新市民会館「サンポートホール高松」開館プレイベント
アーツフェスタたかまつ2003を成功させよう!!

運営委員会方式に衣替え、1月から企業募集

アーツフェスタ高松2003(主催・フェスタ運営委員会)が9月4日から23日まで20日間の日程で開かれます。今回は平成16年5月の高松市新市民会館(愛称サンポートホール高松)の開館記念プレイベントと位置づけられ、音楽、舞踊、演劇、芸能、美術、映像、文芸、生活文化(ファッション、料理、茶華道)、パフォーマンスなど数多くの部門に一段と多彩な企画が求められています。アーツカウンシル高松の提案でスタートした芸術祭「アーツフェスタたかまつ」をみんなの力で大きく育ててください。

フェスタ2003の実施については、公演企画は従来通りの公募制とし、募集期間は1月31日までと決まりましたが、実施組織が従来の実行委員会方式から、運営委員会方式に改められたことが大きな変更点です。これは部門ごと公演の集合としての市民文化祭から飛躍し、「アーツフェスタたかまつ」をまとまりのある総合芸術イベントとして育てていくためです。運営委(17人)は昨年12月に発足、すでに実施概要、企画募集要項などを決定して始動しました。委員にはアーツカウンシル高松ディレクターなどを中心に各ジャンルの専門家が2年の任期で選ばれています。

アーツカウンシル高松は一昨年7月の発足以来、これまで各部門のディレクター会議を通して、新市民会館完成後の高松市の芸術文化のあり方を模索し、さまざまな角度から議論を重ねてきました。「フェスタ2003」はその3年計画の中間点として大変、重要な意味を持っています。サンポートホールの完成後に向けて、これまでの部門ごと公演の枠を超えた独創的で意欲的な公演企画が期待されています。各部門のディレクターを中心にいっそう練り上げた企画を提案してくださることを期待しています。

世界初の試みに参加しよう
SANUKI BONSAI MUSEUM

-さぬき盆栽美術館構想がスタート-

芸術と街づくりの融合を目指しアーツカウンシル高松が準備を進めてきた「さぬき盆栽美術館構想」準備委員会が昨年10月にスタートしました。開設の候補地は平成18年8月を目標に再開発ビル建設計画が進められている高松市丸亀町商店街。その第1期計画のG街区ビルに屋上庭園として開設する構想です。実現すれば日本だけでなく、世界で初めての本格的盆栽美術館が誕生することになります。

日本では盆栽が高齢者の手慰みと思われた時代が長く続きましたが、世界では20年ほど前からその芸術性が注目されはじめ、今では歌舞伎などと同様にローマ字で「BONSAI」と書けばそのまま通用するほど日本の独特の芸術として高い評価を得ています。すでにパリ、ロンドン、ニューヨークなど大都市のいわゆるエスタブリッシュを中心に美術と園芸を融合した芸術趣味として定着、欧米22カ国に盆栽販売店、盆栽クラブが誕生しています。香川は高松市鬼無と国分寺町を中心に松盆栽の伝統的生産地として全国に知られ、その高い技術を求めて、日本だけでなく海外からも数多くの技術研修生が訪れる盆栽技術の先進地です。その貴重な技術と伝統の財産をさらに磨き上げ、最高レベルの作品を展覧することで盆栽愛好者を集め、さらに新しいファンを世界中から獲得するための情報発信基地としても大きな期待を集めています。

設立主体については高松市丸亀町まちづくり会社、香川県鬼無植木盆栽センターが協力して財団法人または事業組合を設立することなどが検討され、第1期計画として丸亀町商店街再開発ビルG街区の4Fテラス約1000平方mを候補とする構想が最も有力です。展示内容は各種の名品盆栽、草もの盆栽のほか、若い女性に人気のあるPOP盆栽も取り上げ、盆栽関連の歴史書、技術書籍などを集めた資料室、盆栽スクール、専門技術者養成講座、Bonsai相談室、Bonsai Cafeの併設も検討しています。

アーツカウンシル高松では今後、構想準備会(委員11人、うち外部委員は8人)を中心に計画策定と情報収集平成15年春に構想委員会をスタートさせる計画です。香川から世界へ発信できる文化素材として、「BONSAI」は大きな可能性を秘めています。興味、関心のある方はアーツカウンシル高松事務局(榊)までご連絡下さい。

