8月16日(木曜日)
「へぇ~そうなんだ~
知らんかったーほぉーこれは面白い!」
ついついそんなハイテンションの言葉が発される
ここはとある画家のアトリエ
彼のコレクションはって言うと膨大な数になってしまい
本棚からすでに定位置を追われ、床にまで
山積みされた古今の絵本と
無数の手紙に溢れている…
僕はとある武芸者でもある友人Eから、
「描かない売らない画家?がいるけど、
会いに行くかい?」
と尋ねられた
なんでもその画家のコレクションは見ておく価値が
あると熱弁をふるわれ、好奇心に勝る
エネルギー源はない
即…行くことにした…
指定された時間に、携帯ラジオの講演会で歴史を語る
「徐福と不老不死伝説」という面白い番組を聞いて
迎えの車が来るのを待っていた
なんだろうな?画家のコレクションってのは?
そう考える間もなく友人Eのフォークスワーゲンが
レトロな音をたてながら
近づいてきた
さぁなんか始まる予感!…
絵本も手紙も、よくぞここまで個人の力で
コレクションしたものだと呆れていまう
程の迫力で部屋から天井まで言うに及ばず
階段や廊下そして階下まで溢れている
その類い稀なコレィションの向こうにいる
物静かな画家は先祖の代には渡来人が
必ずいただろうなと思わせる碧眼に近く
佇む姿が神官のごとき所作に見えてしまう程
美しかった…
なんかどこかでこういう場所見たんじゃ?
なんだろうこのデジャブな感じは?…
絵本そして手紙と言ったけど、手紙がなんで
ここにこんなにあるんだろう?
いかにも幾世代も保存され続けてこられたんだろうと
感じさせる黄色く変色した封筒を手にとった時
脳内爆発を起こすほどに驚いたんだ
僕はけしてあってはならない未来の僕が過去の僕に
宛てて書いた手紙を発見してしまった
…そこには何が書いて
あったんだって?
僕のために書かれた手紙をむさぼる様に読んだ
そして思い出した、若き日に見た無限に広がる、
未来と実に愉快な夢の数々から始まるその手紙…
そして思わず襟を正し、流れる汗を忘れるほどの
驚くべき内容が記されていたんだ
…そこには、きっと
あなた宛の手紙があることを、ここに告白しよう
一体誰の意志を継いで、この碧眼の画家は、
このコレクションを続けているんだろうか?
次々と疑問が沸いてくる
碧眼の画家は随分と長く、この場所から受取人の
来るのを気長に待ち続けているらしい
彼のそばに佇む白い猫
そして金色の猫の彫像の前で、静かに彼は
語り始めた
「人が明日を目指して生きてゆくには
多少の夢と目的があればいい…これから
不思議な旅の夢を語ることにしよう…友よ」







