恵令奈と真奈美が粗大ごみのあるほうへと移動して、その姿が見えなくなったとき、佐江の姿が才加の視界に現れた。
「佐江!」叫んだ。両手を挙げて降参のポーズを取ることで、抵抗の意思がないことを示した。
マシンガンを構えたままの佐江が、才加のほうをゆっくりと向いた。そして、躊躇することなく撃った。
覚悟はしていた。だが、ほんの少しの可能性に掛けてみたかった。だが、その可能性は一瞬にして打ち崩されてしまった。
才加の腹部に右から左へと4つの銃弾の痕が付いて、シャツが真っ赤に染まっていた。崩れそうになった体を、踏ん張ることで持ち直した。
「佐江・・・・」才加の口の端から、血が流れて、咽た。押さえた両手が真っ赤に染まり、それを見てから、佐江の顔を見つめた。
「佐江を・・・佐江を、返せっ!」
ごぼっ、叫んだのと同時に、大量の血を吐いた。喉に詰まった血のせいで、呼吸が苦しくなっていた。
佐江が一瞬だけ思いつめたような顔をして、俯いた。だが、それは本当に一瞬だけだった。顔を上げた佐江が、今度は遙香の武器のウージーで才加の両足を右から左へと撃った。
左太腿の付け根と右膝の上部を撃たれ、才加の体は、支えるものがなくなり、膝を着き倒れた。
「さ・・・佐江・・」
搾り出した声だったが、それに気づかなかったのか、佐江は辺りを見渡していた。
先ほど、撃たれたはずの才加のショットガンが見当たらないことに気づいて、才加を見た。
「佐江ちゃん、こっち」
後ろから声がした。振り向こうと体を捻ったとこに、ショットガンの弾が佐江の左腕に当たった。
無数の弾の衝撃に、佐江の左腕が宙に跳ね上がって、体のバランスを崩した。
右手に構えたマシンガンを恵令奈に向けて撃った。ショットガンを撃ってすぐに、頭を引っ込めていたため、恵令奈の上部の木の枝が、木っ端微塵に飛び散っただけだった。
佐江にとって、恵令奈の攻撃は誤算だった。誤算だったからこそ、佐江の左腕にダメージを与えることができた。だが、今の佐江には、恵令奈だけではなく、真奈美の攻撃もあると予想していた。
マシンガンを構えたまま、前に歩みを進める佐江が、一瞬だけ見えた頭に目掛けて、ぱぱぱぱぱぱ、と撃ち放った。
真奈美の頭だったが、それはほんの少し上の木の枝に当たっていた。
助かったぁ、そう思ったが、佐江に居場所を教えることになってしまい、どちらかと言うと万事休すだった。
「どうしよどうしよどうしよ」
恵令奈が倒れた自販機に隠れて、何度も呟いた。その隣で真奈美が目を閉じて、何か考え事をしていた。
ぱぱぱぱぱぱ、と音が響いて、自販機が揺れた。真奈美がモーゼルM712を構えて、立ち上がった。そして撃った。
それは、佐江には当たらず、その右側にある焼却炉に当たって、一瞬だけ火花が散った。
真奈美が自販機に頭を引っ込めた。銃を持つ手が震えているのを見て、恵令奈は、頭の中で何度も、どうしよどうしよ、と考えた。
才加の言うとおり、佐江の頭を狙ったはずだった。その1撃で仕留められなかったのは、恵令奈にとって失敗だった。
できれば殺したくない。それが才加の作戦だったが、もし、才加が撃たれて、そして倒れた場合だけ、佐江を殺せと言われていた。
それが失敗した今、どうすることも出来なかった。真奈美のようにここから頭を出すことなんて出来なかった。
その真奈美も、今じゃ、恐怖で震えていた。
ざっ、ざっ、と佐江の足音がゆっくりと近づいてくる。震える真奈美を横目に、恵令奈はショットガンをもう一度放つべく、引き金に指を掛けた。あとは頭を出して撃つだけだ。次失敗すれば自分が死ぬ。
