ここに作家志望の奴がおった

作品を書いては応募し

応募しては落選

また応募しては落選

ついに書くネタが底をついた

それでも机に向かった

鉛筆を転がしては

天井を見上げて

時間ばかり過ぎていく

ついには自分は才能がないのだと思うようになった

ある日

うつらうつら居眠りをしていると

夢にまで見た車に乗ってドライブをしている自分を

空から眺めている

男はなんだかワクワクしてきた

はっと夢から覚めた

男は思った

ナンのために書いているのだろうと

作家にならねばとの思いだけではなかったのだろうか

夢のようなワクワクしたものを欲しかったのじゃないのか


不思議とペンが進むようになった


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