ついに始まった、ヒーロー部vs不良グループの決死に戦い。
愛佳のおかげで意外にも順調な滑り出しの不良グループに比べ、晴香の撮影会でしか売り上げれていないヒーロー部。
麻友の提案で造られた「たこクレープわたあめ」は、麻衣によって改良され、もっとおぞましい料理へと姿を変えた。
「ほんとだ、美味しい」
「いや、美味しくは無いよ。お腹が減ってなかったら、往復ビンタものだよ」
友美と美香の二人がストローで「たこクレープわたあめ」を啜る。
一方は美味しいと称し、もう一方は不味いと言う。だけど、二人の手は止まることがなかった。
それが功を奏したのだろうか、お客が一人、また一人とやってきた。
「すみません……それ、一つください」
「あ、俺も一つ」
「私も」
どうみても、気持ち悪い液体なのだが、変人二人があまりにも美味しそうに食べていることで、周りの客たちに興味をそそったようだった。
「ほら、やっぱりミキサーで液状にしたのが良かったんだよ! まい、あったまいー!」
「ていうか、あんなに美味しそうに飲んでたら買ってみたくなるかもね……」
そう言う夏海も、実はちょっとだけ食べてみたい衝動に駆られていた。それほど友美と美香は、美味しそうに食べていたのだ。
「はい、一つ2000円ね。まいど~! お? あんたはお金持ってそうだな? じゃあ、一つ200000円ね――っつ……」
「人によって、値段を変えるな! 統一しなさい統一! てか、あなたも素直にそんな大金を差し出さない!」
才加の頭にハリセンが振り下ろされる。それを見た美香が、慌ててマジックで「一つ2000円」と統一していた。
一方その頃。
「お嬢ちゃん偉いねぇ、お手伝いしてるのかい? ほら、お小遣いあげるよ」
「わあ……ありがとうございます。これでお母さんのお薬が買えます」
愛佳の詐欺まがいの演技のおかげで、イカ焼きがほぼ完売してしまった不良グループだったが、何故か愛佳に同情した人から無償でお金を援助してもらっていた。それを見た優子が、店の前に募金箱を設置している。
「この可哀想な子に愛の手をー! この子とそのお母さんを助けてあげてくださーい」
もう、イカ焼き屋でも何でもない露店に明日香が愕然としていた。ツッコム気力もない。
「あいちゃんのお母さん……手術しないと死んじゃう……」
「おやおや、可哀想な子だね。少しだけど足しにしておくれ」
「諭吉の紙切れ以外入らないようになってるんですよ。すみません」
500円玉を財布から取り出した老人に、優子が当たり前のように言い放った。渋々お札を取り出そうした老人に満面の笑顔で愛佳が「ありがとう」と言っていた。
「イカ焼き完売だっ! 明日香、もうなんでもいいから売るぞ!買出しいってこい!」
「え? 私ですか? 買出しって……」
「いいから売るんだよ! 100均で買った花瓶とか急須を、江戸時代のものとか言って10万くらいで売れば、9万9千900円の儲けだろうが! 早く行って来い」
完全に詐欺師の集団になった不良グループに、明日香が溜息混じりに買い出しに向かった。
不良グループの詐欺行為と、ヒーロー部の「たこクレープわたあめジュース」と晴香の撮影会の売り上げは、ほぼ接戦だった。
花火を見に行ったヒーロー部の麻衣と才加、そして友美の代わりに美香と麻友が店を切り盛りしている。
そして、お祭りも無事終わる。
対決をしていたこともすっかり忘れてしまっていた両者には、莫大な売り上げだけが残っていた。
ヒーロー部、634万8200円。内、晴香の撮影会が392万8000円。
不良グループ、681万9200円。内、愛佳に対する募金が427万900円。
「これって、すごいことだよね?」
「だね……」
夏海と明日香が、表情を強張らせて唖然としていた。
ちなみに高橋は、ゴミ拾いをしたり、迷子になった子を助けたりしていたようで、後日、感謝状を貰ったようだ。
つづく
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祭りの売り上げでバカンス満喫!
まさかの姫部登場で天国から地獄?
もうすぐ夏休みも終わっちゃうね?
次回
「夏だ!海だ!なっちゃんだ!!」
お楽しみに