世界が妙だ!立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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昨日は、広島市現代美術館で現在開催中のコレクション展をご紹介しましたが。
本日は、広島市現代美術館の現在開催中の特別展、
“世界が妙だ!立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画” をご紹介いたします。

世界が妙だ


フォントが妙に 『テラスハウス』 っぽいですが、
『テラスハウス』 のようにオシャレな展覧会ではありません (笑)
漫画と絵画を融合させた2人の妙なアーティスト、
立石大河亞と横山裕一さんの妙な作品の数々で会場が埋め尽くされたカオスな展覧会です。


さて、2人のアーティストを簡単に紹介いたしましょう。
まずは、立石大河亞 (1941~98)。
またの名を、タイガー立石。
ちなみに、本名は立石紘一です。
美術家としてデビューするも、いつの間にやら、漫画家として連載を持つまでに。
しかし、完全に漫画家に転向するわけではなく、
漫画の手法である 「コマ割り」 を取り入れた妙な絵画を発表し続けました。

「コマ割り」を絵画
立石
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


続いては、漫画家の横山裕一さん。
目的不明の大土木工事を描いた 『ニュー土木』 や、
不思議な鉄道旅行の一部始終を描いた 『トラベル』 といった彼の漫画は、
そのあまりにも独特な世界観から、ネオ漫画と呼ばれています。

ネオ漫画


特に接点があるわけでもない、そんな2人のアーティスト。
それぞれの作品が、それぞれに展示されているのかと思いきや、

会場
会場


何の躊躇もなく (?) 、一緒くたに展示されていました。
立石大河亞の世界と横山裕一さんの世界が混ざり合っていたわけですが。
意外と違和感はありませんでした。
こうした2人展の場合、それぞれの作品世界が化学反応を起こしがちですが、
今回の展覧会に限ってはそんなことはなく、2人の作品世界が溶け合って融合していた印象でした。
絶妙かつ軽妙なマッチングです。


ちなみに、展覧会には、立石大河亞の作品を横山裕一さんが模写した新作も。
模写の対象となった作品は、画面中央の 《ミクロ富士》 です。

ミクロ


これを、横山裕一さんが模写すると、こうなります。

模写
模写


・・・・・・・・・・・・・。

模写って何かね?


だいぶ妙なことになっていますが。
立石&横山ワールド全開の会場にいると、不思議なもので、
“まぁ、こういう模写があってもいいかもね” と、すべてを受け入れる心境に。

また、鑑賞者が布をめくらないと読めないという妙な漫画も展示されていましたが。

漫画
漫画


会場では、普通に受け入れている僕がいました。
・・・・・ツッコミ芸人なのに。


とにもかくにも、いい意味で “クセがすごい” 展覧会。
世にも妙な展覧会です。
星星




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