同じことを伝えるとしても、どういう言葉を使うかによって伝わり方は違ってくる。
こちらが励まそうと思ってかけた言葉が相手を凹ませたり、向こうが褒めようとして言ってくれたことにこちらが腹を立ててしまうこともある。
なぜかと言うと、人間は言葉によってのみ思考をするからです。
どういう言葉を頭の中で使うかによって、考え方も感情も、身体の状態さえ変わってしまう。
場合によってはたったひと言、違う言葉を使うだけで。
昔、ストレッチをやっていたときに、筋を「伸ばそう」と頑張っていると、却って身体に力が入ってストレッチ出来なかったことがあります。
そのときコーチに言われたのは、筋を「ゆるめなさい」ということ。
「ゆるめる」という方向に思考と身体が動いて、結果として「伸ばそう」としたときよりも伸ばすことができました。
催眠では呼吸を見ることが、一つの大事な観察ポイントになるのですが。
講座なんかでこれを伝えると、大抵の人は呼吸を一生懸命見ようとする。
すると身体の緊張度が高まって、見ようとすればするほど見えなくなる。
見ようとしなくても目を開けていれば勝手に情報が入ってくるんだから、そのつもりでただ「目に入ってくる情報を受け取る」という心持ちでいた方が、却って呼吸をはじめとする微妙な動きが見えてくる。
もちろん、人それぞれ感受性が異なるので、どんな言葉がその人に「響く」のかは違うのだけれども。
あなたが苦手な人も、たったひと言で友人や味方になってくれるかもしれないし、自分が行き詰まっていることも、たったひと言で問題にさえならなくなってしまうかもしれない。
さて、あなたを変えるのは、どんな言葉でしょうか?