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アーツフェスタたかまつ2002
ピックアップ報告

詩歌朗読会は楽しかった。だから…

平成14年秋の文化祭シーズンに参加するために、文芸というステージには乗せづらいジャンルから、小規模でも創意性を持ったかたちでの参加を志したのが、アーツカウンシル高松主催の「魂の詩に新しい声を」詩歌朗読の集いであった。

全国的な詩の朗読の流行などもあって、その可能性にも着目して企画論議が進行。詩人たちの朗読の集いそのものを全県的な集まりにひろげることから取り組みを進め、さらに短歌・俳句・川柳など定型詩の書き手にもよびかけることで、朗読集会の内容を膨らませる方向が見つかったように思えた。

夏、関係者に連絡をとり、香川県詩人協会、香川県歌人会などの中心的なメンバーに集まっていただいたのは、8月の終わりであった。「プログラムと朗読作品集」の原稿を集めたのは、9月の終わりであった。

平成14年10月13日(日)、丸亀町クアトロトルリ6階のアーツカウンシル高松のスタジオを会場に、香川ではじめての詩人・歌人による「自作朗読集会」を成功させることができた。詩人の一人の発案で、日ごろはかかわりのない若いミュージシャンの演奏も加わり、小会場ということも幸いして、聴衆の緊張感が会場を支え、私語ひとつない時間が過ぎた。また、朗読に慣れていない歌人たちも意欲的で、張り切ってパフォーマンスを取り入れた朗読組まで登場した。ただ、出演が済んだ幾人かがそれぞれの都合で退席したのは後で反省事項となった。

朗読は楽しい、というのは実感であった。全員参加のティーチインでは「またやりたい」という率直な感想を引き出した。将来展望は、まずはジャンルを広げること、自由に誰でも参加できること、レッスンを重ねて小さな朗読会を開くこと、などの明るい話題にみちているのが、成果である。
                                         歌人 水落 博


アクトコラム 独裁者の功績(田尾和俊) 
 

アーツカウンシル高松の平成15年度の主な事業計画

高松オペラシティー・プロジェクト事業

香川県は、国内外で活躍している著名声楽家を数多く排出していることや、県内における声楽家層の厚さなど、日本のトップレベルともいえる声楽県であるといった音楽風土を背景に、本県の地域音楽文化のコア(核)シティーともいえる高松市において、音楽家たちが結集して高松オペラシティー・プロジェクトを企画しています。

平成16年にサンポート高松に新市民会館がオープンしますが、開館時の一回の公演ではなく、継続性、才能の発掘・育成も目的とする長期計画になります。

まず、プレ公演となる平成15年にはジュニアオペレッタとして、「妖精の森」。アーツカウンシルは「コール・ジュニア」という児童合唱団を育成していますが、次世代を担う子どもたちにぜび、音楽のすばらしさを伝えたいと考えています。このジュニアオペレッタは広く一般に公募し、多くの子どもたちに参加してもらい、楽しく歌える場にしたいと企画しています。 また、オペレッタの名曲ハイライト公演や、オペラ・ガラ演奏も入った“クラシック・コレクションコンサート”も考えています。

平成16年の演目には喜歌劇「こうもり~こうもり男爵の愉快な(復讐)仕返し~」を計画中で、独唱・合唱・管弦楽・ダンス・演劇・バレエ・衣装・美術など他分野が参加する総合芸術舞台となります。本作はオペラ作品の中でも、クラッシックファンのみならず多くの市民が理解しやすく、笑いと拍手が耐えない内容になっています。

平成17年は、18年も企画を進めており、平成19年には創作オペラを上演する予定です。地域の文化・観光振興に寄与できるもので、多方面の協力を仰ぎ、市民らが一体となって創りあげていけるようなものを考えています。

この、オペラ・シティー・プロジェクトでは、声楽家だけでなく、舞踊、演劇、管弦楽、舞台関係諸団体が協力して創りあげるものになります。また、舞台制作・演出等もアーツカウンシル高松の人材育成事業等とも連携し、様々な芸術を愛する人たちの集大成となればと願っています。

