・抱っこのオネダリ・・・(笑) | 日本哭檄節

日本哭檄節

還暦を過ぎた人生の落ち零れ爺々の孤独の逃げ場所は、唯一冊の本の中だけ・・・。
そんな読書遍歴の中での感懐を呟く場所にさせて貰って、此処を心友に今日を生きるか・・・⁈

 超劇遅(ノロ)徘徊台風『10号』に振り廻され続けたNippon列島も、どうやらけのふ(昨日)辺りから通常運転に戻ったようで、けのふ朔日(ついたち)は、日中は35℃ほどまで上がって熱かった南九州の盆地も、けふ(今日)は、一気に秋めいた空気に包まれ、ジジイの安宿(やさ)の東の一間窓からも、佳い風が通って居りますわ・・・!

 

 尤も・・・、そうは云っても、3時頃までは、まだ30℃を超える日射が射すからエアコンさんのご厄介には為って居るのだが・・・(汗)

 

 そんな秋めいた心地快い風を受けながら、チョイと喰い扶持買い出しに出掛けたスーパーでの出来事・・・!

 

 毎度の如く、買い物カートに緑の買い物籠を載せ店内に入って、毎朝1個食べるトマトを買おうと生鮮野菜売り場の島棚の筋に入った処で、二人の幼児を、上の一人は子供用シートに乗せ、一人は左腕に抱きながら、片手でカートを押しながら、ゆったり品物を物色して居られるご夫人と対面ハチ合わせ状態に・・・!

 

 と・・・、こんなシチュエーションに出喰わした時のジジイの一言は、どんな時でも決まって居る・・・!

 

 その子供たちに向かって、

『アラ・・・、可愛いねえー・・・!』

の一言は、絶対に怠らないのだ・・・!

 

 事実・・・、このジジイは、

『子どもは、誰でも可愛い・・・!』

と想って居るから、つい自然と口を吐(つ)いて出てしまう悪癖だが、如何な赤の他人の禿ジジイの声掛けとて、こう声を掛けられて悪い気がする捻くれた親は居ないらしく、大方の親御さんは、突然の声掛けに、はにかんだ表情の戸惑い気味にでも、

『ありがとうございます・・・!』

くらいの反応は為さるのが常だが、けふのお母様は、それを遥かに超えた嬉しそうな笑顔で

『ありがとうございます・・・!』

と応じ返して下さったのだが、そうなると、この子供好きジジイは、連れて居られる子供たちに向かって、

『お幾つですか・・・?!』

と訊ねぬ訳には行かない悪癖が連鎖反応を起こすから、実に困った不審ジジイと化してしまう訳で・・・(汗)

 

 結果・・・、けふの二人の女の児は、

『4歳ともう直ぐ2歳・・・!』

と判明・・・!

 

 咄嗟に・・・、

『オウ・・・、我が家の千葉孫二人と似た年頃・・・!』

と連想するハゲジジイだが、それにも増して、お母さんの左腕に抱き抱えられた2歳弱の女の児の顔の表情が、何とも云えず愛くるしいのに心を奪われ、その児にこの野暮天顔を若干近付けながら、更に

『佳い顔してるねえ・・・!』

と声を掛けると、その児が、更に愛くるしさを増した愛嬌の有る笑顔て、ジジイに向かって、お母さんの腕から背伸びするような仕種で、両手を延ばして来たではないか・・・!

 

 それが何を意味して居るかは、誰でも判る・・・!

 

 つまりは、

『抱っこして・・・!』

と云うオネダリの意思表示だ・・・!

 

 その昔なら、ジジイ本人が、親御さんに

『チョッと抱かして貰って、好いですか・・・?!』

とお願いして居たほどだが、この4、5年ほどは、あの『COVID19』の所為で、他人に気安く近付いたり触ったりは出来なくなって居るので、子供好きジジイも、そこは気を遣って頬っぺたを指先で突っつくチョッカイも自制して来ただけに、一瞬躊躇いながら、抱いて居らっしゃるお母さんの表情を窺うように眼を合わせると、如何にも育ちの佳さから来るオットリさを醸して居られる、まだ30歳を少し超すか越さないかの若いお母さんは、何の警戒感も顔に現して居られず、驚いたような顔で、

『アラ・・・?!』

と一言仰っただけで、その顔も声も、ジジイに、

『よろしかったら、どうぞ・・・!』

と云って居ると理解したジジイは、早速、その児の拡がった両腕の腋下に皺枯れた両掌を差し入れ、お母さんの腕から引き抜いた・・・(汗)

 

 ウーン・・・、この危うさを覚えるような柔らかさの抱き心地・・・!

 

 堪らんわなあ・・・!

 

 

 この堪らない抱き心地を噛み締めながら、鷹揚な笑顔のお母さんと暫し子育て談義を交わし、抱いてる女の児が泣き出す前に返しながら、

『まだお若いから・・・、是非もう一人・・・?!』

と要らぬ減らず口で、

『子ども(=兄妹)は・・・、三人以上居れば明るく逞しく育ちますよ・・・!』

と云う『ジジイの持論』を叩くと、そのお母さんも三人兄妹だったそうで、

『賑やかで楽しかったから・・・、私も、もう一人産むつもりです・・・!』

とは、何と頼もし嬉しいお言葉・・・!

 

 そのお言葉に、想わず被って居た帽子を脱ぎ、ハゲ頭を垂れながら、

『次のNippon国総理大臣に為り替わり・・・、御礼を申し上げます・・・!』

お道化た口調で申し上げてお別れしたが、やっと秋の訪れを感じられるようになった日に、誠、癒される一時を頂き、本当に佳い一日だったわい・・・!

 

 

 尤も・・・、数日前のNewsでは、またこんなTopicを報じて居たからなあ・・・!

 

 

 最早、今更少子化に毒吐くつもりも起きないが、あのお母さんが折角三人目を頑張ってくださっても、あんな愛くるしい赤ちゃんの笑顔を視れる機会も、どんどん減って行くってことだわな・・・!

 

 淋しいお国に為って行くわな・・・!

 

 って・・・、結局、最後は毎度の愚痴になってしまったが・・・、読んで頂いて居りましたら感謝申し上げます・・・(謝&拝)