・外国を識る(大陸編)・・・(10) | 日本哭檄節

日本哭檄節

還暦を過ぎた人生の落ち零れ爺々の孤独の逃げ場所は、唯一冊の本の中だけ・・・。
そんな読書遍歴の中での感懐を呟く場所にさせて貰って、此処を心友に今日を生きるか・・・⁈

 フー・・・、やっと、離陸の日か・・・(汗)

 

 何とバカな前振りを、長々と綴って遊んで居るのか・・・(汗&笑)

 

 先に断って措くが、当時の旅行バッグ(=スーツケース等・・)には、今のように、床面をコロコロ転がってくれて、楽ちんに動かせる

『キャスター付き・・・』

などと云う代物など、まだ発明されても居なかった時代だ・・・(笑)

 

 従って、誰もが、自分の携えた荷物は、その重量を、必ず実感させられざるを得なかった時代であるから、海外旅行に、

『一朝の長(=経験)・・・』

の有るジジイが、父親の準備を、健気に手伝う女房殿に与えたアドバイスは、

『入れ物は、少し大き目にして、中身は、出来るだけ少なくして・・・!』

と云うことと、

『PASSPORT などを、肌身離さず持って措くための肩掛け小物入れバッグを、持って行くように・・・!』

の二つだった訳だが、そのアドバイスからしても、

『晩酌用の芋焼酎を、持って往く・・・!』

などと云うのは、まったくもって

『嗤える話・・・』

だったと云うか、呆れる発想と云うか・・・(笑)

 

 集合時間の午前8時までには、まだ若干間が有ったが、何せ

『地元発着・・・』

と云う謳い文句に釣られた

『薩摩人ご一行様・・・』

にとっては、海外旅行が初めての御方々も多い訳で、普段のド田舎の悪慣習である

『薩摩時間(=必ず遅れる)・・・』

とは真逆の状態が起きて居るようで、皆さん、なかなか集まりは良好な様子で、ターミナルビルの入り口からは、蟻が列を為すように、真新しいエントランスへと入って行かれる・・・(笑)

 

(=一言断って措かなければならないのは、この『チャーター便Tour 』には、まだ国際線の飛んで居なかった宮崎県からの人たちのグループも在られたのだが、それを識ったのは、もう中国に着いた後だった次第で・・・汗)

 

 ジジイの連れ合う御義父上様も、何やら気忙し気な足取りで、その列に続かれるので、ジジイも、それに倣って中へと入ったのだが、風除室を抜けて入った、

『新築間際・・・』
のターミナルビルのエントランスロビーには、

『如何にも・・・!』

を想わせる、あの独特な

『ペンキ塗り立ての匂い・・・』

が鼻腔から入って来たが、同時に、あの

『R・Sアナウンサー・・・』

の、やや大づくりに想える顔が、

『ハーイ・・・、此処よー・・・!』

と云わんばかりに、にこやかに微笑んで手を振って居るのが、真っ先に眼に入って来て、その横には、これまた今回のTour に添乗すると云って居た、旅行社(=MBC開発)の男性社員(=確か、『H田さん』と云ったと想うが・・・?)が、此方は、

『如何にも添乗員・・・!』

と云う佇まいの紺のスーツ姿で立って居て、歩み寄って来る参加者一人一人に、

『おはようございます・・・!』

と丁寧な会釈してくれて居た・・・(笑)

 

 既存の、数年前に開港したばかりの国内線ビルに比べれば、十分の一も無い広さの一階受付&到着ロビーには、何せ、

『数社合同・チャーター便・・・』

だから、ジジイたちのグループの他にも、幾つもの

『団体様の塊・・・』

が、エントランスロビーの彼方此方に出来て居る訳で、その一つ一つには、

『○急交通社・・・』

とか、

『△売旅行・・・』

とかの幟(のぼり)の目印が立てられて居り、その中には、如何にもド田舎空港発着を想わせる、あの

『麦の穂マークの総合商社(=◇協ツアー)さん・・・』

も在ったりして・・・(笑)

 

 勿論、これに混じって、Nippon を代表する大手旅行社さんのお名前も在る訳だから、その塊は、ザッと視、6~7社くらいか・・・?

 

 R・Sさんの顔を

『幟代わり・・・』

にした我がグループの場所にも、勿論、その旗印は立って居たが、出発寸前に、急遽都合が悪くなった人が二、三人出たらしく、結局、最終的には、添乗員のH田さんを含めて、

『総勢、28名・・・!』

になったらしかった・・・。

 

 その一人一人を、名前を確認しながら、添乗するH田さんと、出発までの手続きの手伝いに来たらしい女性社員が、説明会の際に預けたPASSPORT を返してくれたが、それには、旅行社が代行して取得してくれた

『渡航査証(=Visa )・・・』

と、これから乗り込む飛行機の座席番号が記された航空チケットが挟まれて居た訳だが、ジジイの座席が、これから7日間を、嫌が上にもご一緒するしかない御義父上様と連番になって居ることは、確かめる必要も無い訳で・・・(笑)

 

 前夜、寝る前の布団の上で、我が女房殿が、改めて、縋(すが)るような眼で、

『お願いね・・・!』

などと甘えた声で念を押してくれたから、胸を叩くように

『任せて措け・・・!』

などと大見栄を切った以上、最早、この一週間は、

『御義父上様の専用添乗員・・・!』

に徹するしかないと、今は、しっかり覚悟を決めて乗り込んで来たのだ・・・(汗)

 

『PASSPORT&Visa&航空チケット・・・』

を受け取ると、促されるように、壁際に待ち受ける航空会社の受付カウンターに並び、提げて来た重い旅行Bag を預け、二階の出発待合ロビーへと上がり、これまた列を為すように、出発ゲート(=保安検査場)を潜って、

『Immigration (=出国手続き) Counter ・・・』

に並び、不愛想な紺色制服にPASSPORT とVisa を差し出し、PASSPORTに

『NIPPON ・・・』

と云う刻印を打って貰って、いよいよ、東側の全面が、滑走路とエプロンを臨めるガラス張りになって居る

『出発ロビー・・・』

へと踏み込む訳だが、その前の、一階で、搭乗券を渡され、手荷物を預けるカウンターに並ぶ段階で、今回、ジジイたちが乗るチャーター便の航空会社が、

『ANA(=全日空)・・・』

で有ることを、初めて識らされたジジイは、

『へえ・・・、ANAも国際線を飛ぶんだー・・・?!』

などと、半ば驚きながら想い、序でに、

『中国は、近いからかなあ・・・?』

などと、バカな想像を巡らせて居た・・・(汗)

 

『国際線は、JAL(=日本航空)・・・!』

と云う、ジジイの幼い頃からの刷り込みは、この頃は、まだ全然抜けて居なかった次第で・・・(汗)

 

(つづく・・・)