児童合唱団「コールジュニア」育成事業

♪大きな夢だよ。この僕のこの胸にいっぱい広がる大きな夢だよ。

この歌を聴き始めてもう早…年。ドもレもわからない幼児、親から離れられない、泣き出す子、はしゃいでどうしようもない子、なにから手をつけていいのか途方に暮れた。音楽などほど遠い気がした。まずは歌を通して楽しい瞬間を作り出すことで精一杯だった。半年も過ぎた頃音程が定まり始めた。何とも嬉しかった。歌えるかもしれないと希望がわいた。次の目標は心の耳を鍛えること。我々の日常で聞こえてくる雑音の多いこと。いつも何かが耳に入ってくる。心の耳で聞こうと思えば美しい音もたくさんあるはず。鳥の声、落ち葉の散る音、風の音、雨の音、音楽の源となる自然の音を幸いこの高松ではまだたくさん聞くことができる。自分の中に入れる音を選べる人になってほしい。安らぐ音を、暖かい音を自ら求める人になってほしい。そうすれば他から入る雑音に一喜一憂し心を乱す文化人も少なくなるだろう。子どもに教えられたこと。子どもはその時々の最高に楽しい空間を見事に見つけだす。目の前におかれるハードルをよけて通る技もちゃんと知っている。人間ってこんなに楽しく自由に生きられてたんだと自らを振り返る。ハードルの多さに目がくらみ目的確認をする余裕もない。目的がぼやけるとそれに向かうエネルギーなど出るはずもない。この子たちのために今何ができるのか。平成16年オープン予定の新市民会館。新しくなるのは何なのか胸躍る。期待に応えてくれる空間であってほしい。我々も自分たちの場所である意識と責任を持ち、豊かな空間にする力を蓄えたいものである。オープンに向けて計画中のジュニアオペレッタ。2月にオーディション。9月にプレ公演。1年後、2年後、3年後と夢はつながる。20年後のオペラ公演でタイトルロールを歌っている中にここにいる幼児がいるかもしれないのである。夢はまだまだ続く。
まずは夢を見なくては!

美しい森、自然を愛する妖精たち。
人間の子どもと妖精たちが、力を合わせて
森を守っていく心温まるストーリー
アーツフェスタたかまつ2003
オープニング公演
ジュニアオペレッタ「妖精の森」出場者募集
公演日:平成15年9月6日(土)
オーディション日時:平成15年2月2日(日)14:00~
募集対象:小学3年生から高校2年生まで
申込締切:平成15年1月17日(金)
問い合わせ先:石井821-3306
090-3185-1377

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舞台技術者養成事業

舞台で創造される作品を観客に見せるためには、その裏であらゆる技術が必要とされる。舞台作品が総合芸術と云われる所以である。演出、脚本、舞台監督、証明、音響、舞台美術、大道具、小道具、衣装、音楽、効果音、音響、メイクアップ、制作、宣伝等、これを系統的に細部まで上げていくと、映画のクレジットロールに延々と記されるくらいある。

これらを専門的に教え学ぶことがいかに必要かはいうまでもない。地域ではこれらの専門家はごく一部で、そのほとんどを県外プロフェッショナルに依存しているのが現状である、と言っても云い過ぎではないと思う。特に補助金がついている大型のプロジェクトにいたっては100%外部に依存していると思っていいだろう。

「予算もついとるし、変なもん作れん」みたいなことを合い言葉に、各事業がそれぞれ繋がりのある県外のプロに頼みにいく。それは演出からメイク、衣装まで幅広い分野に広がっており、予算のほとんどをそれに吸い込まれ、地元出演者が潤うことはまずない。地域の予算を使ってわざわざ中央に仕事を廻してやり儲けさしてやっているという奇妙な図式がそこにある。

これでいいのか。いつまでこんなくだらないことを続けるつもりなのか。いや、そんなことはない、とそれを補うつもりかどうか定かではないが、これまでにも何度かワークショップとかの名のもとにさわりだけを学ぶ講座は開かれたが、はたしてそれが実際の役に立てたかどうかは疑問である。しょせん月数回程度でマスターできる代物でないからだ。

