私が先日の日本滞在中にアポイントメントをいただいたお客様。


一応、ハワイに戻って来てから確認のためにお電話でカウンセリングをしました。


年齢は70代後半でリップラインがご希望です。

昔転んで前歯を失い、そのまま他の歯も失ってしまい今では上は入れ歯で下は何も入れていない状態です。

そのため唇の周りに深い皺があり口紅を塗ると皺の中に放射線状に口紅が滲んでしまうのでアートメイクでのリップラインの施術をご希望でした。

お電話だけでどんな状態なのかイメージはできましたし、歯科医院勤務も長いためお口の中の状態も手に取るようにわかりました。


いつも綺麗にしていたいご様子がお電話のお話しからも伝わってきました。


実際にお会いするとやはり小柄でお元気なご婦人。


そして眉とアイラインには唖然とするほどの「刺青」が入っていたのです。


ご本人もこの酷い仕事ぶりにはご立腹でした。


しかし私はお話で不覚にもそこまでは読めていませんでした。


取り敢えず拝見させれいただきたいのでカウンセリングのお時間をお取りしました。



実際にお会いして唇の皺の事はご本人からの説明通りだったのですが、この場合ラインを皺の部分は避けて途切れ途切れ施術しないとアウトラインがガタガタになってしまうので、唇を引っ張った時やお口を大きく開けて笑った時は点線のように見えてしまうという事はすでに説明させていただいており、その上でご来店くださっています。


それだけだったらまぁ良かったのですが、眉とアイライン上下がこの状態で、果たして唇は施術するべきなのだろうか…。



それとも何もせずにそっとしておくべきか…。



今日は私の考えを率直にお伝えし、(もちろん言葉を慎重に選んでです!)
良くお考えになった上でやはり施術をご希望でしらたらご連絡くださいとお話しし、ご本人も納得されてカウンセリングを終えました。


たまにご本人の強いご希望と期待と私の仕事に対する方針が食い違う事があります。


その場合とても残念ですがお断りしなくてはならない時も過去に数件ありました。



自分の意思に反した仕事は人様のお顔に残す事はできないからです。


今回のケースもこれがもし私の母だったとしたら施術は見送るでしょう。



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