Mission15 大塚国際美術館をレポートせよ!(前編) | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

6月某日。
とある密命を受けて、僕は羽田空港を出発しました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-羽田


そして、降り立ったのは、徳島。
その名も、徳島阿波おどり空港。
徳島空港で、いいような気もしますが、
“阿波おどり” を挟んでくるあたりに、深い郷土愛を感じました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-徳島阿波おどり空港


銅像たちも、出迎えのために阿波踊りをしています。
えらいやっちゃ。


ここから、車で約20分ほどの場所に、今回の目的地があります。
それが、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-大塚国際美術館


大塚国際美術館
渦潮で有名な鳴門公園の敷地内に、
1998年に、日本最大の美術館としてオープンした美術館です。
(2011年現在でも、国立新美術館に次いで2位。私立では、最大のまま)

大塚国際美術館の “大塚” とは、
オロナミンCやポカリスエット、ボンカレーでお馴染みの “大塚製薬” のこと。
大塚製薬グループが、創業75周年事業として開館した美術館なのだとか。


さてさて、こちらの大塚国際美術館。
美術ファン、とりわけ西洋美術ファンの間では、一度は話題に上る美術館です。
なぜならば、ここに来れば、西洋の名画の数々を観ることが出来るのです。

ダ・ヴィンチの 《モナリザ》 に、フェルメールの 《真珠の耳飾りの少女》 、ピカソの 《ゲルニカ》・・・etc。

美術ファンならば、一度は観たい名画ばかり。
・・・とは言え、もちろん、実物が飾ってあるわけではありません!
ここに展示されているのは、すべて、世界中の名画を陶器の板に原寸で焼き付けたもの。
(大塚グループの大塚オーミ陶業株式会社が開発した特殊技術が使われているのだそうです)
つまり、陶板の複製画。


そのため、美術ファンの間では、

“世界中の名画を観ることは経験してみたいけど、レプリカだとね・・・どうなんだろ??”

という話で持ちきりになるのです。


というわけで、今回僕に課せられたミッションは、
その当たりの関東圏の美術ファンがモヤモヤしている部分を、
実際に、自分の目で見て、スッキリとさせること。
大塚国際美術館は、一見の価値アリかナシか。
白黒ハッキリさせようではないですか!


ちなみに、僕は、懐疑派。
アートテラーとして、『絵は実物を観るに限る!』 というスタンスを取り続けていたので、
陶板画オンリーな美術館を認めるわけにはいきません。
つまらなかったら、つまらないと言います。はい。
例え、大塚製薬グループさんに、このブログが目をつけられようとも (笑)



それでは、いよいよ美術館へ。
入り口を抜けるやいなや、まずは巨大なエスカレーターに圧倒されました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-エスカレーター


この長いエスカレーターの先に、何が待っているのか。
不覚にも (?) ワクワクしてしまいました。
大塚国際美術館による、いきなりの先制パンチです。


そして、エスカレーターを登ったすぐその先に待ち構えていたのが・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-システィーナ礼拝堂


ミケランジェロの壁画でお馴染みのシスティーナ礼拝堂。
・・・の寸分違わない完全なる再現です。
いや、再現とは頭ではわかっていますが、
心の中から湧きあがってくる感動は抑えきれません。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-システィーナ礼拝堂 アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-システィーナ礼拝堂


この時、僕は徳島ではなく、
完全にシスティーナ礼拝堂にいました。
アーメン。


・・・・・・・・・あ、いかんいかん。
懐疑派代表として訪れながら (?) 、
一発目の展示から、持っていかれてしまいました。
これでは、いくらなんでも、あっさり陥落しすぎです。
懐疑派の心を強く持ち直して、続いての展示へ。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-フェルメール


こちらは、フェルメールの部屋。
《真珠の耳飾りの少女》 をはじめ、5点のフェルメール作品が展示されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-フェルメール アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-フェルメール


“わ~、《真珠の耳飾りの少女》《デルフトの眺望》 が隣り合ってる!!”



現実世界では、ほぼ100%実現不可能な夢のコラボレーションに、テンションは最高潮に!
これぞ、陶板画での展示の醍醐味。
美術ファンなら、一度は憧れるシチュエーションを疑似体験できます。

しかも、先ほどのシスティーナ礼拝堂と比べて、
ここでは、陶板画をまじまじと観ることが出来ました。

“まぁ、どうせ、陶板画は近くで観たら、所詮は陶板画…じゃない?!”

発色なども忠実に再現された陶板画ゆえ、
間近でまじまじと観ても、チープさが感じられません。
いや、むしろ、本物に似たオーラを感じられるほど。

この時点を持ちまして、ちゃっかり脱・懐疑派宣言 (笑)
これよりは、素直に、この後の展示を楽しもうと思います。



僕もそうでしたが、陶板画に眉を顰めている方へ。
確かに、実物は素晴らしいです。
実物の素晴らしさは、どれだけレプリカが頑張っても追い越せないことでしょう。
しかし、本物の似せようとする並々ならぬ努力は、
時に、本物にも負けずとも劣らない、特別な感動を巻き起こすのも事実です。
こちらの動画をご覧ください。




最近人気急上昇中のものまねタレント・青木隆治さんです。
彼のモノマネには、本物の美空ひばりに匹敵するくらいの感動があります。
大塚国際美術館の陶板画の起こす感動も、これと通ずるような気がしてなりません。



ともあれ、この後、僕はさらにたくさんの感動を、
大塚国際美術館にて、受けることになるのです。
その模様は、中編に続く!




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