〜統合失調症と僕と大道芸〜 ものがたり第3話 「1+1=?」
中学1年生の後期のある日の数学の授業で僕の頭の中に異変が起こりました。
その日の授業で
マイナス÷マイナスという問題の解き方を授業で習いました。
今までの授業で
マイナス+マイナス
とか、
マイナス×マイナス
まではなんとか理解することができました。
しかし、
マイナス÷マイナスになった瞬間に僕の頭の中に
「マイナスをマイナスで割るってどういうこと??」
という疑問が頭に浮かんでそれが離れなくなりました。
本当に1日中そのことを考えるようになってしまい、
何をしても楽しくない。数学の先生は
「マイナスとマイナスで打ち消されてプラスになるからその数値を割ればいい」
というような解き方の方法は教えてくれたけどそれがなぜそうなるかは教えてくれませんでした。
周りの同じクラスの友達はそれに全く疑問を持たずに教わった通りにただ機械的に答えを
出しているという感じでした。
僕はなぜ自分だけがこんなにどうでもいいことに一日中頭を悩ませなければいけないのか
意味がわかりませんでしたが、
忘れようとしてもどうしてもその疑問が頭から離れずに1週間くらいその状態が続いた
頃にさらに僕の頭は異常になりました。
マイナス÷マイナスをひたすら追求して考えて行った結果最終的に
「1+1=なんで2なの?」
ということまで分からなくなってしまったんです。
もちろん1+1が2なのは僕も当然わかりますが、
それがなぜというのが当時の僕には分からなくなっていました。
普通の人には理解が不能だとは思いますがその時は
1はなぜ1なのか?
というもはや哲学の域に入る疑問が頭を埋め尽くして行きました。
しかしもっと辛かったのがその後でした。
眼に映るもの全てに疑問符?が浮かぶようになってしまったのです。
パソコンを見ると
「インターネットってどういう仕組みでできてるの?」
信号を見ると
「なんで信号って3色なの?」
ありを見ると
「なんでこんな小さい体なのに生きてるの?」
視界に入る物体全てに赤文字の太い?マークが浮かんでいるような状態でした。
家に帰ると母にその疑問について質問攻めにしていました。
母もさすがに嫌気がさしたようでよくそのことで喧嘩をしていました。
あまりにもその疑問が頭から離れないのが辛すぎてよく家で泣いていたのを
覚えています。
最終的に見かねた母が連れて行ったのが精神科の病院でした。
その時に思ったのが
「自分は普通の人間じゃないんだ。頭がおかしい人間なんだ。」
ということでした。学校では決して弱い自分を見せなかったのでそのことに気づいてる
友達はいませんでした。勉強も次第に手につかなくなり母と色んな病院を転々としました。
一人の医師がこんなことを言っていたのを覚えています。
「ゆうた君が思っているその疑問はとても素晴らしい才能なんだよ。
普通の人が考えないような疑問を持つことはすごい才能出し、
あのエジソンも実は1+1が分からなくて悩んでたんだ。」
ああ、そうなのか僕には他の人にはない才能があるんだ!将来はエジソンみたいな
発明家になれるんだなぁ♫
とは1ミリも思えず。毎日頭の中が割れるような思いでした。
精神安定剤を飲むたびに薬たちから
「お前は頭がおかしいんだ。」
と言われているような感じでしたね。
・・・そしてこの後さらなる試練が僕を待ち構えているのでした。
ちなみに今、
具志堅用高+具志堅用高=なんなのか考えていますが答えがわかりません。
答えがわかる人是非教えてください。