僕が書き、君が読む、その為の装置 -アルビノ

『ねえ、白いトンボがいるよ』

『え、どこどこ?珍しいね、アルビノかな?』

『あるびの?』

『んー、先天的なメラニン色素の欠乏で白く生まれた個体、かな?わかる?』

『わかんない』

『で、どこにいるの?』

『あそこ』

ビニールひもの結び目が、羽をはためかせてランタンを支えていた。