・外国を識る(大陸編)・・・(閑話休題) | 日本哭檄節

日本哭檄節

還暦を過ぎた人生の落ち零れ爺々の孤独の逃げ場所は、唯一冊の本の中だけ・・・。
そんな読書遍歴の中での感懐を呟く場所にさせて貰って、此処を心友に今日を生きるか・・・⁈

 まさか、こんなに長く引っ張るつもりで始めたのでは無かったのだが、結果的には、毎度の仕儀に・・・(汗)

 

 そこで、今日は、少し休憩でも挟んで、些か、老い耄れ脳の血液循環を変えてみようと企んだ次第だが・・・(汗)

 

 と云うのも、有難くも、こんな駄文を読んで頂いている(=らしい・・・汗)、東京の『赤門(=東大)近在にご在住・・・』

『ARKさん・・・』

 

 

が、一昨日の新記事で、愚生の駄文のことを採り上げて頂いて居て、このバカBlog 記事に、

 

≪氏には独自のこだわりがあって、一見して難しい言葉や表現が多い。

例えば

・所謂・然程・恙無く・徐(おもむろ)に・余談に奔るが・然も・縦(よ)しんば・時、恰も・果て然て・弁えた上で・腹熟(こな)し・余談に奔るが・些か・・・などなど。

さらに、

「識らない人は居ない」とか「想い識らされ」などのように、「知らない」を必ず「識らない」と表記する。≫

 

と綴って頂いて居た・・・(汗)

 

 ARKさんの文章力や、その人生経験や読書量から来る、

『諸々への造詣の深さ・・・』

には、毎回、つくづく感銘を頂いて居るのだが、そんな教養、知性の深い方から、然様に想って頂いて居ることに、

『些か云い訳・・・』

を宣って措こうと想った次第で・・・(汗)

 

 小生が、『知る』を

『識る・・・』

と綴り出したのが、果たしていつ頃からだったのかは、正直、もう完全に記憶には無いのだが、浅学非才なくせに、何故か、昔から、

『漢字に拘る・・・』

と云う病気が有って、若い頃から、目的も無く、ただ漠然と、

『漢字辞典を眺める・・・』

と云う、妙な癖が有ったのだけは、確かだ・・・。

 

 そして、その

『偏や旁(つくり)・・・』

に眼を凝らし、そこから読み取れる

『その漢字の持つ(=宿す)意味・・・』

と云うのを、あれこれ考えるのが好きで、そこに、

『他人と違ったことをするのが、好きだった・・・』

と云う、

『もう一つの病気・・・』

が発症して、他人から視たら、

『実に、ややこしいヤツだ・・・!』

と云う『字遣い』をするに至って居るだけで・・・(汗&笑)

 

 つまりは、この老い耄れ脳が、知性や教養を見せびらかして居る訳では、まったく無くて、

『単なる、目立ちたがり屋の発露・・・』

が、このややこしい文字表現になってしまって居るだけで・・・(笑)

 

 ただ、小生が、今更宣うまでも無く、漢字と云うのは、

『象形文字・・・』

に起源を発して居るから、

『偏や旁・・・』

を読めば、その感じが

『云わんとして居ること(=意味)・・・』

が、実に様々に浮かんで来るとは想うし、それを想像しての

『宛て字・・・』

と云うのを遣うのも、大好きだ・・・(汗)

 

 そう云う意味では、昔の作家さんたちは、この『宛て字・・・』と云うのを、よく遣って居るように想う・・・?

 

 小生が好きなのは、山本周五郎氏が良く遣った

『良人(おっと)・・・』 (=池波正太郎氏もよく遣って居たが・・・)

と云う表現など、実に上手い宛て字だし、味の有る表現だと、つくづく感心させられるのだが・・・。

 

 そう云う意味では、昔の男(=夫)たちは、

『良い人・・・』

と表現されたのだから、実に、気分が快かっただろうが、今どきの若い人(=特に女性)たちに、こんな表現方法を遣っても、理解されもしないし、下手に説明すれば、

『何、それー・・・?!』

と云って、毒吐(づ)かれるのが、オチだろうか・・・(笑)

 

 オッと、そう云えば、この

『毒吐く・・・』

なんてのも、実に巧い宛て字だと想うが、これに『づ)』云うルビを着けなければ、

『どくはく・・・』

と読まれてしまうのだろうなあ・・・(笑)

 

 他にも、例えば、

『良い・・・』

と云う字でも、他に、

『善い・・・、佳い・・・、好い・・・、快い・・・』

なんて字も有るから、その場の雰囲気や事象に依って、遣い分けるのも実に面白いし、それを読む人の受取り方も、違って伝わってくれるのではないだろうか・・・?

 

 否、小生は、そんな事を想い描きながら、その折々に、頭に浮かんだ漢字を、勝手に解釈して宛てて、文を綴らせて頂いて居る訳で・・・(汗)

 

 そう云う意味では、漢字と云うのは、実に面白いと想う・・・!

