古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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今年2023年は、古賀忠雄の生誕120年の節目の年。

それを記念して、現在、練馬区立美術館では、

“古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ”が開催されています。

 

ちなみに。

本日12月6日はちょうど、

その古賀忠雄の120年目の誕生日です!

 

 

 

・・・・・・・と、サラッと紹介されたところで。

きっと多くの方が、「誰?!」と思っていることでしょう。

安心してください。それが正しい反応です(←?)。

かくいう僕も、この展覧会を通じて初めて、古賀忠雄のことを知りました。

星

 

 

古賀忠雄(1903~1979)は、佐賀県佐賀市生まれの彫刻家。

東京美術学校彫刻科塑像部本科に入学し、

《長崎平和祈念像》で知られる北村西望の教えを受けました。

戦後は練馬区にアトリエを構え、

日展の評議員、理事を務めながら、

日本全国の公共空間に設置される作品を制作。

練馬区内にも4点、地元の佐賀市内にも数多くの作品が設置されています。

会場では、この展覧会のために、

担当学芸員さんが作成した古賀忠雄マップが展示されていました。

 

 

 

東京と佐賀に集中していますが、

こんなにも各地に古賀忠雄作品はあるのですね。

これまで意識していなかっただけで、

人生で一度や二度くらいは彼の作品を目にしていたのかもしれません。

 

ちなみに。

代表作の一つとされているのが、

西郷隆盛をモチーフにしたというこちらの像。

 

 

 

鹿児島県霧島市に設置されているそうで、

その大きさは、実に10.5メートルもあります。

実在の人物像としては、日本最大を誇るのだとか。

なお、タイトルは、《現代を見つめる西郷隆盛像》とのこと。

・・・・・明治時代から転生してきた設定なのでしょうか??

『パリピ孔明』的な?

 

 

さて、人物像、それも特に男性像を多く残した古賀忠雄。

本展のメインビジュアルに採用されているのも、また男性像です。

 

 

 

会場では、展覧会の冒頭に展示されていました。

 

 

 

タイトルは、《練馬の男》とのこと。

練馬在住の誰かをモデルにしたものなのか?

はたまた、練馬の男の平均顔なのか?

だとしたら、練馬の男は生え際が後退しがちであるようです。

 

ちなみに。

本展でもっとも印象的だったのが、こちらの《二つの道》という作品。

 

 

 

何があったのかはわかりませんが、

一人はうなだれ、一人は頭を抱えています。

その表情に目が向いてしまいますが、

よく見たら、2人とも服は着ていません。

中田英寿ばりの長いマフラーで、

どうにか大事な部分を隠しているだけです。

頭を抱えたいのは、こっちだよ。

 

それから、女性像ですが、こんな作品もありました。

 

 

 

ポージングが完全に、

海援隊の『JODAN JODAN』の際の「J」。

キレッキレでドヤ顔なのが、ちょっとだけイラっとします(笑)

 

 

なお、古賀忠雄は人物像以外にも、

動物をモチーフにした作品も多く制作していたようで。

 

 

 

個人的には、こちらの牛の作品がお気に入りです。

 

 

 

さすがにちょっとバランスが悪いような。

実際の牛というよりも、お盆の時にナスで作る牛に近い気がします。

 

 

 

 

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