12月21日

 駅のホームの中にある立ち食いのおそば屋さんで、おそばを食べていた時の事。後から、入って来た30前後くらいの男の人がエビの天ぷらが小さいから取り替えてくれ、ともめていた。
 既に汁に使っているし、そもそもエビが小さいというのも疑問だ(まあ、衣の差か)。結局、エビは交換ではなく一つ追加という事になったようだ。そこにいる誰しもがおかしいと思っただろう。主張がおかしいと皆が感じながらも、この中で得をしたのは、小さいと文句を付けた客だけだ。周りから目を気にしなければ、その客は対価を支払わずにエビを一つ手に入れたのだから、まあたいした物だ。最近では、痛い奴だ、と言う人もいるだろう。まあ、迷惑な客には変わりない。
 ところで、こんな事で書き出すのもやや、恥ずかしいけれど、世間にはより大きい物への執着と言うか憧れの様な物がまだ根強くあるのだな、と感じる。大きければ良いとか、大は小を兼ねるとか、どんどん成長して肥大していく事が真だ、という考え方はもう古い。経済もそうでいつまでも成長を前提とした計画を立てているから、上手く行かない。成長しないではなく、今の状況を維持するという事を目的としたシステムが必要だ。それを、バブルが崩壊した時に学んだのではなかったのか。