いま、アーツカウンシル高松で企画をしている舞台技術者養成講座は、借り物でない地域のプロを講師にして、これらの技術を習得するというものだ。画期的な発想である。中央から技術者を招いてその技をお借りするなんてなさけない話にピリオドを打とうとしているのだ。これはすごいことなのだから、何とか成就させたいと思う。

もういい加減に中央崇拝を返上してはどうだろうか。本気でやりさえすれば、何とかなるものだ。失敗をおそれることはないと思う。

演劇塾事業

演劇塾は引き続き演技コース、語り朗読コースを開講します。

レッスンは、身体表現、音声表現を毎週土曜日午後5時から7時までの2時間、アーツカウンシル高松のスタジオで行います。

身体表現-フェルデンクライス身体訓練法によって、自分の中に眠っている可能性(自己イメージ)に生命力と想像力を与えるために、関節の可動性を高め、動きのコントロール、しなやかさ、呼吸の調整によって心地よい行動を促すレッスンを行います。それと同時に、単純な遊びと思われる行為を通しての演技の基礎レッスンも行います。

音声表現-田中千禾夫の「物言う術」を中心に、日本語の特性である母音の訓練から始まって、発音、発声、美しい日本語による語り朗読、セリフ術の基本をレッスンします。誰でもできる語り朗読。演技の正しい基本を身につけることのできる演劇塾です。興味のある方はぜひ参加してください。

たかまつアーツの人づくりプロジェクト 第2弾始動!!

アーツカウンシル高松が企画・実施した、高松市教育委員会主催平成14年度「たかまつアーツの人づくりプロジェクト基礎体験講座」はコンテンポラリーダンスをキーワードに、前期平成14年8月20~10月5日は、一般の人たちを対象に開講。好評のうちに終わりました。

後期は平成15年1月29日~3月1日までの期間、市・町の文化担当者と芸術文化団体関係者を対象に行います。前期同様、生活の中での美しい身体の動きを中心にした、コンテンポラリーダンスのワークショップと、地域の芸術文化はどうあるべきかを考えてみるパネラーと受講生とのディスカッションを行います。アーツカウンシル高松会員の皆様はぜひご参加ください。

全国各地で地域独自の芸術文化の創造活動が活発になっていますが、それを支える市民の意識が高まらないと独自の地域の芸術文化は定着しません。そのためには創造者と市民と行政が、如何に協力して芸術文化を育ててゆくかが大きな課題になってきます。このことを問題提起し、活動を展開する出発点にしたいと企画しました。

講座の最終日には、ヨーロッパを中心に活動するヤザキタケシ氏のワークショップとダンスステージの一部を一般の方々に観ていただくために公開講座(無料)にしましたので、どなたもぜひ、お越しください。(また、3月2日には、高松市美術館でヤザキタケシのコンテンポラリーダンスの公演もあります)

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『アーツフェスタ高松2002顛末記』

今年で29回をかぞえる高松市民文化祭を、平成16年の新市民会館の完成までに時代に合ったものに変えて行くことを目指した実行委員会でした。15名の委員で構成され、各ジャンルの重鎮が侃侃諤諤の議論を尽くし良かれと考えて作った募集要項。

一番は名称。アーツカウンシル高松から出してあった企画からアーツフェスタを採用。ここで委員からの要望「伝統ある市民文化祭と回数は絶対に残してちょうだい。」別の委員「市民文化祭をやっとったこと、市民はほとんど知らんで-.この際心機一転でやめたらどう?」すかさず「知らんほうが悪い!わたしら一生懸命やってきたんやから!」結局それぞれの企画には回数を入れても入れなくてもお好きなように、ただしタイトルに必ず『高松市市民文化祭「アーツフェアスタたかまつ」』と書くこととあいなりました。アーツカウンシル高松関係者はさておき、それ以外の企画はいままでの常連サンばかり。

