コカ・コーラの自動販売機設置 手数料は運営費に、ご利用を

新規事業委員会は11月25日、丸亀町商店街に面したACTビル1階のシャッター前にコカ・コーラの自動販売機を設置しました。

11月25日から12月末までの37日間の売り上げは213本。見込みより少なかったため、新規事業委員会からリクエストをして商品の種類を増やし、売り上げが少ない銘柄を頻繁に変えるなど改善策を講じています。それにより、販売本数は設置当初より徐々に増えています。

売り上げ目標は1日20本です。ACTが受け取る手数料は、今後の運営費に充当する予定です。数多い自動販売機の中でも、ACT前のコカ・コーラの利用をぜひお願いします。

アクトコラム 彼は夢を配った(明石安哲)

オペラシティプロジェクト第4弾 今年は オルコット作「オナワンダ」

高松市民の芸術の祭典「アーツフェスタ高松」は今年も6月3日からサンポートホール高松などで開かれます。オープニング公演は創作バレエ・ミュージカル「オナワンダ」。ACTをはじめ、島田創作舞踊研究所、高松交響楽団、四国二期会香川支部などの協力で上演します。「オナワンダ」は「妖精の森」「こうもり」「小さな煙突掃除やさん」に続く、ACTオペラシティプロジェクトの第4弾。今回は高松市が周辺6町と合併したことにより6町にも出演を呼びかけ、新高松市にふさわしい顔ぶれでオープニングを飾ります。

出演者は一般から募集し、オーディションを開いておよそ90人を選びます。募集は、モダンバレエ、児童合唱、合唱の三部門でそれぞれ30人。参加資格はモダンバレエと児童合唱は小学校3年生以上、合唱は高校生以上。1回目のオーディションは1月22日ACTビル2階のACTスタジオで開かれました。今後高松市片原町のまなびCANなども利用して随時開催する予定です。

 

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▲ACTスタジオで行われた1回目のオーディション

「オナワンダを成功させよう」

アーツフェスタ高松2006オープニング公演実行委員会委員長
         ACT舞踊部門ディレクター     シマダ トミオ

アーツフェスタ高松2006オープニング公演にオルコット作「オナワンダ」が幸運にも選ばれました。ACT主催で新高松市の誕生記念公演として6月3日(土)にサンポートホールで公演されます。

この作品は「若草物語」で有名な米国の作家オルコットの作品で、西部開拓時代の先住民の子供オナワンダと白人の姉弟との熱い友情と勇気と冒険を描いた物語です。フォスターの詩情溢れるメロディーに澄んだ児童合唱の歌声、美しい深みのある大人の合唱が加味されての楽しいこのミュージカルを県、市内外で活躍しているアーティスト、高松交響楽団、四国二期会香川支部、児童合唱団コールジュニア高松ほか、演劇、音楽団体のご協力を得て、市民参加で出演される意欲ある皆様方と共にヴォリュームのある創作ミュージカル「オナワンダ」に仕上げたいと思っています。

ACTオペラプロジェクト最初のジュニアオペレッタ「妖精の森」の元気さ,喜歌劇「こうもり」の成功、昨年のこども参加オペラ「小さな煙突掃除屋さん」の明るさ、それに続く創作ミュージカル「オナワンダ」に暖かい拍手と心強い後押しをお願いします。スタッフ、キャストの皆様と共に頑張ります。

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アーツフェスタたかまつ2006 開催期間、参加団体決まる

平成14年に「高松市市民文化祭」から「アーツフェスタたかまつ」と名称を替え、今年で通算33回目。
今年は新高松市誕生を記念し、合併町からの参加も期待されています。開催期間と参加団体は以下の通りです。
主催事業/6月3日~6月25日(18団体)   参加事業/7月1日、9日(2団体)

 

