数週間前、
『岩田さん、なんか、やる気の出る本無いっすか。』
と、死んだ魚のような瞳をした後輩M君が来ました。
こんな時、
私はあまり、いわゆる自己啓発ジャンルの本は渡しません。
やる気がでるとか、でない、とか、そういうのを
遥かに凌駕した本を渡します。
今回は、この本を貸してあげました。
- ルワンダ大虐殺 ~世界で一番悲しい光景を見た青年の手記~/晋遊舎
- ¥1,365
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ルワンダのジェノサイド(大量虐殺)内戦時において、
腕を切り落とされ、鼻を削がれ、鋲の付いた棍棒で殴りつけられ、
刃物で左目をえぐり出され、うなじを切りつけられ、槍で腿を串刺しにされて、
あまりの苦痛にとどめを刺してくれと懇願しつつも、
奇跡的に生き延びた著者の実体験手記です。
以下、本文より抜粋。↓
ツチ族のジェノサイドは、
よく言われているような「ルワンダ人のジェノサイド」ではない。
確かにその虐殺は、
ルワンダにおいてルワンダ人がルワンダ人に対して行い、ルワンダ人が終わらせたという特徴を持っている。
しかし、1994年の4月から7月にかけて、4ヶ月の間に1日1万人の割合で殺害された――総計約100万人――が犠牲となったこの虐殺は、圧倒的な沈黙の中で行われた。
ちょうど、ワシントンではホロコースト記念館が開館し、西欧列強が連合国軍のノルマンディ上陸50周年を祝って、異口同音に「二度と繰り返すな!」と自ら言い聞かせていた時に。
──母の死は、私が目撃せざるを得なかった殺戮の中でも最悪の残虐行為だった。
1分間の大虐殺。ほんの100秒の間に43人が殺された。私の家族全員が死んだ。私は死んだのか?
残念ながら、まだ生きている。
そのとき私は、悪魔がこの世に存在することを知った。たった今、その瞳と視線を交わしたところだった。
シボマナはまず、私に寄りかかっていたヴァランスに切りかかった。従弟の血が降りかかる。
シボマナが再び鉈(なた)を振り上げる。私は反射的に左手で、頭の前、額の辺りを守った。
まるで父親に平手打ちを食らわされる時のように。敵が襲いかかってくる。刃が振り下ろされ、私の手首をぱっさり切り落とす。
左手が後ろに落ちた。温かい濃厚な液体がほとばしる。私はその場にくずおれた
私はもう神を信じていない。
1994年4月20日、まだ子供だった私の心の中で神は死んだのだ。
人の教えてくれたところによると、虐殺を生き延びたユダヤ人には不可知論者になる者が多いらしいが、私にはその気持ちがよく分かる。エリ・ヴィーゼルはその著作の中で、強制収容所で忌まわしい光景を目撃した瞬間、当時子供だった彼の心の中で神が死んだ経緯を語っている。
ブナ収容所で、ある日かれは、少年が絞首刑にされるのを目の当たりにした。やせ細っていた少年は、ぶら下がっても死に至らないほど軽く、縄に吊り下がったまま身をよじらせて悶え苦しんでいた。その苦しみはいつまでも続いた。
子供だったエリは、居並ぶ人々の間からこんな言葉が何度も漏れてくるのを耳にしたという。
「神様はどこにいらっしゃるのか?」「神はどこにいる?」「神はどこだ?」
やがて見守っていた人々の中から一つの答えが聞こえてきた。
「神はどこにいるかだって? ここだ。ここにぶら下がっているじゃないか、この絞首台に」
神はこの少年と共に死んだのか?
───────以上。
先日、私の事務所である、【岩田書房】へ、
返却しに来たので、
どうだったか、と聞くと、
『なんか、もう、凄かったっす。』
なんて言っておりました。
この本、二十台前半の若者には、
なんか、もう、凄いらしいっすよ。