最近知人から頼まれて、「新人の占い師に教える」ということをやっています。
占いのやり方、というよりは接客の仕方ですね。
あまり気乗りがしなかったのですが、やってみるといろいろ発見があって面白いものです。
今は緊急事態宣言下で行けませんが、行きたくなるバー(飲み屋)って、お酒の味だけじゃないじゃないですか?
お店の雰囲気だったり、マスターの人柄だったり、他のお客さんの客層だったり、そういうものが「また行きたくなる店」を作り上げていたりする。
新人の占い師さんも、占いに一生懸命すぎて、相談する人からすれば、ネットや雑誌で見る占いとそんなに変わりない。
肩の力を抜いてそういうことに思いを馳せたとき、この人たちは占い師として一人前になっていくんだろうなー、とプロの占い師でもないのに偉そうに思いながら教えています。
で、いろんな人を教えていると「この人は伸びるなー」とか「この人はあんまりいい占い師にならないだろうな」というのがわかってくるのです。
あることができているかどうかでわかってくる。
それができている人は実際成長が速いし、出来なかった人でも「最近成長してきたなー」という人は、いつのまにかそれができるようになっている。
それは何かというと「答えたくなる質問の仕方」であります。
いい質問というのは、問題がはっきりわかっていないとできない。
言い換えるなら、何ができて何ができないかがわかっている。
質問される方としては「何を答えていいのか」が、はっきりわかる。
逆に悪い質問というのは、聞かれた方が何を答えていいのかわからない。
これも大事なことなんですけど、それだけじゃないんですよ。
質問が上手い人というのは、思わずこちらが「答えたくなるような」質問をしてくる。
それはタイミングだったり声のトーンだったり、あるいは文法的な要素もあったりといろいろあるんですが、つい喋る気がなかったこともしゃべってしまう。
よく言われるように、カウンセラーとか占い師とかコーチとか、コミュニケーションを使う仕事って、自分が喋るよりも相手の話を聞くほうが大事です。
つまり、相手が喋ってナンボ、ってことなんですよ。
だから喋りたくなるような質問ができる人は、占い師としては非常に伸びる。
多分、他のコミュニケーションを使う仕事しても、上手くいくでしょうね。
そういう質問ができる大前提として、相手が答えやすい質問を構築する、っていうのは大前提なんですけどね。
反面教師は、スポーツ選手へのインタビュアー。
答えるのに困ってしまうような質問をよくしているでしょう?
ああなってはいけません。
逆にここら辺がものすごく上手いのは、プロ・インタビュアーの吉田豪。
彼じゃないとインタビュー受けない、っていう大物がたくさんいるくらいの人です。