主催事業

創作バレエ・ミュージカル 「オナワンダ」
6月3日(オープニング公演)
アーツフェスタたかまつ2006オープニング公演実行委員会

茶会といけばな展
6月3日~4日
高松市茶華道協会

ウインドーディスプレイin 高松2006 
6月3日~9日
ACT生活文化部門委員会

「サンポートホールでワンステージコンサートを!vol.3」
6月4日
高松市音楽協会

朗読劇「銀河鉄道の夜」
6月4日
おはなしの部屋

第33回音楽まつり 祝民謡民舞まつり
6月10日
高松市民よう協会

お手玉を作って、遊ぼう!!
6月10日
高松おじゃみの会

邦楽三曲演奏会 四季巡る邦楽散歩in サンポートホール
6月11日
高松市芸術団体協議会邦楽部門

クラシックコレクションコンサート2006
~わたしの街のソリスト達~
6月11日
ACTクラシックコレクションコンサート実行委員会

魂の詩に新しい声を! 朗読集会2006
6月11日
ACT文芸実行委員会


生活文化ショー2006
(ファミリーファッションショー)
6月17日
高松市生活文化協会

ストリートダンスコンテスト
6月18日
ストリートダンスコンテスト実行委員会

新高松市誕生記念公演 今を踊る
6月18日
高松市新舞踊協会

ZooZooAngelo(ズーズーアンジェロ) アフリカの感動をもう一度
6月18日
ZooZooAngelo

とっておきの芸術祭in 高松2006
6月23日~25日
とっておきの芸術祭in 高松2006実行委員会

演劇公演「さぬきほっこまい!」
6月24日
劇団エルダーキャッツ

クリシュナフルートアンサンブルによるフルートフェスタ♪
6月25日
クリシュナ・フルート・アンサンブル

洋舞への招待(ダンス・ツーカラー)
6月25日(クロージング公演)
関口ジャズセンター

参加事業

表現ワークショップ
7月9日
Loveace(ラヴィース)

劇団ドラマ・サロン 佐々木正美追善公演
演劇「心中天の網島」 
7月1日
劇団ドラマ・サロン

大塚和明理事が中條文化振興財団賞
地域演劇への貢献を評価

地域文化の振興に15年以上貢献した県内の個人、団体を表彰する財団法人中條文化振興財団(木村等理事長)の平成17年度の財団賞に、ACT演劇部門理事の大塚和明さんが選ばれました。

財団賞は、県内各市町の教育委員会などの推薦で毎年選出し、本年度が13回目の発表となります。

高松市教委教育長の推薦を受けた大塚理事は、地域演劇の指導者として創作、上演活動に取組み、幅広い普及活動を行っていることが高く評価されました。なかでも、市民文化センター平和記念室が制作を委託した「灯火管制の夜に」(平成11年)、「防空壕」(同14年)、「SANUKI特攻隊」(同16年)の3作品は、戦時下で極限状況に置かれた人間模様を描き、大きな反響を呼びました。

地域演劇の第一人者として、今後はサンポート演劇祭などでのさらなる活躍が期待されます。受賞おめでとうございました。

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アクトコラム ない話(田尾和俊)

四国初の国際ピアノコンクールが高松で!

今年3月サンポート高松を会場に高松国際ピアノコンクールが開かれることになりました。浜松、仙台など先行するコンクールと異なる点は優勝者らの副賞として、ヨーロッパで著名オーケストラとの共演や著名ホールでの演奏会が約束されていること。プロデビューのチャンスも得られます。

世界25カ国から306人の応募があり、先月審査の結果17の国と地域から68人の予選出場者が選ばれました。審査員はピアニストの岩崎淑さんを審査委員長に、日本、イタリア、ポーランドなど6カ国のピアニストや作曲家などあわせて11人。音楽監督を務める指揮者の堤俊作さんは「予定していた50人に絞りきれないほどレベルが高い人ばかりだった」と語っていました。予選出場者は最年少が15歳のイスラエルの少年、最年長は39歳のイタリア男性。平均年齢は25歳、香川県関係では県出身者3人、在住者1人でした。

