映画「15ミニッツ・ウォー」 | 私の好きなアートと建築

私の好きなアートと建築

50年に亘り、世界中の野外彫刻と建築を見てきています。その中から、わたくしの好きな「作品」を紹介していきたいと思っています

          1976年当時、フランスの植民地ジブチ。アフリカ大陸東海岸、

紅海の南の入り口辺りのアデン湾に望む国。

その小学校のスクールバスが現地の武装4人組にバスジャックされ、

ジブチから隣国ソマリアとの国境に向かった。

 

     武装グループの要求と引き換えの子供たち(フランスの軍人の子供たち)の

人質の救出のために、乗り換え車両を待機する国境で、

フランスから派遣された特殊部隊のスナイパーの状況判断と

フランス政府の了解を取り付けるまではまったく動けない(動かない)

現地の軍隊との状況判断のズレ。そして、人質救出作戦では、

フランス政府の各国政府との関係の方が子供たちの人命尊重より重要視されている風だった。

     現場にいない司令部や政府関係者の対応は机上でしか対応していなかった。

暑さや緊張感や恐怖そして食料や水やトイレなどの現実的な問題には対処できない

アニメーションの戦争と同等だったのかもしれない。

 

      特殊部隊のスナイーパーの隊長・ジュルヴァル大尉も、

現地のファヴラール将軍も軍隊の指揮系統がパリの能天気な日常を送っている役人と

真剣なやり取りなどがあったのか、映画上で表現すればよかった。

そして、国境近くでのスナイーパー5人と武装グループとその仲間との戦争は

あたかもアメリカのアメリカ原住民(アメリカインディアン)との侵略戦争の

つくりに似せたのがよくなかった。

 

       表現がついつい滑ったのか、

スナイパーが全滅しかねないほど援軍が遅れた。

これも総指揮系統の問題というより、

フランスの特殊階級になってしまった官僚主義が蔓延(はびこ)ってっているためだ。

つまり、社会や市民はスナイパーも子供も命を賭けた戦争に対し、

他人事であり、無関心そのものになってしまった。

 

      実話を基にしているというが、ゲームソフトの戦争を見てる感じなのだ。