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こんにちは。アモルです。
とある飲み会で、その上司が私にこっそり訊いた来たんです。
「〇〇（私の名前）ちゃんは、男の子なの？女の子なの？」と。
それまで、私なりに隠してきたつもりでした。
疑われることがあっても、恋愛対象が男の子という点だけ。
私の性別に関して初めて訊いてくれた人が現れたのです。
打ち明けていいものか迷いましたが、
今のまま隠し続け、我慢する生活は耐え難いものでした。
私は、上司に自分自身のことを打ち明けました。
次の日、他の上司の職場での扱いも、
なんとなく女性に対するものに変化したのを感じました。
私がカミングアウトした上司は、
このまま黙っていようか、共有しようか迷った末、
後者を選び、いろいろと話をしてくれたそうです。
このことで、私は職場の全員にカミングアウトすることを決め、
いつしか職場は本当の私でいられる場所に変化しました。
それでも、両親には言えません。
友達と遊ぶ時などはメンズの服で家を出て、
ネットカフェで、メイクをして服を着替えてから遊びました。
遊んだあとは、
駅の誰でもトイレでメイクを落とし、着替えてから家に帰りました。
打ち明けなくてはいけない。
どう切り出せばいいのか、どう話せばいいのか、
不安で仕方ありませんでした。
このままだと、ずっと言えない。
自分で言い出せないのならば、親から訊いてもらうしかない。
そう考えて、親の前で何かに悩んでる風を大げさに演じました。
食事の量を減らし、ため息を頻繁に吐く。
そんなことを繰り返していると、
数日後に母親が「何かあったの？」と訊いてきたんです。
今しかありません。今を逃したら、次がいつくるか分かりません。
家の中なのに、本当の自分でいられない。
私が私になる為に。家を安息の場所にする為に。
私は全てを打ち明けました。
幸い、両親も「３年B組金八先生」を観ていたので、
GIDのことについての知識は、ドラマ程度ですが持っていました。
もしかしたら泣かれるかもと思っていました。
もしかしたら怒られるかもと思っていました。
もしかしたら縁をきられるかもと思っていました。
私の不安を裏切るように、静かに「分かった」と言った後、
「ひょっとしたらって、なんとなく思っていたよ。自分の人生なんだから何も言わないよ。好きにしなさい」と言ってくれました。
あっけないものです。
何年も言えずに苦しんだのに、本当にあっけないものでした。
もしかしたら、私の見ていないところで泣いたかもしれません。
それでも、私の好きにしていい。と受け入れてくれたんです。
その夜は、本当にぐっすりと眠りにつくことが出来ました。
全ての両親が受け入れてくれるわけではありません。
全ての人が受け入れてくれるわけではありません。
でも、受け入れてくれる人もいるのは事実です。
カミングアウトしたことで、私自身も本当の意味で私を受け入れられたような気がします。
カミングアウトを推奨するわけではありませんが、
人はひとりで生きていけません。
誰かに悩みを打ち明けることは大切なことだと、私は思います。
新しい側面から物事を見ることが出来たり、
私のように、世界が変わったように感じたりできます。
私の背中を押してくれた上司のように、
私も誰かの背中を押せるよう頑張りたいと思います。
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紅 葉
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