完走だ!50ドロップス

「お笑いから至高の芸術まで」をキャッチコピーにACTの事務所を舞台に展開してきた50ドロップスオブアーツ。1年間にわたって毎週上演するという地方都市では珍しいマラソンライブ企画でしたがついに完走を果たしました。 バンド演奏、映画、落語、邦楽、日舞、講演など何が出てくるか分からないおもちゃ箱のようなラインナップ。この実験的な試みに共感した多くの才能が集結し、地域文化の活性化、情報発信に一定の成果を上げることができました。50個のしずくのほんの一部ですが写真で振り返ります。題して『50ドロップス フラッシュバック』。

毎週日曜に様々な芸術文化の発信をしていこうと、昨年10月からスタートした50 Drops of Artsは、9月26日のファイナルライブ(丸亀町レッツ このページの写真)をもって1年間の連続公演を終えることが出来ました。この1年間、今だからこそ笑える様々な出来事(出演者の前日キャンセル、運営スタッフの入院etc.)もありました。  独りっきりで呆然としていた時、様々な形で援助して下さった方々には心から感謝しています。反面、一部のメンバーだけで運営していく限界、ボランティアの限界も感じています。集客その他運営について今後に課題を残す形ではありますが、何はともあれディレクターとしての役目は終了しました。1年間お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。心から感謝します。                                          大西 詠子

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▲老舗サックス奏団ダッパーサクセーバーズと津軽三味線の天弘江然

 

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▲TOSAN JAZZ CLUBのLATIN BAND TJCサルサバンド

 

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▲50ドロップスですっかりおなじみになったるいまま&いおす、ぴよ&みっけ

 

50ドロップス フラッシュバック

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▲かぶりつき落語会 笑福亭学光師匠

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▲かぶりつき落語会 笑福亭小つる師匠

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▲想いのtake(竹)を伝えたい! 尺八の魅力

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▲「父さん」ではない。「東讃」だ。 TOSAN JAZZ CLUB

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▲声楽家藍川由美さんの「日本のうたの謎を解く」

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▲プロフェッサー橋本のシェイクスピア解剖講座

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▲50ドロップス新人発掘コンテスト入賞そらとだいごろう

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▲SWJO関元クリ氏の「ジャズ即興演奏への扉」

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▲君は日舞を知っているか! 藤間勘清都と仲間たち

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▲天弘江然一門の津軽三味線と民謡のコラボ

SUNPORT演劇祭を終えて

今年度のACT主催事業の柱のひとつ「サンポート演劇祭」は7月24日から8月8日まで県内外の7劇団が力を競い合い盛況のうちに幕を閉じました。サンポートホール高松の個性的な2つの小ホールを使った今回の演劇祭は高松市を瀬戸内の新しい演劇都市として大いに印象付けました。ACT理事の大塚さんと岡山から参加してくれた劇団「水蜜塔」の大森さんに演劇祭を振り返ってもらいました。

市民を包み込んだ演劇の風

マリンビューシアター(海の劇場)と名付けたサンポートホール高松での「第1回サンポート演劇祭」は列車事故で講師延着というハプニングがあった7月21日から始まり、各劇団の熱演と共に第2ホールを叩き切った青春群像で祭典の幕を下ろしました。県内5劇団、県外2劇団、そしてシンポジウムと7月8月の高松の週末は演劇の風が市民を包み込んだのでした。

四国で初めての演劇祭ということで期待され、また劇団の意気込みも、日頃の自主公演とはまた異なり熱の入った舞台だったと思われます。新しいホールということもあり公演に関しての舞台設備、係員の応対等いろいろな声を聞きましたが、それはこれから改善されることを期待したいと思います。とにかく産声を上げた「サンポート演劇祭」の演劇の風を、来年、再来年と繋いでいきたいと思います。

最後にこの「サンポート演劇祭」に助力いただきました各劇団の実行委員会の皆様、ACT並びに関係者の皆様に深く感謝いたします。ありがとうございました。

                          第1回サンポート演劇祭実行委員会事務局
                                  ACT演劇部門理事 大塚和明

嵐の中を突き進む…

高松港に面したサンポートホールは嵐の中に建っていました。7月31日朝、高知に上陸した台風10号が瀬戸内海に接近し、横なぐりの激しい風雨に真新しい劇場が曝されていました。私と舞台監督らは前日から高松入りをしていましたが、演出家をはじめ出演者やスタッフはこの日の10時に到着予定。しかし、メンバーからは「マリンライナーが児島駅でストップしました」「岡山駅から電車が動きません」…といった暗い知らせばかり。翌日午後2時からの本番を迎えるためのデッドラインは刻々と迫ってきます。急遽、児島駅で足止めされたメンバーはタクシーに分乗して宇野港へ。そこから辛うじて運航していた宇高連絡船に乗ることができました。

