花作りが変えたのは人ではなく「場」でした
ケアアート実践記録です。私の花作りレクリエーションでは「みんなで楽しく一つのものを作りあげる時間」を大切にしています。 とはいえ、施設では毎日を一緒に過ごされているので、「あの人とはちょっと仲が悪いから…。」という場面にであうこともあります。そんな時は、少し席を離してみたり、お互いが気にならないように工夫したりと私なりに気を使います。この日はいつもはとても仲良く過ごされているHさんとMさん。Hさんが涙目でMさんをみつめ、どこか険しい表情をされていました。どうやら何かあったようです。少し気になりながらも花作りを始めることにしました。 ところがレクリエーションが始まり、手の準備運動をしたり、握ったり、ねじったりしながら花が少しずつ形になっていくと、「きれいねー。」とかの言葉が自然に飛び交っていきいつの間にか皆さん、笑顔になっています。そして「どこに飾りましょうか。」と完成した作品を囲んで話し始めるころには、「あれっ、誰とだれが仲悪かったんだっけ?」と、ほっとした気分になっています。一つの花をみんなで完成させること。しかもそれが誰もが親しみを感じる花であること。その時間は、人と人との距離を少し近づけ、場の雰囲気を和やかに変えていくのを毎回感じます。私は花作りは作品を作るだけではなく、人と人のつながりを育むケアの時間でもあると思っています。