昨日紹介した “トランスフォーメーション” ともう一つ、
東京都現代美術館で、現在開催されている美術展があります。
それは、
“オランダのアート&デザイン新・言語”
前衛的なアプローチにより、90年代から世界中の注目を集めたオランダ・デザイン。
オランダ・デザインと言えば、昨年に佐倉市立美術館でも、
“オランダデザイン展 挑発する色とかたち” という美術展がありましたが。
今回の東京都現代美術館のは、
最新オランダ・デザインに加え、最新オランダ・アートにもスポットを当てた美術展。
出展作家は、絞りに絞って、たったの4人。
それだけに、一人一人の作家が掘り下げられていて、より深く楽しめた気がします。
まず最初に紹介されていたのは、
テッド・ノーテンというコンテンポラリージュエリーアーティスト。
ジュエリーと聞いて、普通の宝石を想像してしまいましたが、甘かったです。
普通のジュエリー作家が、東京都現代美術館で展示されるわけがありません。
例えば、彼がバッグをデザインするとこうなります。
《リッペンズ・バッグ》
樹脂のようなもので出来たバッグの中に、大量の指輪が!
何とも斬新で、何ともバブリーなバッグです。
もう一つ紹介しましょう。
オランダのマキシマ皇太子妃のために作ったティアラだそうですが…
ヘルメットと対になっている、何ともカッコよすぎるデザイン。
これを被りこなすって、どんな皇太子妃なんだ?!
会場ラストでは、テッド・ノートンによる驚きのプロジェクトが。
壁一面に、彼が制作した500個の 《ピギーリング》 が、
ピストルの形をかたどって、展示されています。
(豚がデザインされている、お茶目な指輪です)
そして、彼は、こう呼びかけます。
「あなたの指輪と私のピギー・リングを交換しませんか?」
と。
実は、僕が訪れた時には、すでに全て交換済みになっていました。
本当に指輪と交換した人や、ブレスレット、ネックレス、
中には腕時計と交換してしまったツワモノまで!
この美術展を訪れた人のノリの良さには、驚嘆せざるをえませんでした。
さてさて、次の展示室で紹介されていたのは、マーティン・バース。
彼の作品は、何度か観たことがありますが。
何度、観ても、ビックリしてしまいます。
扇風機をデザインすれば、こうなりますし↓
机をデザインすれば、こうなります↓
「シャキッとしろ!」 と、
思わず言いたくなる、文字通り、ゆるい家具たちです。
これらの家具は観たことがあったのですが、
今回、初めて観て、驚きと笑いと感動を覚えたのが、こちら↓
《グランドファーザー・クロック》
グランドファーザー・クロック・・・おじいさんの時計です。
しかも、僕の身長よりも高かったので、大きなのっぽの時計。
ただ、この時計は、チクタクチクタクとは動きません。
どうやって、動くのかと言いますと・・・
ちなみに、中に実際に人が入っているわけではなく、
こういう映像が文字盤に流されているのです。
つまり、アナログっぽいデジタル時計。
このおバカな発想力には、脱帽しました。
さらに、このiPhoneアプリ版 《アナログ・デジタル・クロック》 も展示されていました。
これまた、中の人は大忙しです (笑)
続いての登場は、マルタイン・エングルブレクトというアーティスト/デザイナー。
彼は5つのプロジェクトを、展開しています。
中でも一番面白かったのは、 《迷惑電話撃退マニュアル》
迷惑電話が掛かってきた時のhow toを伝授してくれるという素晴らしいプロジェクト。
こんなにも生活に役立つ展示が、今まであったでしょうか (笑)
しかも、ちゃんとマニュアルは貰えます↓
これで、明日から迷惑電話がかかってきても、へっちゃらです。
他にも、ご近所さんとの絆を深めるグッズをたくさん販売している 《ご近所ショップ》 や、
二者択一の扉を選んで進んでいくと、自分がどんな人間かわかる (…かも) な 《3Dフォーム》 など。
面白プロジェクトが、目白押しです。
・・・と、ここまでの3人がパンチありすぎて。
唯一の日本人作家タケトモコさんのコーナーは、、、
あっさりと観終わってしまった印象です。
2ツ星ですが、1点だけ気になったことが。
展示の初めに、 「参加型の作品で使いますので」 と、
ハイチュウみたいな形をした謎のレンガのブロックを渡されます。
汚れないようにと、紙に包んで。
その謎のブロックの出番が、なかなか来ないのです。
「これ、いつまで持ってればいいの?!」
美術展の半分は、
そんな疑問を持ち続けながら観賞させられました。
出来れば、普通に観賞したかったです (笑)
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