こんにちは、さち先生です。

 

 

 

ミロを見たか?(^^)

 



Bunnkamura⇒愛知県美術館⇒富山県美術館と巡回中の、ミロ展に行ってきました。
(愛知県は、7月3日まで。日程詳細はコチラ↓

 

 

 

ミロって、学生時代に一番好きだった画家の一人。

10代の頃に見た爽やかな衝撃は、忘れられないです。

抽象画への憧れから、崇拝していたと言ってもいいくらい。
学生時代はただただ、ウットリと見ていたミロ。


今回の展覧会では、

作品の背景や、ミロの日本への想い、

交友関係や本人の性格にも触れており、

意外な発見がいっぱい!!

 

大人になって初めて、

等身大の画家像を知ることができました。

 

 

ゴッホにも影響を与えたジャポニズムブーム。
ミロも日本の浮世絵や俳句が大好きでした。

 

※写真をとっていい作品が何か所か用意されているのは、嬉しいですね(^^)
 

 

1917年”アンリク・クリストフル・リカルの肖像”

黒いストライプの服の印象ばかり見ていると見過ごしてしまうのですが、
背景に大胆に貼り付けている浮世絵の色合いを、

しっかりと真似ています。

特に、はっきりしたグリーン、オレンジがかったピンク色は、浮世絵に合わせて選んだ配色ですね。


 

キュビズム、フォービズム、・・・流行っているものはひと通り取り入れて自分なりの作風を探っている頃の絵です。

 

 

さて、ミロと言えば、

繊細な線と愛らしい表情の生き物たちの抽象画が有名ですね。

 

これらは、

シュールレアリスムを追究する中、
飢餓状態の妄想で浮かんだカタチの

スケッチがもとになっていて、
 

全ての作品は、いきなりキャンバスに書いたものではなく、
しっかりと意図して再構成されたもの。

 

実は、スケッチが沢山残っているんですよ。(^^)

 

気持ちの良い気分、
政治に苦しめながらも、

たくましく生きる民衆の姿、

森、自然物、妄想から着想する形。

 

 

【ここで、歴史を少し解説。】

 

この頃の政情は、

スペイン共和国政府に対するクーデターから始まる内戦状態。

1936年7月~内戦ぼっ発
1937年のパリ万博(ピカソは”ゲルニカ”を、ミロは”刈り入れ人”という壁画を制作するも、ミロの作品は今も行方が分からない。)を経て、

1938年3月バルセロナが陥落、フランコ専制に。

 

ミロはバルセロナから逃げ、仮住まいを点々とし、1939年にはノルマンディ、

1940年には妻の故郷パルマ・デ・マジョルカへ。

 

マックス・エルンストは、収容所行き、

フランス人のイブ・タンギーは渡米する中、ミロは制作の為にもスペインを離れられないのでひっそりと息をひそめて制作を続けました。

 

1941年にやっとバルセロナに戻っても、スペインでは反ファシズムのミロの作品を買う市場が無く、存在しないような画家として扱われていたのを、

アメリカでは大芸術家として評価されていくようになったのでした。

 

ミロがマジョルカに大きなアトリエを建て戻れたのは1956年

実に20年の苦しい逃亡生活の中でも、友人や妻に支えられながら

ひっそりと制作を続けたのでした。

 

※以上は、もっと知りたいミロ~生涯と作品~:東京美術のP34~36を参考にさせていただきました。

 

歴史については、ここまで。↑↑

 

 

さて、
ミロが細く特徴的で自由な線を描き始めていた1926年頃には、

ハンス・アルプ(ジャン・アルプともいう。)と

お隣さんとして暮らしていたことがあるというのも分かって、

ちょっと嬉しかったです。(^^)♪
(レ・フュザン。マックス・エルンストもここに居ました。)

 

さち先生は、アルプの彫刻が大好きなんです。(笑)
 

なんともカワイイ、丸っこい不思議な彫刻。
ちょっとミロと似た可愛さがあるなぁ・・・

と思っていましたから、
お互いの作品に影響し合っていたのだと分かって

納得でした。

 

 

参考までにアルプを紹介しているページを貼っておきますね。
(ノラの絵画の時間)

 

3分でわかるジャン(ハンス)アルプ ダダから具体美術へ アールコンクレの彫刻家アルプの人生と作品 : ノラの絵画の時間 「総目次」へはここをクリック!   「10分でわかる近代絵画史」はここをクリック!  ダダとは?ダダと12人のダダイストたち その思想と作品 今回はダダの画家、彫刻家であり詩人でもあるジャン(ハンス)・アルプ(1886−1966)です。 初期のアルプはリンクblog.livedoor.jp

 

 

具体彫刻を意識して線を登場させている。

 

それが分かると、中期からのミロは分かり易いのではないかしら?

↓↓↓

 

 

線、言葉(詩)、有機的な具現彫刻。

その垣根を簡単に行き来する
自由なデザイン感覚も、見てとれます。

 

 

ミロは、妄想を描く”奇人変人”・・・ではなく、(;^ω^)
社交的で、謙虚で、美をこよなく愛する

志の高い画家。

 

芸術家の間でも誰とでも仲良くなれるタイプの、

コミュ力の高い人物だったようです。

 

 

精神的に安定していた方なのだと分かって、内心ホッとしました。

 

 

 

ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子↑を見て、
 

「どれがオルガンだ?」と実父が首をかしげていました。
「淡いグレーの塊がオルガンに見えない?」 と私。

 

他の作品でも、
「”女”ってどれだ?」と実父。


「あんまり、頭で理解しようとしない方が良いよ(笑)」

というと、苦笑いしておりました。

 

 

鍵盤のイメージから黒をベースに使ったのか?

幻想的な雰囲気を出したかったからか?

白い線を際立たせたいからか?

 

そこは感覚的でありながら繊細な計算があって

作品が成り立っています。

 

 

真面目なようで、どこかおどけていたり。

 

ユーモアあふれる表情は、

ミロ自身も苦しい経済状況や、

表現が政治的に認められずに逃亡生活を

続けなくてはならない状況にありながらも、

運命をヒラリとかわしていくような強い精神性を感じて、

今の時代だからこそ共感できて感動してしまいますね。( ;∀;)

 

 

日本を愛し、

大きな大きな陶芸作品を日本に寄贈してくれたミロ。

 

陶芸家の工房で、

毎日規則正しく起きて自ら陶芸に励んだミロ。

 

奇抜なもの、大胆なものは、

こんな深い精神性とお茶目さの混在した人物から

生まれるものなのだな・・・

偉大な画家の心の内に近づけた気がして

個人的に得るものの大きな展覧会でした。

 

 

 

 

 

 

因みに、展覧会で買ったのは、シルクスカーフ7,000円!!(^^)

と、カタログではないミロの画集。

 

 

 

 

この画集は、普通にAmazonで売ってます。

 

 

 

 

↑↑↑

ミロの生涯と作品がコンパクトに紹介されており、色合いも美しい、ミロファン必見の画集です。良かったら読んでみてくださいね。

 

 

 

ミロ、パウル・クレー、アルプ、・・

 

抽象画って、難しいように見えて
その起源を見つめてみると案外単純。

 

このカタチ、きれいだなぁ。好きだなぁ。
この線が、あの詩のような雰囲気を表しているなぁ。

 

そんな感覚に浸りたい日は、
あなたも紙とペンを用意してみては。

 

 

以上、ミロ展 日本を夢みて のレビューでした。

 

 

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5月の忙しさも超えて、運動会が終わると、もう1学期が終了していく・・・

実にあっという間でしたが、2回も美術展に行けて嬉しかったです。

 

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それではまた。