過去の要綱から大きく変えてあった「開催に要する経費は、基本的に自己経費としますが実行委員会が認めた場合は、事業終了後に一部補助します。」の一文はどこへやら、人というものは自分に必要な部分しか目に入れたくない性なのでしょう、端から「補助は去年並!でないと参加できん。」とのご意見あり。(無理に参加せんでもええんよ、別にこっちがお願いしてるわけやないし。)の言葉を飲み込んだ瞬間、「だれがこんな要綱作ったんや、議事録見せてみい。勝手なことするなよ。」(あの-、あんた誰?わたしら実行委員なんやけど・・・)

豊な才能を駆使して作成してくれたポスターを見て、「こんなん、了解無しに決められたら困るデー」(実行委員会って何?わたしは何?ここは何処?)
いくら情報公開の時代とはいってもね。

32団体の参加で開催決定の次は、オープニング&クロージング。「フェスタ全体のイメージモニュメントを作りましょう。」委員全員大賛成。「ところで予算は?余裕なかったらお金つくらなあかんで。」目がすこし泳ぐ方が…。このモニュメントがいろんな問題を白日のもとにさらけ出してくれました。大変勉強になりましたがあまり多くは語りたくありません。ただこのモニュメントがオープニングの直前に、フェスタ全体のイメージからウインドディスプレイショーだけのものに変わっていました。きっと裏の実行委員会が組織されていたのでしょう。

結局、クロージングは力を入れて担当しましょうという委員が消え、企画も消えていきました。お断わりのため、2時間も3町ドームで立たれていた竹内先生ご苦労さまでした。

何はともあれ、アーツフェスタたかまつ2002は終わりました。皆様お疲れ様でした。次は2003、そして新市民会館です!元気でいきましょう!!
                    アーツフェスタ2002実行委員会副委員長 小河雄磨

街にプライドを取り戻したい サンポート昭和館構想

古くなったら壊して建て直す―これがいわゆる米国流の街づくり、スクラップ・アンド・ビルドの手法です。戦後の日本はこの米国流を受け入れて、次々に街を壊し、街を作ってきました。出来上がった街は全国どこへ行ってもよく似た顔の何か薄ぺらな街になりました。失ったのは歴史を積み重ねた威厳のようなものかも知れません。街に生きた人々の記憶を後世に伝えることを願って、アーツカウンシル高松は「サンポート昭和館」構想を提案しています。

県都・高松には太平洋戦争の空襲に耐えて残った建物がまだいくつかあります。公共施設として残ったのは丸の内分庁舎(旧高松警察署)と旧高松港管理事務所(県営桟橋事務所)でした。そのうち丸の内分庁舎は老朽化を理由に県民の反対もむなしく取り壊され、現在は旧高松港管理事務所が「昭和の香川」を今に伝える唯一の建物になりました。アーツカウンシル高松では、県や地元建築家などの協力を得て調査を開始し、旧県営桟橋事務所の再生と利用のための提案として「サンポート昭和館」構想をまとめました。

現在の構想の中心コンセプトは「海辺のシアター&カフェ」です。3階建ての1階をオープンカフェ併設の劇場として再生し、地元を中心に毎週の定期公演を行い、2階はスタジオとして、アーティスト,ミュージシャンの創造の場とします。一般県民を対象にしたワークショップやクリニックも定期的に開催できそうです。3階はサンポート昭和館事務所-事業運営,企画,事務的な作業の場とします。また「昭和の生き証人」として登録文化財への登録も提案しています。

こうした施設再生で一番問題になるのは再建後の運営です。多くの歴史的建物は維持管理費に大きな予算を必要とするため、行政にとってはいつもお荷物です。アーツカウンシル高松ではこうした問題を解消する最善策として、いわゆる「公設民営」の再建案を提案しています。運営主体としては法人格を取得している各種の市民団体が考えられます。もし実現すれば、「アーツカウンシル高松はその義務と責任を喜んで引き受けます」(松崎晃副理事長)と準備を進めています。

改築や再利用の方法などについては、若手の建築家や市民グループと共同して様々なアイデアを募っていきたいと思っています。新年早々にも合同準備委員会を発足させる予定です。皆様のご提案お待ちしています。老朽化した建物を現代のデザインとして再生することこそ、街に歴史を取り戻す方法です。歴史私たちが作るものです。みんなで街にプライドを取り戻しましょう。

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▲1階平面図


アクトコラム 街づくりは芸術家に限る(明石安哲)