ホールから見える高松港は白波が逆巻き、その中を木の葉のように揺れながら連絡船が入港してきます。その情景は感動的でした。連絡船がひとつの強固な意志となって嵐の中を突き進んでゆく。新しく結成された演劇ユニット・水蜜塔の船出にあたり、自然はなんと貴重な試練を私たちに与えてくれたのだろう、と。

今回のサンポート演劇祭に参加させていただいた水蜜塔は、平成13年に岡山市で開講した岡山舞台芸術ゼミナールが母体となって昨年結成された演劇ユニットです。演劇祭では15年度の戯曲講座の最優秀作「ただようように」を台本に、演出講座、俳優講座、舞台技術講座の受講生が参加し、演出をはじめ主要な技術スタッフにはプロを抜擢。参加者の地域も岡山県下だけでなく香川、広島、京都という拡がりがありました。こうした編成には、プロとアマ、地域や劇団の隔たりを乗り越えて、より優れた作品と才能を輩出してゆきたいという水蜜塔の方針が反映されています。

上演にあたっては、高松を拠点に演劇活動に取り組む劇団の方々に準備段階から当日運営にいたるまで精力的なサポートをしていただきました。演劇祭ならではの多くの出会いがあり、この成果をこれからの創作活動や地域間交流に生かしてゆきたいと思っています。
                           演劇ユニット・水蜜塔  代表 大森誠一

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▲劇団マグダレーナ「沈黙の女」の一場面

きっと人生に無駄な時間なんて無いの・・

香川芸術フェスティバルの主催公演が今月30日から開催されます。
見どころのひとつは11月14日、主催公演のフィナーレを飾る音楽舞踊劇 「わが町―アェフリヴエ―」。
ACTのメンバーが大勢かかわっている力作で、今最後の稽古に熱が入っています。
実行委員会事務局としてご苦労されている関口糸江さんから手記をいただきました。
わが町―アェフリヴエ― … なんのことかしら?と思われた方は逆に読んでみてください。エブリフェアー、、、。そう、私たちの町の何処にでもある、というお話だそうです。

1932年のアメリカの古典演劇で、一人の少女が恋をして、結婚をして、子供を産んで、死んでいくというありふれた人生を、この度、音楽・舞踊・演劇の新たなる試みのコラボレーションで公演します。一般参加も募り、演劇やダンスのほかに舞台スタッフの養成講座も開き、舞台芸術の制作にも参加します。

音楽は全32曲からなり、クラシック、ポップス、ジャズ、歌謡曲のほかにSWJO、紅蓮太鼓、そしてテーマ音楽を作曲した「れおん」さんの生演奏や合唱も加わります。

舞踊は 島田芸術舞踊学校、島田創作舞踊研究所、関口ジャズダンスセンター、現代舞踊研究会「土曜族」、一宮キッズ、そして日舞「なでしこ会」が参加しますが、今回は場面にふさわしい曲がそれぞれの団体に与えられ、バレエ、モダン、ジャズ、日本舞踊の各々の団体の特徴を発揮して踊り、脚本に一層の効果と華を添えていくという趣向です。

2004年の芸術フェスティバルのテーマは「交流と創造―いのちを結(むす)び、いのちを繋(つな)ぐー」です。参加者総勢202名が一丸となって「いのち」や「いきる」というテーマに正面から向き合って取り組んでいきたいと思っています。

そして、生きていることの真実と歓びを大勢の観客の皆様とともに感じて、暖かい心が広がればいいな、、、と願っています。

わが町―アェフリヴエ― 実行委員会事務局
                                ACT舞踊ディレクター 関口 糸枝

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アクトコラム 魂の抜けた言葉(田尾和俊)

