推しと引き | 雷人の部屋〜催眠・メンタリズムから見る潜在意識の世界

雷人の部屋〜催眠・メンタリズムから見る潜在意識の世界

メンタリストが語るココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

「ライトくんってマジックやる気ないよね。そこがいいんだけど」

と言われたことがある。
まあ僕の持論ですが、「押しの芸」よりは「引きの芸」の方が美しいと思っているので、褒め言葉として素直に受け取っておきましたが。

この情報過多の時代、特に芸人なんかは自分をアピールしなければ埋もれてしまうから、必死に自分を推してくる。言うなれば押しの芸全盛の時代。
そんな時代で生き残ろうとすれば、他人より自分を推して前に出る。
でもそれで生きられるのは一瞬だと思うのです。
なによりお客さんが疲れちゃう。
一度はいいけど、二回見たいとは思わないかもしれない。

だからこそ「引き」が利いてくる。

自分がエネルギー目一杯だして「ドヤァ! スゴいやろ!」とばかりにアピールするのもいいかもしれないが、スゴいことを淡々とやって、お客さんの方から「あいつすごくね?」と思わせる。
こちらから向こうに行くのではなく、向こうがこちらに来る流れを作るのだ。

狩りに行くよりは、罠を張ってそこに誘い込む。

女を口説くよりは、女が自分のことを「好き」というように誘惑する。

やった感、達成感は少ないかもしれないけど。
でもそっちの方がスマートでカッコいいと思うんですが。

単に若気の至りから、おっさんのいやらしさにシフトチェンジしただけかもしれないけど。