動詞で考える | 雷人の部屋

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催眠・潜在意識から見たココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

昔、俳優の学校に通っていたときに、しつこく言われたことが

 

「動詞で考えろ」

 

ということである。

 

「悲しい」演技は出来ない。

やろうとするとクサイ演技になったり、表面的だったり、ウソっぽかったりする。

感情や感覚というのは、何かを行為した結果に過ぎないからである。

 

だからいい役者というのは、必ず動詞で演技をする。

例えば「泣く」ことはできる。

「すすり泣く」のか「号泣する」のか「嗚咽を抑える」のか選択することができる。

その結果、悲しい感情が湧き出てきたり、あるいは観客から見て悲しいと映る。

 

そう、行為によって感情は簡単に変わるのだ。

感情を直接変えることは難しい。

 

人間は何か行為しているときが、一番自然でものごともスムーズに動く。

何もしないというのは不自然だし、厳密に言うとそんなことは不可能なのである。

 

余談になるが、先日お亡くなりになった大杉漣さんは、「目立たないよう何もするな」という監督の指示を、「何かする」という行為に翻訳して表現することで評価されるようになったそうである。

 

セラピーするときも、他人にアドバイスするときも、自分の計画を立てるときも、もちろん演技プランを立てるときも、今はとにかく動詞で考えてみる。

これが一番役に立つ。