私は、買い物があまり好きではない。



いや、本当は好きなんだけど、



スーパーやショッピングモールのような、


色んな物がたくさん並んでいる様子が、


視界にストレスを感じるんだと思う。


以前の記事にも書いた、


ビジュアルスノー(雪視症)の影響もあると思う。



食材や日用品の買い出しは、


家事の中でも嫌いなものに分類されている(笑)




それなのになぜか、


夢の中での買い物は、


いつも楽しくて、

胸をときめかせているのだ。




⭕この夢日記は、創作活動の為に書いています。 


 ⭕夢日記を始めようかと考えている方は、日常生活に支障が出る可能性もあるので、十分注意して下さい。





私は、薄暗い店内を1人で歩いている。


以前からよく通っている、

お気に入りの店だ。


夢の中で何度も訪れる場所、

というのが、何ヵ所もあるのだが、


その中の一つであるこの店は、


いくつもの小さな雑貨屋が

同じ建物の中に何軒も並んでいて、


テーブルの上にところ狭しと雑貨が並び、

1つの店に1人の売り子がいる。


並ぶ雑貨は全て、

職人の手作りだ。


布製品の店、

アクセサリーの店、

革製品の店、

宝石の店、

木工品の店、


色んな種類の店があるのだが、


売り子の誘い文句は全員同じ。



『ミラノの宝物は見つかりましたか?』



と、尋ねてくる。


『いらっしゃいませ』や、


『何かお探しですか?』ではなく、



店内では何度も何度も、



『ミラノの宝物は見つかりましたか?』



と、聞かれるのだ。



しかし、それが不思議と嫌な気持ちはしない。


なぜか買い物客に、


『私もミラノの宝物を見つけるんだ!』


という、不思議なワクワク感を与える、


魔法の言葉のようだ。



なぜミラノなのか?


普段全く気にしていない地名で、


ほとんど何の知識もない。


夢をきっかけに興味が沸いてくるのは、


よくあることだ。




そして、私は既に、


ミラノの宝物を手に入れていた。



優しい肌触りのスカーフ、


ウッドビーズを編み込んだブレスレット、


革細工のバッグ。



どれも職人の手作りで、


一点物だ。



今日は特に欲しい物もなく、


ぶらぶらと宝物たちを眺めに来ているだけ。



そこに、知り合いの男性が声をかけてきた。



『これ見てよ!最後のひとつだったんだ!』


私がスカーフを買った店と、

同じ店のスカーフを手に持ち、

とても嬉しそうに話してくれた。


よく見ると、猫の刺繍がついていて、

とても可愛らしい。


男性物なのか?


と、少し疑問に感じたのだが…


彼なら問題無いだろう。


芸能人で言うなら、

田中圭さん似の、

細くてふわふわした男性。


勿論、現実では会ったことのない友人。



スカーフをゲットして嬉しそうな彼だが、


どうしてもまだ、

本物の宝物が見つからないらしい。



『そうだ!僕の宝物はきっと木だ!そうだよね?』


何やら唐突に閃いたらしい。



木は私も好きだ。


アトリエも家具も

木製のほうが嬉しいし、


簡単な物なら、自分でも作る。



彼を、木工職人の店へ連れて行く。


『例えば、そのスツールもそうなんだけどね、どれひとつとして同じ木では無いし、作る職人によって、全く別の物になるんだよね。』


何だか偉そうに語り出す私。


彼も、うんうん、と頷きながら、

木工品を物色する。



すると、奥の部屋から、


カンカン!と、作業する音が聞こえてくる。


暖簾をくぐった先に、


木工職人たちの作業場があった。



電動工具などはなく、

全て手作業で、色んな物を作っている。



父親の作業を見ている女の子と、


お茶を入れている母親もいた。



どうやら、この木工品の技術は

一家相伝らしい。


『あなたはあなたの、作りたい物を作ればいいし、やりたいことをやればいいのよ。』


『それが、あなたにとっても、他の人にとっても、世界にひとつだけの宝物になるから。』


母親は、そう優しく語りかけていた。




夢から覚めて、


考えていたことがある。



私はよく、持ち物を褒めてもらう。


『それ素敵だね!』


と、よく言って貰うバッグがある。



数年前に、


『欲しい方にお譲りします』


という、投稿にひとめぼれして

お友達から頂いたバッグだ。






海外旅行のお土産らしいのだけど、


個性的なその姿がとても気に入っている。


そして、革製品を持っていると、


静電気を吸収してくれるという、


とても有難い効果もある。



最近、使い込み過ぎて

壊れてしまってきているので、


部品を買って修理して、

まだまだ愛用するつもりだ。




私にとっては、革製品も、木工品も、


同じ『命』からできた物に感じる。


革からはぬくもりを感じるし、


木を切るときは、肉を切るときのような心境になる。



そしてどちらからも、優しさを感じる。




工場で作る大量生産が悪いとは言わないが、


誰が作ったのか、

どこの何から作られたのか、

どんな想いがあるのか、


それを感じることができる、


世界にひとつだけのものが、

宝物と呼べるのかもしれない。



このバッグを作ってくれた人に、


いつかお礼を言いに行きたいと思う。