物のカタチに迫るには二つの方法が在る。
例えば、白いキャンバスの中央に黒く丸を描くか。
それとも、キャンバスの中央を残して周りを描くか。

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手段と言う物は、いつでもいくつかの方法がある。一つしか無いと思えるときには、二つ。
二つの内どちらかだ、と思える時は、三つ。
三つあったら、選択肢は無限大、と思っていいだろう。

そのどれかを、誰しもが自分で選びとって、進行方向を決める。

どれが正しいかは誰にも分からない。けれどどちらかと言えば、遠回りする方を選ぶ傾向が僕には、あるらしい。上の例えで言えば、後者。周りを塗りつぶしていく方だろうか。そちらの方が楽しい、と言う経験則から。けれど、時間は有限だから寄り道ばかりもしていられない。周りを塗り始めてしまったら、こつこつと進めるしかない、途中で飽きて中を塗ろうと思っても、塗り始めた周りと混ざってカタチの境界線が分からなくなってしまう。

そうなってしまったらどうしよう、新しいキャンバスを張り直して、はじめからやり直すか。
それとも、いっそ中央にキャンバスを破って穴をあけてしまうか。その穴は綺麗な丸にはならないかもしれないけれど。

それがだめなら、自分に問い直してみよう。

本当に自分の描きたかったカタチは、丸なの?