 

 序でだから、偉そうに自慢させて貰うと、この田舎老い耄れは、作家でも無ければ漢字学者でも無いのだが、

 

 

なんて、邪魔臭い漢字辞典を宿して居るのだが、これは、『幅:21cm ・ 高さ:27cm ・ 厚さ8cm ・・・』も有る

『バカ分厚い漢字辞書・・・』

で・・・(汗)

 

 

 

 仰々しい箱の帯には、

『唯一、信頼に足る漢和辞典・・・!』

なんて書かれて居るが、中を開くと、

 

 

こんな感じで編纂されて居て・・・って云っても、写りが悪いなあ・・・(汗)

 

 ただ、例えば、ARKさんが挙げてくださった

『識る・・・』

と云う漢字を例に取れば、

 

 

こう云う風に、

『この字の成り立ち(=形象)・・・』

からを、実に詳しく教えてくれて居て、まるで、小学校の中、高学年の児童が、漢字を習うような気分を味わえるから、何とも新鮮な気分に浸れるのだ・・・(汗&笑)

 

 左側に構える『偏』が、

『言偏(ごんべん)・・・』

で有ることは、誰もが、云わずとも判るが、旁(つくり)の側の

『戠(しょく)・・・』

と云う字は、

『織・・・』

と云う字の原字だそうで、布などを

『織(お)る・・・』

と云う意味は勿論だが、それが転じて、

『言葉を縦横に整えて織り出して、物事を区別する・・・』

とか、

『物事を、詳しく知る・・・』

と云う意を宿すのだそうで・・・。

 

 否、ジジイは、そんな自慢話を綴るために、この休題を起こしたのでは無くて、本当は、この

『・外国を識る(大陸編)・・・』

に絡めて、現下の中国で遣われて居る

『簡体字漢字の情けなさ・・・』

を嘆きたかったのだが・・・(汗)

 

 もう一度、この『識』と云う漢字を例に遣わせて貰うと、昔の中国では、『識』でしっかり通じたのに、今の世代の中国の人たちでは、この字が、

『识(シー)・・・』 (=発音は、同じだが・・・)

と云う字になるのだから、筆談で、『知識』と書いても、相手(=中国人)には『知』は通じても、『識』は、まったく通じない・・・(笑)

 

 更には、相手から、手紙とかメールなどで

『知识・・・』

と書かれても、今度は、我々Nippon 人には、当に

『チンプンカンプンな記号・・・』

にしか視えない・・・(笑)

 

 今の中国では、昔から営々と受け継いで来た漢字を、

『繁字体・・・』

と定義付けして、まだ辛うじて残っては居るが、それは、50歳以上くらいからの世代だけで、今では、国家に依って、これを、崩しに崩して、まるで、韓国語の

『ハングル文字・・・』

のような記号に近い字体(=簡字体)に変えてしまったから、若い世代には、最早、我々が遣って居る

『Nippon の漢字は通じない・・・』

と云う珍現象が起きて居るのだから、驚くと云うか呆れると云うか・・・(笑)

 

 この辺りの珍現象は、ジジイが、一昨年、三十数年ぶりに渡った

『中国・大連市・・・』

で経験した驚きを綴った

『大連にて・・・』

と云う駄文Blog にも綴ったが、あれは、読んで頂けるような代物では無いから、リンク貼りは、遠慮させて貰う・・・(汗)

 

 簡体字では、他にも、日本の漢字で『車』と云う字が、

『车(チェー)・・・』

と書くし、似て居る云えば似て居る『東』と云う字が、

『东(トン)・・・』

と書かれるのだが、我々には、最早、一瞬視ただけでは、

『何処が違うの・・・?!』

とならないだろうか・・・(笑)

 

 他にも、

『偉大的(ウェイダーダ)・・・』

なんて言葉が有って、これは、日本語では、単純に

『凄い・・・!』

と云う意味だが、これを、簡体字で書くと、

『伟大的(発音は同じ)・・・』

となるらしいのだが、視るだけでは、さっぱり判らないような・・・(笑)

 

 今回、この駄文を綴るに当たって、少し齧って視ると、『簡体字』の普及は、1950年代に入ってから、識字率の低かった中国本土で、その向上を図るために、政府(=北京・共産党)に依って勧められた

『字画数を減らして、覚え易くする・・・!』

と云う目的で編み出された簡略字体だそうで、台湾や香港では、未だ、昔ながらの『繁字体・・・』が遣われて居るそうだから、この『簡字体』は、今のところ、中国本土だけの字体では有りそうだが・・・?

 

 従って、コロナ禍が解けたら、

『是非、台湾に往ってみたい・・・!』

と仰って居たARKさんは、台湾では、

『筆談で通じる・・・!』

だろうから、お独り旅でも、全然心配要らないのでは・・・(笑)

 

 ただ、今や、昨年、慌ただしく施行された、あの法律(=『香港国家安全維持法』だったか・・・?)の導入以来、

『完全、中華大国化・・・』

を急かされて居る香港は、近い内に、現下の中国本土と同じ状態へと陥るのだろうなあ・・・?

 

 実に、勿体無い話だよなあ・・・!

 

 漢字愛好家のジジイとしては、

『御本家、中国さん・・・』

の漢字が、斯様に崩されて行くのが悲しくて仕方が無いから、これからも、敢えて拘って、ややこしかったり面倒くさかったりする漢字や宛て字で、自己満足を愉しませて貰うつもりであるが、くれぐれも願って已まないのは、我がNippon 国が、お隣大国の様な

『勿体ない愚・・・』

を侵すようなことが無いよう、昔ながらの漢字文化を、いつまでも大事にして欲しいと云うことである・・・(汗)

 

 終戦後、恩着せがましく押し付けらっれた

『America さんの価値観・・・』

を真似た『横文字文化・・・』も、

『粋がった格好着け・・・』

の内は佳かろうが、それは、母国語(=漢字文化)をしっかり理解し、遣い熟(こな)した上での話にして貰いたいと、願うばかりである・・・(汗)

 

 と云う訳で、何とも長い

『云い訳駄文・・・』

を読んで頂いて居りましたら、心から感謝申し上げます・・・(謝&拝)