ジュニア・オペレッタクラス開講

コール・ジュニア高松は今年度から現在活動中のキッズクラス(3~6歳)、ジュニアAクラス(7~9歳)、ジュニアBクラス(10~13歳)の3つの合唱クラスに加えて、オペレッタ・クラスを開講しました。

7月最終週に行われたオーディションによって、小学3年生から中学2年生までの10名の子供達が選ばれ、9月よりサンポートホール高松・第3リハーサル室にてレッスンを開始しました。毎週月曜日午後5時から7時までの2時間、リトミック、バレエ、発声、歌、と基礎訓練に励んでいます。このクラスは目的公演を持って集まったクラスではなく、今までの合唱クラスと同様、〈基礎養成〉のためのクラスです。バレエ、歌と共に一人一人が、しっかりと活動できる人間として成長することを目的にしています。目的公演があればオーディションを受けるその手助けもしながら、可能な限りのステージを経験していこうと考えています。まずは来年1月15日、サンポートホール高松大ホールにおいて、香川県在住の声楽グループ・アウローラの主演公演「WELCOME! MUSICALの世界(サウンドオブミュージック)」に賛助出演のため、10月から同オペレッタの中の5曲の練習を始めます。無理のない舞台経験を無理のない形で積み重ねていき、やがて基礎と共にステージマナーの成長を確信できたとき少し背伸びをし、このクラスを中心とした自主公演を実現しようと夢見ています。応援してください。       ACT音楽ディレクター 石井真紀

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アクトコラム 「うどんに胡椒」は常識だ(明石安哲)

アーツカウンシル高松理事・委員長・ディレクター紹介

ACTではこのほど新しい理事、委員長、ディレクターが理事会で承認され、 この秋から新体制がスタートしました。新執行部の顔ぶれをご紹介します。

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石井ルリ子
理事長、音楽理事・委員長                                   
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明石安哲
副理事長、生活文化理事、文芸理事、渉外理事・委員長、新規事業開拓理事・委員長
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松崎 晃
副理事長、鑑賞理事・委員長、データベース理事・委員長                 
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佐竹一郎
音楽理事兼・副委員長、能力開発理事・委員長                       
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若井健司
音楽理事・副委員長                                       
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坂 昭男
音楽理事、広報理事、総務理事・副委員長
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田中雅純
音楽理事、能力開発理事・副委員長     
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東原操山
音楽理事                       
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島田博美
舞踊理事・委員長、芸能理事・委員長      
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竹内守善
パフォーマンス理事・委員長、美術理事・委員長
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小河雄磨
映像理事・委員長       
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小河恵朗
総務理事・委員長       
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日下聰徳
文芸委員長           
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小野修一
広報委員長           
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橘 芳香
舞踊副委員長、芸能副委員長
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石井真紀
音楽ディレクター
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関元直登
音楽ディレクター
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橋本貴久代
音楽ディレクター
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米田 優
音楽ディレクター
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山下 聡
音楽ディレクター
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島田富雄
舞踊ディレクター
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関口糸枝
舞踊ディレクター
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東尾清穂
芸能ディレクター
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多田善昭
美術ディレクター
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村川永子
生活文化ディレクター
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水落 博
文芸ディレクター
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中西博文
映像ディレクター
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武智孝志
総務ディレクター
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大西康敬
渉外ディレクター
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庵谷文博
データベースディレクター
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遠山真知子
広報ディレクター
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大山 晃
能力開発ディレクター
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平尾弘之
能力開発ディレクター
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田尾和俊
ACT顧問    
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竹内 肇
音楽委員会顧問

おめでとう中越恵美さん

ACT会員で劇団マグダレーナの中越恵美さんが今年度の高松市文化奨励賞を受賞しました。女優歴32年、その卓越した演技力と地道な活動が高く評価されたものです。中越さんは今年度の高松芸団協ブルーポラリス演劇賞も受賞しており、うれしいダブル受賞となりました。

アーツカウンシル高松は、市民自らによる芸術文化振興活動をサポートするNPO法人です。より多くの方が賛同されることを期待します。

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編集後記

ACTは発足から3年。瓦版も今回で10刊目の節目を迎えました。原稿をお寄せくださったみなさん、どうもありがとうございました。過去の瓦版を読み返してみるとACTは試行錯誤しながらも着実に成果をあげつつあることがよく分かります。記録すること、伝えることの楽しさを今改めて感じています。               (広報委員長・小野修一)