ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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スール・プリュの 『ドミニク』 から始まった今回は、
『ドミニク』 に関する展覧会をご紹介いたしましょう。
東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている、
“ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ” です。
12月26日まで。


ドミニク・ペロー。
今、世界で注目を浴びるフランスの建築家です。
わずか36歳の若さで、フランス国立図書館の国際コンペを勝ち取ったことで、
彼の名は一躍世界中に知られることになったのだとか。
その時勝ち取った案で完成したのが、こちら↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-フランス国立図書館


「!!!!」

かれこれ、大東京お笑い建築ツアーなるものを主催して、1年半。
そろそろ、建築にも慣れてきたとは思っていたのですが、世界の壁は厚かったです。。。
こんな衝撃的な建築があっただなんて。
しかも、これが国立の建物だなんて。

まるで本を開いて立てたような高層建築が4冊…ならぬ4棟。
その4棟に囲まれているかのように見える中央の広大な空間が斬新です。



今回の展覧会では、このフランス国立図書館をはじめ、
これまでのドミニク・ペローの手掛けた建築が映像や模型、写真で、紹介されています。
そのどれもに、いちいち驚けるからドミニク・ペローは、スゴい!
ぶっ飛んだ形をしていながらも、
ただただ変なのではなく、きちんと考えられた形というのがミソ。

僕は、最近すっかりにわか建築ファンなので、人一倍感動したのでしょうが。
そうでない人が観ても、素直に驚ける建築ばかりだと思います。
建築に興味がない人が素直に楽しめる建築展。
星
ただ、映像作品が長くて飽きがちなので、1ツ星 (笑)



さてさて、気になった建築をいくつかご紹介しましょう。
まずは、恐怖 (?) のホテル。
ミラノにある 《NHフィエラ・ホテル》 です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-NHフィエラ・ホテル


片方は、右に。
また片方は、左に。
ズレてしまってます、もちろん人為的に。
何も知らないで、この光景を観たら、間違いなく自分の目を疑うことでしょう。


お次は、フランス国立図書館に続いて、
国際コンペで1等を勝ち取った 《オリンピック自転車競技場/オリンピック・プール》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-オリンピック・プール


メタルメッシュを用いた巨大なUFOのような建物。
しかし、このへんてこりんな建物を、地域と調和させるために、
近隣の人が来やすくなるように、林檎の木を周囲に5000本植えたのだとか。
ただ、それでは、林にUFOが不時着したように感じるのでは??
天才の考えることは、よくわからないです (笑)


イタリアやドイツは、さすがに遠いので、もう少し近場のソウルでのペロー作品を。
《梨花女子大学キャンパス・センター》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-梨花女子大学キャンパス・センター


元々窪地だった地形を大胆に活用することで、
このような不思議な大学の校舎が出来上がりました。
この場合、この建物の屋上は屋上と呼べるのかは疑問。


どれも観に行ってみたいのですが、
あいにくパスポートを持っていない僕。
ところが、そんな僕に朗報が!
2011年秋を予定に、ドミニク・ペロー設計の 《大阪富国生命ビル》 が大阪梅田に完成するのだとか。
(こちらのサイトで建設中の様子が観られます⇒http://www.hetgallery.com/fukoku-osaka-building.html
これなら、ちょっと頑張れば、観に行けまっせ。



と、いろいろと観進めていく中で、見覚えのある建物を発見。

“あれ?これは…??”

今年の夏に越後妻有の旅で目にしたような。

《バタフライパビリオン》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-能舞台


あの斬新過ぎる能の舞台も、ドミニク・ペロー作だったのですね!
知ってみれば、こんな能の舞台を作れる建築家は、
ドミニク・ペローをおいて、他にはいない気がします。


ぶっとびまくりのドミニク・ペローの建築。
いつか世界版お笑い建築ツアーで行けたら、イイのになぁ (笑)




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