年末となりなんとなく気ぜわしい感じ
今日新聞を読んでいたら、画家横尾忠則さんが
ニューヨークで始めてジョンとレノンと会った時に
互いに写真を撮り合おうと提案した思い出の記事を
読んで偉大なポップグループ・ビートルズの一員
であったジョンが小野洋子の影響もあり大変な
日本通であったと聞いているけれど、またこういう
いい話も残っているのでご紹介します

年末のPeeからのプレゼントです
ジョンレノンの素晴らしさをこのエピソードで
一段と強く感じるようになりました

何度聞いてもこの話には涙が止まりません
とても深いそして純粋なものを感じます
上の画像は在りし日のジョンとヨーコ
後ろ姿はジョンの家族です
こんな事も言っている…
俳句は僕が今まで読んだ詩の形式の中で最も美しいものだ。
僕の作品も今後はより短く、より簡潔になっていくだろう。
さらに亡くなる直前、アメリカの雑誌向けインタビューでもこう話している。
『ジョンの魂』はシンプルでストレートで、
それが僕が常に求めているものだ。
僕にとって最高の詩は俳句だし、最も優れた絵画は禅画だ。
日本滞在の逸話の中で何度読んでも深い感銘を受けるのは
京都の骨董品さん屋での話
▲ 木村 東介(京都の骨董品店主、故人)
感覚が普通じゃない「天才」とはこういう感じか!と思わせる
長くなるけど一部紹介してみようか?
いろいろと絵を見せると値段を聞くから、答えると次々に「OK」と言う。
白隠の絵や仙厓なんかね。ジョンが聞くと、洋子がまるで愛児に
対するように説明する。
愛情に溢れているんだねえ。買えとかなんとかは一言も言いません
でした。 ところが見ると次々に「OK」と言う。そのうちに芭蕉の有名な
『古池や 蛙飛び込む 水の音』の短冊を見つけると目の色が変わって
きたんですねえ。
「How Much?」「200万円」「OK」と。良寛や一茶も見せるとことごと
くOK、OKと言うんだねえ。おかしな人だなあ、俳句の心が
分かるのかなあと疑っておったんですが、買ってからすぐ抱いて
持ってるんです。
大事そうに。そして「私がこれを買って海外に持っていくことを
嘆かないで下さい。私はこの芭蕉の句のために日本の家、茶席、
庭を作り、茶を入れ、床の間に掛けて日本人の心になって楽しむから。
どうか嘆かないで下さい。」と。
私は嬉しかったですねえ。いい人が買ってくれたなと思いました。
少し時間があったので、歌舞伎座に連れて行ったら歌右衛門が
『隅田川』をやっていて。陰気な舞台でねえ。清元でやっていて
台詞がないもんだから、困ったなと思ってジョンを見てみたら、
頬にとめどもなく涙が流れている。
とにかく泉のように。それを小野洋子が一生懸命拭いてやっている。
本当に日本人でなかったらできない女の優しさなんですねえ。子
供をさらわれた母親が狂ったように探して隅田川まで辿り着き、
殺された我が子が埋められた川岸の土饅頭に泣き崩れるという話
なんですが、台詞もないのにそれが分かる。
結局、目で観てるんじゃないんですね。心で観ているんです。
歌右衛門も型じゃなく心で演じるから、伝わっていくんだねえ。
芭蕉が分かったジョンのことが分かりましたねえ。
結局、絵でも書でも句でも、人間なんだねえ。芭蕉がいいのは、
芭蕉という人間がいいわけなんだ。それを、見る人も同じようにいいと、
通訳しなくてもちゃんと分かる。芸術というものは魂が
作るんでしょうねえ。
その後、もう一幕見ていくことになったんだけど、これぞ歌舞伎と
言わんばかりの美しい『神田祭』でしたが、ジョンは全然見る気がしない。
「ノー」と言う。目で見るものは観る必要がないんでしょうねえ。魂で
観るものじゃない限り、必要がないんですねえ。
最初は外国の人に精魂込めて集めたものを渡したくないと
思ったんだけど、だんだん気持ちが変わってきて、こんなに心が
美しい人には本当にいいものを見せてあげたいと思うように
なりました。
ジョンは見る人にご機嫌を取ったようなものには見向きもしない。
私が扱う、農家の物置にあるような庶民の芸術に最も共鳴して
くれた人が、ロンドンにいる元ビートルズのジョンだったと言う
わけですよ。白隠や芭蕉、一茶や良寛に誰よりも共鳴し、
「嘆かないでくれ」と言える人だった。日本人だって分かりゃ
しないようなものをちゃんと知ってた。博物館の人間でも
分からないものをちゃんと見抜いてた。言うなれば神様だねえ。
神だよ。
最後に小野洋子の詩
空想は思い出につながっている
空を見上げて思い出すでしょう?
だってあなたは、お空を飛んだことがあるハズですから
どうか思い出してみて下さい
遠い遠い太古の昔
鳥だった頃の記憶、蝶々だった時のこと
それから、まだ肉体を持たなかった頃のこと
あなたは形ですらなくて、フワフワしていたでしょう
フーワリ、フンワリ空にとけて、空気のようで、
あの頃あなたは
風だったかもしれません
雲だったかもしれません
雨だったかもしれません
ケムリだったかも…
やがて人として生まれ、空を見上げた時、
やっぱり何だかなつかしい
ホラ、あの遠い昔を思い出すでしょう
空からいろんなものを見ていたことを思い出すでしょう
ホラ、うんと体が軽くって
全体の一部分だったってことを
ホラ、あの頃…いいえ今だって
この世を包み込むすべてが
あなた自身だった頃のことを