ホラー映画にもいくつか種類があるけれど、やはり日本人は目に見える暴力や、ゾンビが出てくるの様なスプラッタな作品よりは、心理的に忍び寄る怖さの方が得意だし、好きではないだろうか。斧を持った男が襲ってくるのが怖いのは当たり前だけれど、ゆっくりと床を伝うただの水なんかの方が怖いと感じたり出来る。
 僕がホラーと聞いて一番に思い当たる作品は、やはりスティーブン・キング原作の『ITイット』だ。これは、初めて見たのは小学生の時だと思うけれど、クラウンの格好をしたIT=ペニーワイズがもうトラウマ的な怖さだった。そして何より、ずっとこの作品の結末を忘れていたというのが、この作品を自身の中で最高傑作にしていた。大学生の時に改めて観たのだけど、やはり恐怖の対象が暴かれて、これだ、と言われてしまうと、全然怖くない。ただ、これだと言われなければ、大人になってしまった6人には永遠に倒せなかったかもしれないけれど。
 冷蔵庫から風船が舞い上がる、とかシャワー室の排水溝からペニーワイズが現れるシーンなんかは子供心に印象深い。今でも大好きだ、思い出はいつも美しい。



 12月29日

 今日は、運が良ければミュージカル『レント』を観よう、と青木氏とシアタークリエへ。エンジェルシートと言う抽選の当日チケットの列に並んだ。10枚しか無いのに整理券を貰ったのは300人を超えていた。結果は予想通りはずれたので映画でも観よう、という事になった。
 以前、友人の青木氏と時枝氏と僕の3人でニューヨークに行った時は、幸運に恵まれていて確か、3人とも『CHICAGO』と『Wicked』を抽選(lottery)で観劇する事が可能になった。いや、かといって今回も当たるんじゃないか、とは考えていなかったけれど。
 その後、有楽座で映画『ミラーズ』を観る。主演はキーファ・サザーランド。韓国映画のリメイク。前半はとても怖かった、もしくはびっくり。音楽もくどいくらいに恐怖をあおっていたけれど、作品としては凡作。おっと、批評めいた事は書きたくないので、ここで終了。
 新橋まで歩いて、東風屋というお店で鍋を食べて、二人とも仕事で別れた。フルーツビネガーはおいしいなぁ。

監督:アレクサンドル・アジャ『ミラーズ』 鑑賞