コンクールは3月18日から1次、2次、3次審査と続き、最終日26日には最後まで残った6人で本選が行われます。組織委員会は香川県、高松市、民間企業、県民市民のいわば「オール香川」による支援をめざしており、ACT理事会からは石井瑠璃子理事長と佐竹一郎理事が委員として参加しました。

香川県は全国2位のピアノ保有県。子どもたちや若い人たちが一流の音楽に触れることで音楽文化の一層の高まりが期待されています。2月24日には審査員自らがピアノ演奏を披露したり、ピアノコンクールの楽しみ方を紹介するプレイベントも開かれ開催ムードを盛り上げます。

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第1回高松国際ピアノコンクールプレイベント 「国際ピアノコンクールの楽しみ方」 【日時】  2月24日(金)  18時30分~ 【会場】  香川県県民ホール アクトホール 【プログラム】  〇第1部  第22回ジュニア音楽コンクール金賞受賞者による演奏 〇第2部 トークショー 出演/堤 俊作(音楽監督)、岩崎 淑(審査委員長)、神谷郁代(審査員) コーディネーター   植松おさみ 〇第3部 神谷郁代ピアノ演奏 【入場料】  2,000円 【問い合わせ】 高松国際ピアノコンクール事務局 ・ 087-841-3936 http://www.tipc.jp

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ACTは文化の発信源。ACTビルは高松のど真ん中。
みなさんのアイデアで使ってください!

ACT新規事業委員会はACTビルの有効活用を昨年6月から検討してきましたが、 11月からフリースペースとして活用することになり、一般貸し出しを始めました。 ギャラリーからコンサート、レッスン、会議など使い方も自由です。
みなさんの豊かな発想で幅広い催しにお使いください。(各階にトイレ、厨房あり)

基本貸し出し料金】(催し内容に合わせて割り増し、注意事項を参照)
●1階 「自由空間ACTギャラリー」
(約60平方m、イス席約40席、多目的スペース、絵画展、コンサート、立食パーティーも可能)
<昼夜2部制>
 昼の部  午前10時から午後7時までのうち  7時間/5,000円
 夜の部  午後7時から11時まで       4時間/3,000円
 昼夜使用 午前10時から午後11時まで      8,000円
 ※ピアノ(アコースティック、アップライト型)使用可・飲食可
 
●2階 ACTスタジオ
 (約32平方m、イス席約20席、スタジオ型スペース、室内楽ミニコンサート、レッスンに最適)
<時間貸し>
 午前10時から午後11時まで  1時間ごとに500円
 ※ピアノ(電子、アップライト型)使用可、床はカーペット仕様。禁煙

●3階 ACTスペース 2室
 (約40平方m、イス席約30席、教室型スペース、講演会、レクチャー、レッスンに最適)
<時間貸し>
 午前10時から午後11時まで  1時間ごとに500円  ※楽器収納庫あり、床はリノリウム仕様。貸し出しは1室ごと・禁煙 【割り増し料金】     コンサート、物品販売など料金徴集、収益事業を行う場合は、売り上げの2割を会場費とともにACTに納めてください。  1KW/h以上の電力を消費する電気器具を使用する場合は別途に追加料金(1KW/hごとに100円)をお支払いください。   【会員特典】  ACT会員は上記すべての条件が半額 ※上記の料金規定は暫定措置のため、見直される可能性があります。 ▼利用希望者は新規事業委員会 栗生サブディレクター090-4336-3104 まで問い合わせて下さい。

アーツカウンシル高松は、市民自らによる芸術文化振興活動をサポートするNPO法人です。より多くの方が賛同されることを期待します。

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編集後記

ACTの事務所は寒いです。2階の暖房が故障しているからです。オーバーを着込んで作業しています。1階は暖房がききますが、シャッターを開けたらほとんど外と同じ。蔵本さんの展覧会は電気ストーブを何台か持ち寄って開くことにしています。店番に困っていたところ大勢の方がボランティアをかってでてくれました。室内の塗り替えも北村塗装店の6人の職人さんのボランティアです。寒いACTビルですが心はポカポカです。  (O野)