大きく深呼吸してから、立ち上がろうとしたとき、パパンとマシンガンとは違う銃声が2発聞こえた。
「佐江!」叫んだ。両手を挙げて降参のポーズを取ることで、抵抗の意思がないことを示した。
マシンガンを構えたままの佐江が、才加のほうをゆっくりと向いた。そして、躊躇することなく撃った。
覚悟はしていた。だが、ほんの少しの可能性に掛けてみたかった。だが、その可能性は一瞬にして打ち崩されてしまった。
才加の腹部に右から左へと4つの銃弾の痕が付いて、シャツが真っ赤に染まっていた。崩れそうになった体を、踏ん張ることで持ち直した。
「佐江・・・・」才加の口の端から、血が流れて、咽た。押さえた両手が真っ赤に染まり、それを見てから、佐江の顔を見つめた。
「佐江を・・・佐江を、返せっ!」
ごぼっ、叫んだのと同時に、大量の血を吐いた。喉に詰まった血のせいで、呼吸が苦しくなっていた。
佐江が一瞬だけ思いつめたような顔をして、俯いた。だが、それは本当に一瞬だけだった。顔を上げた佐江が、今度は遙香の武器のウージーで才加の両足を右から左へと撃った。
左太腿の付け根と右膝の上部を撃たれ、才加の体は、支えるものがなくなり、膝を着き倒れた。
「さ・・・佐江・・」
搾り出した声だったが、それに気づかなかったのか、佐江は辺りを見渡していた。
先ほど、撃たれたはずの才加のショットガンが見当たらないことに気づいて、才加を見た。
「佐江ちゃん、こっち」
後ろから声がした。振り向こうと体を捻ったとこに、ショットガンの弾が佐江の左腕に当たった。
無数の弾の衝撃に、佐江の左腕が宙に跳ね上がって、体のバランスを崩した。
右手に構えたマシンガンを恵令奈に向けて撃った。ショットガンを撃ってすぐに、頭を引っ込めていたため、恵令奈の上部の木の枝が、木っ端微塵に飛び散っただけだった。
佐江にとって、恵令奈の攻撃は誤算だった。誤算だったからこそ、佐江の左腕にダメージを与えることができた。だが、今の佐江には、恵令奈だけではなく、真奈美の攻撃もあると予想していた。
マシンガンを構えたまま、前に歩みを進める佐江が、一瞬だけ見えた頭に目掛けて、ぱぱぱぱぱぱ、と撃ち放った。
真奈美の頭だったが、それはほんの少し上の木の枝に当たっていた。
助かったぁ、そう思ったが、佐江に居場所を教えることになってしまい、どちらかと言うと万事休すだった。
「どうしよどうしよどうしよ」
恵令奈が倒れた自販機に隠れて、何度も呟いた。その隣で真奈美が目を閉じて、何か考え事をしていた。
ぱぱぱぱぱぱ、と音が響いて、自販機が揺れた。真奈美がモーゼルM712を構えて、立ち上がった。そして撃った。
それは、佐江には当たらず、その右側にある焼却炉に当たって、一瞬だけ火花が散った。
真奈美が自販機に頭を引っ込めた。銃を持つ手が震えているのを見て、恵令奈は、頭の中で何度も、どうしよどうしよ、と考えた。
才加の言うとおり、佐江の頭を狙ったはずだった。その1撃で仕留められなかったのは、恵令奈にとって失敗だった。
できれば殺したくない。それが才加の作戦だったが、もし、才加が撃たれて、そして倒れた場合だけ、佐江を殺せと言われていた。
それが失敗した今、どうすることも出来なかった。真奈美のようにここから頭を出すことなんて出来なかった。
その真奈美も、今じゃ、恐怖で震えていた。
ざっ、ざっ、と佐江の足音がゆっくりと近づいてくる。震える真奈美を横目に、恵令奈はショットガンをもう一度放つべく、引き金に指を掛けた。あとは頭を出して撃つだけだ。次失敗すれば自分が死ぬ。
大きく深呼吸してから、立ち上がろうとしたとき、パパンとマシンガンとは違う銃声が2発聞こえた。