理論とか理屈、というのは、何か技術や知識を身につけるときには非常に役に立つものです。
そしてそういうものを身につければ身につけるほど、そして実際の現場を経験するほど、その理屈や理論に矛盾する点を見出してくるものです。
マジックの世界には「サーストンの3原則」という格言があります。
(サーストンは20世紀初頭の著名なマジシャンの名前)
- これから起きることを言ってはならない
- 同じマジックを繰り返してはならない
- タネあかしをしてはいけない
実際の現場では、これからやることをあえて予告してお客さんの期待を上回るやり方でやってみたり、あるいは同じマジックを繰り返すことで不思議を高めたり、タネあかししてもやっぱりわからない、ということがあるからです。
要は、その方が喜ばれるのであれば、3原則なんて平気で破ってしまう。
理屈なんてものは、今までの経験をまとめて整理しただけのものです。
だから、特に人間を相手にする仕事では、そこからはみ出てくるものが出てくるのが当たり前です。
セラピーやカウンセリングの一番面白いところは、まさにそれだと思うのですよ。
セオリーからはみ出てくる部分にその人の、その人らしさが出てくる。
そのはみ出し具合に合わせて、こちらのやり方もセオリーからはみ出してみる。
カッコよく言えば、相手の個性と自分の個性がぶつかり合って、その場でしか生み出せないものを生み出していく。
それがセラピーやカウンセリングの醍醐味だと思います。
乱暴なことを言えば、その生み出されるものが「解決」じゃなくてもいいと思ってます。
なぜなら、解決は状況が整ったときに自然に訪れるものだから。
今とは違った状況になるよう、どんどん誘導していく。
僕のところに長い間通ってきているクライアントさんには、初回に「こんな簡単なことでいいんですか?」と言われることがよくあります。
「他では変われなかった」という方には、これがセラピーか? という課題を、個人セッションでやってもらって激変したこともあります。
催眠療法を謳いながら、催眠をまったく使わないこともあれば、普通に会話しているように見せかけて、裏で催眠を使うこともある。
ぶっちゃけ、効果があればそれでいい。
実際にやることはないでしょうが、ぶん殴ってその人が良くなるのならそうするし、くすぐった方がいいのならそうするでしょう。
セオリーからはみ出た部分に、その人らしさやオリジナリティが生まれる余地があるのだと思います。
でもセオリーという枠を知らなければ、はみ出すことはできない。
そこはしっかりと知らなければいけないことだと思います。
雷人のイベント
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