■魯山人のかまど
監督・脚本:中江裕司
出演:藤竜也、古川琴音
2026年放送/全4話
世界で注目される[和食]の真髄を極めた食と美の巨人、北大路魯山人。
戦後の日本において和食の地位を芸術にまで高めたと言われる一方、
傲岸不遜、傍若無人…というイメージで語られることが多くありました。
しかし魯山人の本質は四季折々の食材を生かし、
それを愛でながら食べる家庭料理にあったのです。
北鎌倉で晩年を過ごす北大路魯山人のもとを、
回顧録を書くために取材に訪れる記者の目を通して、
魯山人に隠された孤独と芸術への飽くなき姿勢を描くドラマ。
季節の食材を使った料理と活力あふれる魯山人の器をお楽しみください。
(NHK ONEより)
「『美味しんぼ』の海原雄山のモデルでおなじみ、
美食家で陶芸家の北大路魯山人の晩年を描いたNHKのドラマ。
海原雄山も漫画史に残る傲岸不遜な人物ですが、
このドラマで描かれる北大路魯山人はそれ以上に、傲岸不遜。
主宰する星ヶ岡茶寮の職人も、
身の回りを甲斐甲斐しく世話する使用人も、
ちょっとしたことで容赦なく、クビ宣告をしていました。
人を辞めさせることに関しては、『教場』の風間公親の比ではありません。
ただ、そんな難ある人物ながらも、
どこか憎み切れないのは、時おりチャーミングさを見せるから。
その絶妙な塩梅を演じきり、
魯山人本人としか思えなかった、
藤竜也さんの名優ぶりにただただ感服しました。
イサム・ノグチとの交流が描かれたり、
作陶や火入れのシーンも描かれるなど、
陶芸家としての魯山人にもフォーカスされていますが。
タイトルに“かまど”とあるだけに、
物語全体としては、美食家としての魯山人がメインです。
食材へのこだわり、盛り付けのこだわり、
食に対する執拗なまでのこだわりが丹念に描かれていました。
これぞ、食の芸術。
見た目の華やかさだけを重視して、
食用菊をカウンターや床にばらまく某店とは大違いです。
なお、それだけ食にこだわったドラマなので、
当然ながら、登場する料理が食べたくなって仕方ありません。
究極の飯テロドラマ。
NHKの本気を観た気がしました。
味わい深い場面が多々ある素敵なドラマででしたが、
1つだけどうしても引っかかってしまったのが、最終回でのラストシーン。
組織に縛られることをひどく嫌った魯山人は、
織部焼での人間国宝を打診されるも、頑なに拒否し続けました。
それと併せて、食や作陶への強いこだわりゆえに、家計は常に火の車。
電気が止まることも、しばしばありました。
そのため、最終回でついに国税局に財産を差し押さえられてしまいます。
国税局の職員曰く、20年にも及んで納税していなかったとのこと。
・・・・・・え?そんなにも払ってなかったの?!
そのうえで、イイものばっか食べてたのかよ!
さすがに国民感情としては看過できなかったです。
電気代も払わず、納税していなかったのですから、
当然、生前の魯山人はNHKの受信料も払っていなかったことでしょう。
そんな人物をドラマ化して、NHK的に問題ないのか気になってしまいました。
(星4.5つ)」
~ドラマに登場する名椀~
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