気がつくと、街の片隅に倒れていた。


身体中のあちこちが痛い。


誰が手当てをしてくれたのだろうか、こういうことは、これで3度目のことだった。


モンスターと戦って、負ける。ああ、死んだ。


そう思って、目を覚ますといつも近くの街の片隅に寝かされている。


しかも手当て付でだ。


所持金がきっかり半分に減っているのは何故かは判らない。もし、モンスターに殺されないで済むのなら、魔王討伐はもう少しで終わるんじゃないだろうか?


「お前達、起きろよ。街だ、街に着いてるぞ」


秋元才加は、勇者の称号を持たない。戦士としては優秀だったのだが、なにぶん力だけしか取り柄がなかったのだ。


「ああ……また、飛ばされたんだね。いつもいつもありがたいよね」

「ったく、そんなんじゃ魔王なんて倒せないだろうが。勇者のあんたがしっかりしてれば、あんな狼ごときにやられてないんだよ」


才加のキツイ一言に、仲川遥香はシュンと頭を垂れた。

王から授かった勇者の称号。それは遥香にとって嬉しい物ではなかった。小さな村で平凡に暮らしていた遥香にとって、魔王討伐など夢のまた夢。おとぎ話の物語のようなものだった。


「あんまりはるごんをイジメないようにね。才加が何も考えないで突っ込んだことにも責任あるんだからさ」

「シンディーは黙ってろよ。お前の魔法だって使えないじゃねえか。いっつも詠唱が長いしよ」

「仕方ないでしょ。そういう魔法なんだから、もう……」


まあまあまあ、遥香が眉をへの字に下げ二人の間に入った。

賢者のシンディーを入れて、たったの三人。そんなパーティではあったが、個々の能力はどの勇者たちにも引けを取らない。ただ、ものすっごくチームワークが悪かった。



そんな三人の、魔王討伐の旅は後半戦を迎えている。