今回はまたオールドブレンデットです。
HAIGの上位ブランドにあたるPinchの70年代流通品です。
<擬人化テイスティング>
16〜18世紀、食器系統を主に製作する鍛治職人のオヤジさんで、50歳前後でしょうか。
20歳過ぎくらいの若くて優秀な弟子が一人、住み込みの10代の下女が1人。
娘はすでに結婚して家を出ており、妻とは死別しています。
市街地に工房があり、腕前は折り紙付き。
ゴテゴテした装飾を入れるのではなく、洗練された意匠の上級品を製作します。
世情に無頓着ではなく、それなりに身だしなみも整えて酒場に行くこともあるようですが
口数は多くなく、鋭い目つきもあってクールな印象です。
弟子や下女も同じように口数は少ないほうですが、すこぶる真面目。
ただ、口数が少ないだけで大人しいというのとは違うようです。
厳しい性格ではありますが怒りっぽいわけではなく
同業に限らず基本的に周囲には尊敬されているようです。
<通常版テイスティング>
ほんのりピーティな辛口の部類です。
多少の渋味があり、オイリーさとキレのバランスが良いです。
ゆっくり飲んでいくと、モルトとグレーンの甘みがキレイで、
かすかにオレンジピールやチョコレートのような雰囲気もあります。
静かにゆっくり飲むと、どんどん良さがわかってくるような気がしますね。
ちょっともったいないんですが、ソーダで割って飲んでも美味しそうな雰囲気があります。
<解説>
当時はHAIGの上級品はDimpleとの2つあって、
元々は輸出先によってブレンドを変えていたようなんですね。
70年代になると日本にはどちらも入ってきていて、
当時はサントリー株式会社が輸入していました。
今となっては会社名すらホールディングスになっていますが、
住所表記が70年代末に変わることから流通年代の判定に使われます。
大阪市北区堂島浜'通'なら1978年以前、'通'がとれるとそれ以降とのこと。
ただ、Pinchという銘柄は1979年にDimpleに統一されたらしく、
実はPinchであれば古いと考えても良さそうです。
HAIGは、現在となってはややマイナー感がありますが、
大手が扱っていない影響なんだと思います。
そもそもHAIG&HAIG社はスコッチウイスキーの歴史においてとんでもなく重要で、
一時有名ブランドのあれもこれもを傘下に入れたDCLを創始しています。
「HAIGを飲まずしてウイスキーを語るなかれ」というフレーズも有名です。
まぁ、どうでもいいといえばどうでもいいんですが、
樽が変わる、ブレンドが変わるということだけではなく
現地でも企業買収が繰り返されていていたり身売りしたり
日本では輸入元がごちゃごちゃ変わっていたり、
歴史が複雑なのがスコッチウイスキーの難しくも面白いところかなと思ったりもします。
古いお酒が美味しく飲めるのはスピリッツのいいところですよね。





